光を求めて

光を求めて


暗く何も無い空間に現れた眩しい光 
その眩しい光の中何処からか聞こえて来る子供の声 
声が聞こえて来る方に意識を集中してみると聞こえて来る
子供の声は二人その声は楽しそうでそれを聞いている自分
の心を和ましてくれた。 
子供の顔を見たいと更に意識を集中するもののその顔を見る事
叶わずそして気付かされる 
それは遠い日の自分の思い出である事に 
苦笑するしかなかった。
今の自分は何処の誰なのか判らないで居るのにそんな自分に
過去が思い出せるとは思え無い 
そんな彼の傍を漂う青白い光が一つまるで自分を慰めるかの様だった。 
「オレを按じてくれているのか?  だったら大丈夫だぜ」
作り笑いしか出来ない己 
もしこの青白い光がいなければ自分は寂しいさと記憶の無い不安とで
この闇に飲み込まれていただろう  何時から自分と同じ時間を共にして
いる青白い光に自分は安らぎを覚えていた。 
「オレは覚えていない記憶の断片を見ていた様だ 本当なら懐かしいのだろ
うけど記憶の無いオレには他人事の様にしか思えなかったぜ」 
心配そうにしている青白い光 
彼とは会話が出来ないにしても意志の疎通は可能なのだ 
「オレは何処の誰なのか判らない ただ何かしら使命を背負ってここに居る
事は解っている 
それはきっとオレの消えた記憶の中に在るんだって事も 
その使命が果たせるまでオレはここでへこたれていてはイケない事も」  
それでも一人で居るのは寂しい事には代わりは無い

彼は眠ったのだろうか 
微かだが寝息が聞こえて来る 
青白い光はしばらく彼の様子を伺いながら彼が寝ている事を確認すると
青白い光を身に纏った青年の姿へと変身した。 
青年の表情は暗く何かを思いつめた感じがする  
「アテムよ  私の心が闇に魅入られなければ貴方をこんな寂しい場所に
一人では居させはしないのに」

貴方には闇より光の中こそ相応しい
そして我が身が貴方と話しをする事が出来れば 
私の事を忘れていたとしても寂しい想いをしなくてすむのに 
しかし貴方の傍に居る事と引き替えに貴方に話しかけない事を神と誓った

「アテム  貴方が使命を果たせる様に私は貴方の傍に居ましょう」  
それは自分に貸せた使命 
そしてもう二度と一人では戦わせない為の誓い 
青年はアテムと呼びし彼を優しく抱き締めながら 
「我が魂は永久に御身と共に・・・」


暗すぎますかね?
この時点でのアテムにとっての光は、記憶
セトにとっての光は、アテム自身だと思ったんで・・・



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