Geschenk
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「う・・・んん・・・」
温かい感触を感じながら浮上する意識
遊戯の腕の中には海馬から贈られた
手縫いで作られたブルーアイズのヌイグルミが抱かれていた
薄く目を開けそのヌイグルミを見ながら
 
不思議だなコイツのお陰で海馬が居無い日があっても寂しいとは思わなくなったぜ
 
海馬の存在を感じるから・・・
 
そう言えばこのヌイグルミを貰った後その日の夜
互いに求め求められ甘い時間を過ごした後の余韻の中 海馬に抱き締められながら幸せを感じていると
「貴様も俺に何かよこせ・・・」
「何か・・・って・・・」
急に言われ戸惑っていると
「貴様だけにしか作り出せないモノだ」
「・・・こんな状況から言うって事はまさか・・・」
「ふん・・・貴様が言いたいモノとは違うモノだ」
遊戯が想像したモノが判り苦笑する海馬
抱き締めたままの華奢な身体・・・
細い首筋に歯を当てカリッと軽く噛み付く
 
その様がまるで吸血鬼の様だ
 
「かぃ・・・やぁめ・・・」
「この血が貴様だけにしか作り出せないモノだ」
噛み付かれた所から微かに滲み出す血に舌を這わせる
 
確かにオレだけにしか作り出せないが・・・
何故 そんなモノを望むのだ?
 
そう思うが聞き出す事は止め
海馬が望むまま採血を受けた
数日後 海馬の首にはプラチナのネックレスがかかっておりそのトップには赤い石がぶら下っていた。
石に見えるそれは石では無く
特殊ガラスの中に遊戯の血を入れ真空状態で加工されたモノだった。
「貴様が俺の心を望むのなら俺は貴様自身の内を流れるモノを望んだのだ
血液は貴様の心臓にも流れ込んでいるからな」
海馬が望んだのも遊戯の心
ネックレスにしたのは指輪だとカードを傷つけかね無い
ブレスレットは似合わない
それに海馬に言わせれば
「遊戯に首っ丈と言う意味だ」
だそうだ・・・
何か嬉しい反面 今時そんな台詞は寒いぜ・・・
 
海馬もオレが居無い夜は寂しい思いしなくて済むな
心で繋がっているから・・・




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