悪戯


あれから もう1人の僕は心の部屋に篭りっきりになってしまい
僕の前に姿を見せてくれなくなった。
僕達にとってチョッとした悪戯のつもりが
彼にとって最大の恐怖だったのだろう・・・


今の相棒達の考えが解らない
俺をどうしたいのか・・・
聞くのが怖くて相棒達の前に姿を見せられない



数日前ー
城之内君の何気ない発言が始まりだった。
「(表)遊戯  千年パズルを使って海馬に悪戯しないか??」
「えっ?どう言う事?」
(何を言ってるんだ城之内君は?)
一瞬 耳を疑ってしまった。
「いや〜奴のスカした顔を蒼ざめさせて〜んだよ」
鼻の頭をかきながら言う城之内に
「城之内〜!!何言ってるのよ!もう1人の遊戯を
ダシに使うつもりなの?」
「いや〜そう言うワケじゃないけどよ・・・何つーか・・・」
杏子の前で冷や汗をかく城之内を見ながら
『相棒・・・俺は絶対嫌だぜ』
『うん 解ってる 僕がそんな事させないよ約束する』
笑顔で そう約束したのに・・・
城之内君に押し切られ
嫌だ〜!!と叫ぶ彼を・・・千年パズルを
空き地に隠した
隠しただけだった

僕は、その後 海馬君の所に電話をして
千年パズルが無くなった事を告げた
空き地に隠してあるとは、知らない海馬君は必死になって
千年パズルを・・・もう1人の僕を探してくれた。
そんな海馬君を見ていて僕の心に罪悪感が芽生えて
千年パズルの隠し場所とこれが悪戯である事を告げた。
海馬君に殴られる事を覚悟した上で・・・
でも海馬君は、殴る事なく空き地に向かった。
でも千年パズルは、何処にも無かった。
蒼ざめた海馬君はKCバッチに向かって
「海馬コーポレーションの情報網を屈指して千年パズルを探せ!!」
そう言って僕の前から立ち去ろうとしたが
「海馬君 僕も探すの手伝わせて!!」
「貴様に何が出来る?ただの足手纏いにしかならんだろう」
その言葉を残し本当に立ち去ってしまった。

それから2時間後
ガラの悪そうな奴等が千年パズルを持っている所を
何も知らないモクバが発見して海馬に連絡し
千年パズルは、無事に戻って来た。
海馬が届けたのではなくモクバが代理で届けてくれた。

モクバの話しだと
千年パズルを砕かれる寸前だったらしく
その光景を目の当たりにした海馬君はショックだったらしく
その場に居た連中に手加減無く殴りかかったらしい
その後 連中がどうなったのか解らない・・・
それなりの報復は、したらしいが・・・

それ以後もう1人の僕は、僕の前に姿を見せなくなった。
ただ海馬君の所には、夜中に御礼を言いに来たらしい・・・


悪戯って笑えるモノと笑えないモノとがありますが
今回は、笑えないモノの方を書きました。
(って笑えるモノってどんなのだろ〜??)



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