鼓動
兄 吹雪が行方不明になり
何故行方不明になったのかその真相が知りたくて
デュエルアカデミアに入学をした・・・
しかし兄の行方は依然と知れず
また兄以外にも行方不明の生徒が居る事が新たに
知った事実・・・
真実を探し求めるのには、一人では到底無理
何度諦めそうになった事か
その度に兄の親友である亮に何度と無く励まされた。
心強い相手だ
何時しか亮の事を実の兄の様に思い
兄の話し以外もする様になった。
安心出来る相手・・・
亮と居ると本当に心落ち着く
このままこんな時間が過ごせたらどんなに良いだろう
しかしその反面不安な事だってある
亮自身気が着いているのか居ないのか判らないが
女の子からの人気が高く
「彼の恋人になりたい」
と言う声は、よく聞こえてくる
そんな言葉を耳にすると動揺してしまう
彼は兄の代わりなのに・・・
何故こんなに心が揺れるの??
亮が女の子と話しをしているのを見ると
胸が苦しくなるし痛くなる
何故か苛着いて亮にあたる事がある
そんな時 亮は不思議そうに
「明日香が苛着くとは、珍しいな
何かあったのか?」
何事も無かったかのように話しかけて来る亮に
「何でも無い!」
きつく言ってしまう
何も判って居ない!!
私の気持ちなんて
これぽっちも・・・!!
私の気持ち?
まさか私・・・亮の事・・・
自分の気持ちに気が着いた時
今迄通り亮に接する事が出来るのだろうか
更なる不安・・・
否むしろこんな気持ちで居るのは自分だけなのかもしれない
亮の心に自分以外の女の子が居るのかも・・・
もしかしたら付き合ってる女性が居るのかも知れない
もし居るのなら自分の存在なんて邪魔なのでわ?
自分は、亮の親友の妹・・・
それ以上でもそれ以下でも無い存在
涙が出そうになる
好きだから・・・
そんな気持ちのまま亮と過ごす時間が次第に苦痛になる
「天上院さん・・・
あのもしよかったら俺と付き合って下さい・・・」
「ごめんなさい
気持ちに応えてあげられなくて」
自分に思いを伝えてくる男は、多い
その中の1人と付き合うのもいいかもしれない・・・
亮の為にそして自分の為に・・・
海の見える場所で同じオベリスク・ブルーの男子生徒に呼ばれ行くと
「明日香さんには、心に決めた人が居るんですか?」
「うん・・・」
「そうかぁ〜明日香さんみたいに素敵な女性に思われてる男は、
幸せ者ですね」
傷つきながらも見せてくれる笑顔に申し訳無い気持ちになる
それに自分だって彼等と同じ様に片思いなんだし・・・
否 自分の思いを伝えて来る分
自分とは、同じでは無い
寮に戻る途中 亮に呼び止められ
「今夜 灯台に・・・」
「判ったわ」
それだけの会話・・・
時間なんて関係ない
行けば彼が居る・・・それだけ・・・
「明日香・・・海岸で一緒に居た男は、お前の恋人か?」
何時もならそんな事を言わない亮に意外性を感じる
そして余計な期待をしてしまう・・・
もしかして両思いなのかと・・・
「気になるの?」
素っ気無く応えるだけで精一杯
しかし胸は、期待に高鳴る
この胸の高鳴りが彼に気付かれませんように・・・
「明日香に恋人が居るのなら諦めなければならないからな」
「えっ・・・」
今の・・・もしかして?期待していいの?
「どっどうしたの?急に・・・」
顔が火照った様に赤くなるのが判る
「ただ・・・告白されただけ・・・でも断ったの・・・」
「それじゃ・・・俺にもまだチャンスがあるんだな・・・」
呟かれる様な小さな声だったけど明日香には、はっきり聞こえた。
もしかして期待してもいいんじゃないのか?
そんな気になる
照れた表情の亮に急に抱きしめられて彼の腕の中で小さくなってしまう
「明日香・・・俺と付き合って欲しい・・・嫌か?」
聞きたかった言葉
もちろん嫌じゃない
むしろ嬉しい
「私なんかでいいの?」
「明日香でしか駄目なんだ」
明日香は、親友吹雪の妹・・・
だから自分の思いを告げられなかった。
あの時 明日香が男と一緒に居るのを見た瞬間
何とも言いがたい思いが躯の中を駆け抜けた。
今迄感じた事の無い思い・・・
それが嫉妬だと判っていた。
明日香が男からの人気があるのは、知っていた。
告白されている事も・・・
彼女が自分以外の男に振り向く訳が無いと思っていた。
しかし今日見た光景は、今迄のとは、違う何かを感じた。
このままだと彼女が他の男のモノになる!!
そんな思いが自分を突き動かし彼女に思いを告げさせた。
ああ・・・これから先 亮と一緒に居る事が苦痛に感じる事は無いんだ
彼の傍に居てもいいんだ・・・
もう誰にも嫉妬しなくていいんだ
明日香の片思いのつもりなんですが・・・
こんな感じでいいのだろうか???
最後には亮の思いも。。。