10:いつか、もう一度生まれ変わるのなら |
満天の星の下・・・
明日香は海の波音が直ぐ傍に聞こえる
浜辺で座りながら星を眺めていた。
日中は暑いこの弧島でも夜になれば
まだ肌寒い
明日香は少し身震いをしながらそれでも
星を見ていると肩から何やら暖かいモノが・・・
それは、アカデミアの男子が着るジャッケト
しかもオベリスク・ブルーの・・・
「明日香 女の子が身体を冷やすなんて良く無いよ」
優しい声・・・
何だかホッとする
「こんな所で何をしてるんだい?」
「星を見てたの・・・」
「星・・・?」
明日香は声の主の方を見る事なく話しだす
「これだけ星があると私達を同じ姿をした宇宙人っているのかなぁ〜なんて思ってたの
しかもこの星と全く同じで今こうして星を見ている
私と同じ宇宙人が居て同じ事考えてたらって・・・」
リアリズムの明日香が言う言葉だとは思えない
まるでアイディアリズムの人が言っている様に思える
「明日香一体どうしたんだ?」
「どうもしない・・・
ただ人は何時かは死ぬわ
もし いつか、もう一度生まれ変わるのなら・・・って考えたの・・・必ずこの星(地球)の生物に生まれ変れる事が出来たら
私はもう一度兄さんの妹として生まれ変わりたい」
この時になって明日香は相手の方に振り返り
「兄さんの妹になってずっと傍に居たい・・・」
抱きつく・・・
そんな明日香を抱き締めながら複雑そうな吹雪の顔
「恋人とかじゃなくて?」
もし来世がい有るのなら・・・
出来る事なら自分は兄妹以外の繋がりで明日香の傍に居たいのに明日香は自分と兄妹で居たいと言う
「正直・・・恋人として生まれ変わりたい気持ちは在るわ
でもそうなると生まれ変わって出逢う迄の時間が空白になってしまう
もしかしたら御互い知らない誰かと付き合ってしまうかもしれない
それが心から求めている相手じゃなくても・・・」
それに時間の歪みで必ずしも同じ世代に生まれ変れるなんて保障が無い
もしかしたら親子としてめぐり会うかも知れない
祖父や祖母としてめぐり合ったっておかしくは無いのだ
しかもそれじゃ自分達は誰かと結婚した後になってしまう
「それじゃ嫌なの・・・
ず〜と傍に居たいの!!」
同じモノを見
同じモノを感じたいのだ
「でも兄妹だと結婚とか出来ないんだよ
それでもいいの?」
良い訳が無い・・・
誰からも恋人として認めて貰いたい
でも目の前に居るこの人を自分の知らない誰かに
取られるぐらいなら・・・
私の願いが叶うのなら
星々よ・・・いつか、もう一度生まれ変わるのなら・・・
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このまま書き続けていたらとんでもない方向に行きそうだったのでココで終わり・・・
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