プロポーズ-1-


遊戯から何気ない一言。

「海馬何時になったら結婚するんだ?」

 

久しぶりの休み。

海馬邸の海馬の私室。

海馬と遊戯は、別々の部屋を使っている。

それは、互いのプライベートを大切にしたい・・・と言うのが建前で海馬の仕事が関連している。

流石に仕事をしている姿を遊戯に余り見られたく無いのだ。

それに遊戯の口が固いとは、言え重要機密書類だって有ったりするのだ。

それでも寝室だけは、共同だ。

疲れた心と躰には、最愛なる人の温もりが必要らしい。

そして今は、海馬の私室のソファの上。

海馬は、遊戯の膝の上に頭を乗せ目を閉じている。

目を閉じているからと言って寝ているワケでは、無い。

ただ遊戯の膝が気持ち良く。彼の匂いと体温、気配が心地良かった。

髪に触れる遊戯の手の感触も好きだ。

遊戯が傍にいるだけで穏やかな気持ちになれる反面嵐をも呼べる程激しく熱くなれる。

 

気持ち良さそうに目を閉じ髪を触れさせてくれている海馬。

柔らかくサラサラの綺麗なブラウンヘア。

彼の全てが愛おしく思い彼の幸せを願わずには、おれない。

愛おしい彼の傍に非ィ科学的で非ィ現実的な自分が居て彼が本当に幸せになれるのだろうか?

又、この世界から消えてしまうのでは?・・・最近そう思う様になった。

自分が消えた時の事を考えるのは、辛い。

海馬がどんな気持ちで自分を生き返らせてくれたのか・・・。

胸が痛い。

苦しくて仕方が無い。

「海馬何時になったら結婚するんだ?」

海馬に必要なのは、自分じゃない。

必要なのは、現実世界に生き彼の子孫を残せる相手。

しかも彼の疲れた心と躰を優しく癒してくれる相手だ。

 

だが遊戯のそんな一言に海馬は、蒼い瞳を見開き。

「まるで他人事の様だな。」

「そうか?」

穏やかな空気が次第に冷たいモノへと変わりだす。

「お前の事だ礼儀作法のしっかりした綺麗な人を選ぶんだろうな。」

海馬の髪に触れていた手を力強く掴まれる。

「・・・イタッ・・・」

「貴様俺の事を愚弄するつもりか?」

「そんなつもりなんて無いぜ。ただ海馬の子供って男の子だったらカッコ良くて女の子なら美人になるのかな

って思ったんだ。」

遊戯の言葉を聞きながら起き上がる。

「俺の子供だと?貴様俺に結婚をし子供を作れ・・・と?」

「今のお前の歳では、早いかもしれないが追い追い何処かの令嬢と結婚をしなければいけないんだろう?」

「では、俺が貴様の言うように女と結婚したとしろ貴様は、どうする?」

「そうだな。その時は、この屋敷を出て別の場所に住むぜ。」

確かに縁談の話しは、度々来る。

だがそんな事を遊戯に1度も言った事が無い。

海馬にとって遊戯は、絶対唯一の存在なのだ。

そんな相手からの言葉に海馬の心は、傷ついた。

「別の場所・・・」

「お前に子供が出来るまでの間愛人生活ってヤツをおくるかもな。」

「愛人生活だと・・・貴様誰の愛人になるつもりだ?」

遊戯が誰かのモノになるかもしれない危機感。

だが遊戯の口を突いて出たのが

「お前以外誰が居るんだ?オレが誰かの愛人になったらお前相手にとんでもない事するだろう?」

「子供が出来るまでの間・・・とは?」

「子供が出来たらお前の事だ子煩悩になって家に真っ直ぐ帰るだろうからな。」

寂しそうな瞳の優しい笑み。

遊戯がどんな思いで言っているのか怒りに支配されつつある海馬には、解らなかった。

「遊戯そんなに俺の子が見たいか?」

冷たい海馬の言葉。

怒りを乗せた蒼い瞳。

「だったら望み通りにしてやる。」

海馬に手を掴まれたまま引きずられる様に連れて行かれる。

 

