出逢いと別れ


ジャックがサテライトに来た日もこんな満月の夜。

月が綺麗に出ているワケでもない。霞みかかったような月夜だった。

何故彼が階級の低いサテライトエリアに来たのか解らなかった。

そして彼が何処から来て何処に行こうとしているのかさえも・・・

ただオレに解った事は、彼がデュエリストであり腕が立つ事だけ。

 

「遊星 俺と共にココを出ていかないか?」

彼が差し出す手。

彼と共に居ればコレから先も楽しい事が沢山待ち受けているだろう。

多くのデュエリストと出逢いその都度多くのデュエルが行える。

そしてそれは、自分のスキルの向上へと結び付く。

彼からの誘いは、自分にとってとても魅力的だった。

しかし脳裏に過ぎる仲間の姿がオレをサテライトエリアへと留めさせる。

もしココを出て行くとしたらそれは、仲間も一緒でないと意味が無い。

「すまない・・・一緒に行く事が出来ない」

俯きながら言うとジャックは、遊星のデッキホルダーからカードを1枚抜き取り。

「お前が俺の元へと来るようにさせてもらう。遊星 このカードとD・ホイールを返して欲しければ俺の所へと来い!」

共に行かないと言うのなら時間がかかってでも遊星が自分の所へ来るように仕向けるだけ。

抜かれたカードは、『スターダスト・ドラゴン』・・・自分と仲間にとって大切なカード。

「ジャック・・・」

何故ジャックがそんな事をするのか解らない遊星。

「お前が大切にしている仲間共々俺に追いついてみろ」

それだけを言い残しジャックは、遊星のD・ホイールに跨りサテライトエリアを後にした。

 

その後彼がキングになった事も彼が一度も遊星から持ち去ったカードやD・ホイールを使ってない事を知った。

カードもD・ホイールを奪ったのも全ては、遊星の持つ可能性の為。

彼の持つ才能をサテライトエリアで燻らせておくには、惜しい。

その可能性を引き出せる場所へと誘う為に奪った。

 

ジャックは、月を見ながら遊星が何時の日にか自分の元へと来る事を心待ちにしていた。

(遊星 お前は、どれだけ強くなった?早く俺の元に来い。)



妄想の世界で書いてしまいました。(汗)


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