Intimacy
「・・・それでね 兄さんたっら・・・」
楽しそうに兄の話しをする明日香
そう言えばオレが入学した頃って吹雪さん
行方不明だったんだよな
その兄が見つかりまた昔の様に兄妹仲良く
一緒に生活を送れるんだ
嬉しくって当然だ
「・・・亮がね・・・」
カイザー・・・オレの憧れの先輩であり目標
でもあり明日香の恋人・・・
吹雪さんの話しだけなら我慢出来るけど
カイザーの話しとなると流石のオレも複雑な
心境だぜ
なんせオレ 明日香に片思い中だからなぁ
明日香にとってオレってどんな存在なんだろう?
「なぁ 明日香って口開くと吹雪さんかカイザー
の話しだよな」
「そうかな?そんなに話してないと思うけど」
自分の口元に人差し指を当て考える仕草が
可愛いと思ってしまう
「なぁ たまにはオレの話しなんてどう?」
「本人を前にして?それって変だと思うけど?」
「そうかなぁ?」
「そうよ 本人が前に居無いからその人の事
言えるのよ」
確かに今この場に吹雪さんもカイザーも居無い
そう言われてみれば明日香が2人の話しをする
時は2人共居無い時だよな
2人が傍に居ると言わないよな・・・
「なぁ 明日香にとってオレってどう言う感じに見え
るの?」
「十代の事?そうね 弟って感じかな・・・
後先考えないで行動し周りを振り回す
それでいて誰からも恨まれないで人を惹きつけ
可愛がられる存在・・・」
弟・・・って・・・
まぁ友達感覚じゃないのね
しかも親友でも無い
親近者ですか・・・複雑だぜ
でも一応大切な存在なのか?
素直に喜べない十代
「そう言う十代は私の事どう思ってるのよ?」
「うっ・・・」
自分で振った話しだけど
今の自分の気持ちなんて素直に言えない
「親友かな・・・」
素直に<好きな人>とか<特別な存在>とか
言えたらいいのに・・・
素直になれない自分が恨めしい・・・
「ライバルとかって言われたらどうしようって思ってた
けど親友と思ってくれて嬉しいわ」
何のライバルですか?明日香さん・・・
寧ろライバルはカイザーなんだけど
前途多難だぜ
そう思っていても今2人っきりで居るこの時間を
楽しみたい十代なのでした。
<親近>
1
親しくすること。親しく近づくこと。
2 近い関係にあること。身内であること。また、そのさま。「―者」
3
側近くに仕える人。側近。「総裁の―」
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