遊戯が連れて来られた場所は、海馬の書斎横に作られた寝室。

高級な天蓋付きベッド。

身軽な遊戯は、ベッドへと投げられる。

「・・・ウグゥ・・・」

スプリングのよく効いたベッド。

一瞬だが遊戯の呼吸が止まる。

遊戯が苦情を言おうと体勢を整える間も与えず海馬は、遊戯の上に伸しかかり無理矢理遊戯の唇に

自分の唇を重ねた。

カリッ・・・

「つっ!!」

少し離れた海馬の唇から微かな血。

思わず噛みついてしまった。

だがそれにめげる事無く海馬は、再度遊戯に荒々しいキスをした。

力任せの行為に抵抗していた遊戯だったが酸欠に陥り次第に抵抗する力が弱まっていった。

「か・・・なぜ・・・?」

潤んだ紅い瞳、濡れた唇。

欲情する。

「貴様がくだらん事を考えなくていい様にしてやろうと言うのだ。」

「・・・や・・・こっ・・・こんな・・・時間・・・」

寝室に差し込む光。

時間は、まだ昼過ぎ。

「明るさなんて貴様を味わう上に俺には、関係無い。」

無理矢理遊戯の上着を剥ぎ取ると両手を縛り上げる。

身を捩り抵抗を見せる遊戯だったが力の抜けた状態での抵抗は、何無く阻止される。

ズボンと下着を剥ぎ取られ一糸纏わぬ姿に。

足が閉じられぬ様に海馬の躰が阻止をする。

眼下に現れる肌理細やかな美しい裸体。

胸元に散る無数の花弁。

それを全て海馬自身が着けたモノ。

指先で花弁をなぞる。

(これを遊戯に着けられるのは、俺だけだ・・・そしてこの美しい躰に触れられるのもこの俺だけ・・・)

「かい・・・やめ・・・」

海馬の指先が触れる所が熱い。

海馬の視線が自分を辱める。

「やめろだと?もっと触れて欲しいの間違いじゃないのか?ココをこんなにして。」

海馬が触れたのは、立ちかけの遊戯の男根。

「はぁうぁぁぁぁ・・・」

上下に扱かれる。

「いいぞ遊戯。貴様が俺の手で感じ、乱れる姿は」

緩急を付けて遊戯を追い込む。

「あっ・・・かい・・・なん・・・」

イキそうだったのにイク直前で止められてしまう。

「貴様だけ気持ち良いのは、不公平だからな俺も楽しませてもらう。」

そう言うとズボンの前を寛げ肥大したモノを取り出し解れていない・・・しかもまだ濡れてもいない遊戯の

秘部に充てがう。

「ひぃやぁぁぁ・・・・」

紅い瞳が見開く。

痛いなんてもんじゃない。

濡れてもいない場所に無理矢理捻り込まれたんだ。

声無き悲鳴。

力の入らない躰に襲う激痛。

もし躰に力が入れば抵抗しただろうに・・・。

否 抵抗しても無理矢理捻り込んで来ただろう。

そして今以上の激痛を味わう事になったかもしれない。

「痛いか?遊戯。」

無理矢理捻り込んだ海馬だって激痛を感じている筈なのに何事も無かったかの様な顔で遊戯を見下ろす。

怒りが痛みを凌駕しているのだ。

「貴様が下らん口実をつけて俺から離れ様とした罰だ。2度と俺から離れるなんて事を考えられぬ様にして

やる。」

海馬の声なんて今の遊戯には、聞こえていない。

紅い瞳を見開いたまま海馬に揺さぶられる。

顔面蒼白の遊戯。

遊戯の男根も萎ている。

(貴様が俺から離れる事を言うからだ・・・)

遊戯を犯している海馬自身胸が痛かった。

最愛なる人の言葉と自分が今している行為に対して・・・


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