冷や水
童実野町で一番高価なマンション・・・
いやオクションと言った方が正解だろう
その最上階・・・
童実野町を一望出来る一室に遊戯が1人で居た
「海馬の奴 今日は、帰って来ないのかなぁ?」
壁に掛かっているブルーアイズ型の時計は
23時30分を差していた。
今日は、先方の接待を受けるとかで帰宅するのか
どうか不明だと言っていた。
もし24時を過ぎても帰って来なかった場合は、ホテルに泊まる
とも言っていた。
遊戯は、ホットココアが入ったカップを片手にベランダから見える
夜景を1人で楽しんでいたら
ピ〜ン ポ〜ン
呼び鈴が鳴ったので玄関に行き扉を開けると
海馬の身体を支える様な感じで磯野が立っていた。
「夜分に恐れ入ります。遊戯様」
「磯野さんこれは、一体どうしたんだ??」
いつもは、凛とした姿の海馬だが
今目の前に居る海馬からは、そんな姿が想像出来ない。
磯野から海馬を預かると
海馬の身体から酒気の他に甘ったるい香水の匂いがして来た。
遊戯は胸に何か刺さるような感じがしてしかめっ面をすると
磯野が事情を説明してくれた。
「仕事だから仕方がないぜ。磯野さんも夜遅くまで御苦労様
海馬の事は俺に任せてゆっくり休んでくれ」
「有難う御座います。それでは、御言葉に甘えて失礼します。」
磯野は御辞儀をするとそのまま帰路に着いた。
磯野を見送った遊戯は、海馬をリビングに運んでソファの上で寝かせると
そのままキッチンに行き冷蔵庫に入れてあるペットボトルから冷や水をグラスに注いだ。
海馬の奴・・・
接待を受けている最中に早く帰宅したいからって抜け出そうとするから
先方は、海馬が接待を気に入ってないと思い高級クラブへ連れて行かれ
そこで大量に飲ませられたらしい・・・
ホステスも4〜5人着いたらしい・・・
甘ったるい香水は、ホステスが着けていたモノ・・・
俺はあの時 何かが胸に刺さったように感じたが
きっと海馬が浮気したと思ったからだろう
冷や水を片手にリビングに行くと
自分が寝かせたとは言え
今の海馬の姿は、まるでトドかアザラシのようだ
海馬の傍に行くとどうやって水を飲ませるか迷った。
こんな時、病気とかで使う水差しがあればいいのだが・・・
ここで迷っても仕方が無いので口移しで水を飲ませる事にした
2〜3回口移しで水を飲ませていると急に腰を掴まれ
「遊戯 やけに積極的だな・・・襲われたいのか?」
マジかで海馬の蒼い瞳を見ながら
「バーカ 勝手な事言ってろ」
そう言いながら自分から海馬の唇に重ねて行った。
水を飲ませる為では、無く
今は自分の気持ちに素直になるために・・・
ラヴイの書きたかったので書いてみたんですが
ラヴイでしょうか???
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