相思相愛
        ---相思相愛---

「くっ・・・」
苛々して仕事が捗らない
それが更なる苛立ちを招く悪循環
多忙なのは何時もの事なのだが帰宅する事もまともな睡眠を取れ
ないのもそう少なくは無いが二週間の睡眠時間が一桁台と言うのは、これ程辛いとは だが俺とてそんな
生活をしたくてしている理由では無い
無能な部下のミスに新たに制作しているゲームの遅れ
今度建設予定の新地買収等
そんな多忙な俺を遊戯は労う為に訪れる様な事をしない 
遊戯に逢えなくなってどれだけ日が過ぎたのだろう?
確実に二週間以上経っている
遊戯は俺の仕事の邪魔をしたく無い
と言う配慮からか俺の元を訪れる無い
良く出来た恋人と言いたいところだが

遊戯の姿を見たい 
遊戯の声を聴きたい 
あの小さくて柔らかい身体を心行くまで

抱き締めたい 

遊戯の全てを心行くまで堪能したい 

そんな欲に己が心が支配される
正直な話し自慰だってしていないのだ
健全な若者が溜め込んでいる こんな不健康な事があっていいのだろうか? 

もう我慢の限界だ! 

カチャ
「よう!海馬生きているのか?」
扉の隙間から覗き込む顔・・・
逢いたくて逢いたくて仕方ない相手
照れた様な表情に心臓が喜びの声を上げる
「フン 生憎とまだ死んではおらぬは」
思わず漏れる笑み
遊戯は駆け出し海馬の頭を抱き抱えながら
「逢いたかった」
睦言の様な甘い言葉を口にしながら何度も自分の柔らかい唇を押し当てる
普段の遊戯ならこんな事は、してくれないだろう
「俺も逢いたかったぞ」
遊戯の匂いを嗅ぎ柔らかい唇を堪能すると
疲れが軽減した様に感じられる
遊戯 貴様はどんな薬よりも効く俺だけの特効薬だな 
そう思っていると遊戯が海馬の目元に優しく軽く触れながら
「あんまり寝てないのか?」
心配そうな声
「あまり無理するなよ」
遊戯に心配されて嬉しいと思ってしまう
重症だな
「だったら 今日明日と休みを取ろう
遊戯 貴様は俺の労を労う為に 過労の俺の看病の為に傍に居ろ」

何が看病だ・・・

と言いかけたものの海馬の言葉の意味を理解したのか遊戯は顔を朱に染めながら
「いいぜ 海馬の傍に居る 傍に居る代わり
オレの中に・・・」 
遊戯からのおねだり 
海馬は蒼い瞳を大きく見開きながら
「いいだろう」
遊戯が俺を求めてくれるなんて
やはり貴様は俺にとって無くてはならない
存在なのだな





戻る