鎧を纏い
街中にある公園・・・
こじんまりした公園なのだが緑が多く落ち着く
公園の遊歩道から少し離れた木の下・・・
少し離れているとは言え遊歩道からは、全く
見えない・・・
その木の下でティマイオスは、分厚い本を膝
の上に乗せ読書をしていた。
騎士達が居る寄宿舎でも読書は出来るのだ
が如何せん騎士ばかりが居る所・・・庭から剣
の練習をする音や騎士達の話し声が聞えて
くるし人の出入りもあるので1人になかなかな
れずゆっくり読書が出来ない
ゆっくり読書をしたいティマイオスは、度々この
公園のこの木の下に来ては読書を楽しんでい
た。
読書に夢中になっていた時
「きゃ〜vvv」
女の黄色い悲鳴が聞えてきた。
フッと本から顔を上げたら今度は
「騎士のクリティウスよ!!何時見てもカッコイ
イ!!」
「あの長身であの甘いマスクが何とも言えない
わよね〜」
「彼女とかいるのかなぁ?いないんだったら立
候補したいな〜」

クリティウス・・・

ズキッ・・・
何なんだこの胸の痛みは・・・
ただ女の子達が噂をしているだけじゃないか・・
俺には、関係無い・・・

『ティマイオス・・・好きだ』
戦場でのクリティウスからの告白・・・

女の子達がクリティウスの噂をする度に俺は心
に鎧を纏い自分の醜い感情を弱い心を隠し
何事も無く強い自分を演じなければならい・・・
きっとクリティウスは、戦場で鎧を纏い敵に突き
進む俺の事が好きなのだろう・・・
本当の醜くて弱い俺を知らないで・・・

次第に心が沈んで行くのが自分でも判る

またクリティウスの前では、心に鎧を纏った強い
自分で居ないとなぁ・・・

「ティマ・・・そのページは、暗くなるような内容な
か書かれていないぞ?」
直ぐ近くで聞えたクリティウスの声・・・
本気で驚いた。
だって自分の真横で息がかかるぐらい近くに
クリティウスの顔があるから・・・
「どうしてここが・・・」
「何となくな・・・」
今の自分の顔がこれ以上とも言えない程に熱い
多分赤面しているからだろう
慌てて本を閉じ立ち上がろうとすると腕を引っ張
られて今一度元の位置に座る羽目に
ティマイオスから本を奪うとクリティウスは、ティ
マイオスの膝の上に頭を乗せて
「ティマ・・・俺の様に心の鎧を脱いだらどうだ?」
「え・・・」

クリティウスの様に・・・?

クリティウスも告白する前はティマイオスの様に
心に鎧を纏い強い自分を演じていた。
ただ1人ティマイオスの為に・・・

短編にするつもりが長い・・・
ちなみにクリティウスにティマイオスの居所が判ったのは
告白する以前からティマイオスの行動をチェックしていたからです。
しっかりストーカーしてたんじゃん・・・
ティマイオスは、告白されつつも返事していないんですよね〜
それなのにクリティウスに独占されてます。
でもお題をちゃんと見ていなかった時うろ覚えで「鎧を脱ぐ」と勘違いをし
そのままネタを考えてしまいました。(・_・;)




戻る