- 遊戯の元に向かう羅刹の背を見送りながらハーピィ・ガールは
- 落ちた雷に一抹の不安を抱きながら遊戯と羅刹が無事に戻って来る事を願った。
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- 先程の雷が気になる・・・
- まさか遊戯の身に何か起きたのか?
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- 気持ちが逸る早く遊戯の元に行きたい
- 自分の意識が浮上する時に垣間見た光景が頭から離れない
- だがブルー・アイズの身体とて本調子じゃないのだ
- 無茶は出来ない
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- シャイン・キングダム城内
- 悪雲たち込める空を不安げに見上げる杏子
- そんな杏子にユギは
- 「杏子どうしたんだい?」
- 「ユギ・・・胸騒ぎがするのもしかしたら遊戯に身に何か起きたのではないかしら」
- 遊戯の強さは杏子だって知っている
- だがこの胸騒ぎは何なんだ?何とも説明しがたい胸騒ぎ
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- 杏子は口には出さないが遊戯の事を妹の様に可愛がっている事をユギは知っていた
- それ故に杏子が遊戯の身を案じるのは当然の事・・・
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- 杏子は心配性だな・・・
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- 心優しい妃・・・しかし・・・
- 「ユギ様 杏子様が仰っている通り遊戯様の身に何か起きた様です」
- イシズの言葉に背筋に嫌なモノが走る
- 「イシズ・・・どう言う事なの?」
- 「遊戯様を示し表す星の輝きが弱まっているんです
- その事が気になりカイバ帝国の様子を水鏡で映そうと何度も試みたのですが映し出せないのです」
- 「遊戯を示す星・・・」
- 「アイシスとも以心伝心での連絡が全くとれません」
- 双子であるイシズとアイシス
- 2人は心の繋がり強く今迄どんな事があっても以心伝心が出来ない事なんて無かった。
- 「ユギ・・・私 カイバ帝国に行く!」
- とんでもない杏子の言葉にユギは驚きつつも彼女の性格なら言いかねない事は解っていた
- だからユギは
- 「杏子は、城に残っていてカイバ帝国には僕が行くから」
- 「ユギ!危ないわよ!」
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- 否・・・寧ろ杏子が行く方が危ないと思うんだけど
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- そんな事は言えないでいるユギ
- 「ユギ様ここは、杏子様と私共で死守します。」
- 「イシズ!ユギには行かせられないわ」
- 「杏子様 今貴女様が行っても剣が振るえないのでは只の足手まといでしか無いのですよ
- 向こうで闘っている忍衆に要らぬ労働をかせるのですか?」
- 言い方はキツイが確かに自分の身を自分で守れない者が行けば只の足手まとい
- カイバ帝国に居る自軍の忍衆に余計な仕事が増える
- 「解ったわ・・・」
- 「ユギ様の護衛にはマハードを御付けします」
- 「そんなマハードはこの城を護る様に遊戯から言われているんじゃ」
- 「それがどうしたのです?」
- えっ???って疑いたくなる様な言葉をサラッと言うイシズ
- 「あの帝国に行くんですよ 只の忍や騎士を付けただけでは、何の役にたたないでしょ?
- それにこの城には私が居ますから安心して下さい」
- 確かに・・・イシズが残っていれば怖いものなんて無いだろう
- その会話を廊下で聞いていたキサラが
- 「立ち聞きなんて良くない事ぐらい解っていたんですが私も御供させて下さい」
- 意を決して志願して来た。
- 「キサラ姫御言葉は嬉しいのですが・・・」
- 「行って貰えるんですか?それは助かります」
- ユギの言葉を遮ってイシズが返答する
- 「あっ・・・・あの・・・イシズ・・・? キサラ姫を危険な場所に・・・」
- 「カイバ帝国はキサラ姫の故郷・・・
- 地理に詳しい方が同行してくれるのなら目的地まで迷わず行けると言うもの
- それに姫に仕えていたモノ達から協力が得られると言うものです」
- イシズの言葉にユギは、どっちが主なのか疑問に思いつつもイシズの言葉には逆らえないでいた
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- 暫くして
- 「杏子 城の事は頼んだよ」
- 「杏子様 それでは、行って参ります」
- そう言って空高く舞い上がる飛竜を見送りながら皆が無事に帰って来る事を祈った。
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- 身体が熱い・・・
- 焼けてしまいそうだ・・・
- ああ・・・そうだ・・・何か得体の知れないモノの力を借りたんだった・・・
- そうかこの熱さは、そのモノの力なのか?
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- 自分が最後に話した得体の知れないモノを微かに思い出しはしたものの
- 意識はそこまで戻りはしたもののその後は、暗闇に落ちて行った。
- もう誰の声も聞こえない場所まで・・・
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- バクラは今目の前のに起きている状態に驚きを隠せないでいた
- これから何が起きるのか・・・
- まさか自分の計画を邪魔する存在が目の前に出現しようとは
- 遊戯の身体を貫き天に昇った存在が次第に形を露にする
- 雲の隙間から見えるは神々しいまでの紅い身体の竜・・・
- バクラの攻撃指示が無いのにエクゾディア・ネクロスは、その紅き竜に攻撃を繰り出すが
- その攻撃が竜の身体に届く事は無かった。
- 「神を恐れぬ異形のモノよ 神の怒りに触れ滅びよ!!」
- 血塗れだった遊戯の身体からは血は消え去り凛とした態度で中に浮かびながら
- エクゾディア・ネクロスに指差す
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