30.高笑い
海馬Co.社長室  
童実野町を一望出来る場所 
この部屋の主は若干17歳の高校生
海馬瀬人は先程持って来られた書類に目を通しなが
ら胸を高鳴らせていた。 

一月前 自分の最も得意とするM&Wで自分に
土をつけた唯一の存在『武藤遊戯』 
その屈辱を晴らすべく海馬は『武藤遊戯』を捜した。

程なくして『武藤遊戯』は見つかったが・・・
自分の知りうる『武藤遊戯』では無いと感じた。
背格好は間違いなくヤツと同じなのにその身に
纏いしオーラが違う ヤツの纏いしオーラは

気高き王者のモノ

それなのに程なくして見つけたコイツから感じられる
のは庶民的なモノ

弱者が纏いしオーラ 

確実に自分が捜している相手では無い 
では自分を負かした『武藤遊戯』は幻?
そんな筈は無い自分に屈辱を与えた存在・・・
自分は、ハッキリと覚えている
それにこれ程までに心騒ぐ相手だ実在している筈  
そう思い再調査をさせた処 
ヤツを見つけ出したのだ  
歓喜に打ち震える!!
しかもあの弱者のオーラを纏った『武藤遊戯』の内側に
存在していたのだ 
どおりで探しても見つからないワケだ
しかし見つけた嬉しさからか笑いが込み上げて来る 
しかもヤツの存在は俺以外誰も知らない!!誰も!!
そう思うと胸が高鳴る!!
ヤツこそ俺にとってシークレット・レアな存在 
ヤツを叩きのめす為のフィールドを考えると次第に
笑いが大きくなる 

ヤツの存在を誰にも知られずにどうやって俺の前に
引きずり出すか?

そう考えると全ての血が逆流しそうになる
「遊戯! 貴様を必ずこの手に!」 
俺の傍に置き
俺の為だけに存在する
これだけで性的欲望に近いモノを感じてしまう

この日 海馬Co.社長室からは何時にも増して
海馬の高笑いが聞こえて来た。
海馬さんは,闇遊戯を自分のモノにしようと画策する
のですがなかなか闇遊戯に逢えず 
自分の気持ちに気付くのもまう少し先になるのでした。




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