久想
亮とヨハンの次元を越えたデュエル
それによって開いた次元ホール
ペガサス会長が手がけてくれたレインボードラゴンのカードが
次元ホールを越えヨハンの手元に・・・
「亮・・・あっ・・・ありがとう・・・」
次元の狭間から2人のデュエルを見ていた
亮が来てくれた事が嬉しかった
でも素直にその嬉しさを表現出来ないでいた
アカデミアを卒業した後何があったのか・・・
彼の変貌にただただ驚くしかなかったから
「怪我・・・してないか?」
自分に背を向けたままの相手からかけられる言葉に驚いた
でもその態度が彼の照れ隠しだと気が付いた時
「うん 大丈夫」
彼が変ってない事が嬉しく思えたから
「じゃ・・・」
その一言だけを残し立ち去ろうとする亮に思わず
「もう少し 話しがしたいの」
縋ってしまった。
「俺は、何も・・・」
明日香の躰が微かに震えてる・・・
触れて伝わる震え
どんな気丈な者でも生きて帰れるとは思わない異空間
多くいた仲間が次々とデュエル・ゾンビへと変貌していく最中自分を見失わず
に居る事への不安
そして帰還した時の安堵感
「もう少し・・・」
微かに震える声
「亮 呼び止めてゴメンなさいね」
ブルーの女子寮・・・
亮自身既に卒業しているので部屋は無い
吹雪の部屋に行こうとしたら
「明日香の部屋に行ったら?」
と追い出された
仕方なく鮫島校長の許可の元 亮は明日香の部屋に行く事にした
「コーヒーはブラックで良かったのよね?」
彼の嗜好は覚えている
でも一緒に居る嬉しさからか思わず聞いてしまう
「ああ・・・」
在学中にでも滅多に訪れる事の無かった明日香の部屋
女の子の部屋らしく小物がいろいろと置かれている
コト・・・
小さなテーブルの上に置かれるカップ
「亮とこうして一緒に居られるなんて夢みたい・・・」
ミルクコーヒーをすすりながら明日香が呟くと
「そうだな」
と短いながらもの返事が返って来る
これと言って何も会話なんて無いけど幸せな一時
時計を見れば21時なろうとしている
「亮 先にシャワーでも浴びてきたら?」
一応各部屋に小さいけどシャワールームが完備されている
「明日香が先に入ればいい」
「ううん・・・亮が先に・・・」
もしかしたら自分がシャワーを浴びてる最中に亮は帰ってしまうかもしれない
そんな気持ちが見て取れる
「わかった・・・」
脱衣所で衣服を脱ぎながら傍に有ったカゴに入れる
暫くして聞こえて来るシャワー音
スリガラスに隔たれているけど傍に亮が居る安堵感・・・の筈なのに
明日香の心に広がる不安感
居ても立っても居られない
一人になると脳裏に浮かぶはデュエルゾンビの姿
「亮 バスローブとバスタオル置いとくね」
「ああ」
振り返るとスリガラス越しに見える明日香の姿
まるで夫婦の様な気になる
亮は自分の脳裏に浮かんだ光景を振り払う様に頭を左右に振る
おっ俺は今何を想像した?!
俺は全てのデュエルを制した時明日香を手に入れると誓ったのでは無いか?
カタ・・・
「?・・・!」
振り返ろうとした亮に明日香は
「振り返らないで」
背中越しに感じる温かく柔らかな感触
「明日香・・・」
「はしたない女の子だと思わないで・・・こんな事するの亮だけだから・・・」
「明日香・・・どうしたんだ?」
「・・・怖かったの・・・不安で怖くなったの・・・」
微かに感じる震え
今の明日香の心境が伝わってくる
亮は上半身を捩ると明日香の腕を掴み自分の前に連れて来る
「俺がこんなに近くに居るのにか?」
「だからよ・・・時間が過ぎれば貴方は居なくなる居て欲しい時に居てくれない
どんな時でも貴方に居て欲しいのに・・・」
「俺だって・・・」
どんな時でも明日香の傍に居たい
でもこのアカデミアに自分の居場所は無いのだ
亮は明日香を上向かせると柔らかい唇に自分のを重ねる
久しぶりの感触
互いの舌を絡み合わせ唾液をすすり合う
どれだけの間キスをしたのだろう
短い間なのか長い間なのか
下半身に感じる違和感
亮のモノが熱を帯び膨張して来たのだ
「りょ・・・」
明日香の顔が赤みさす
その熱の意味が解っているから
「明日香が不安がらない様に細胞一つ一つに俺を刻み込んでやる」
それに久しぶりに見る明日香の裸体にその身の柔らかさに我慢が出来なくなって来たのだ
「ここじゃ・・・」
「ああ 解ってる」
そう言って亮が先に出る
本当は一緒に出る筈だったのだが流石に恥かしいので先に出てもらったのだ
自分の大胆な行動に今更ながら眩暈を覚える
そして先程まで感じてた不安感が消えている事に気が付かされる
バスローブを身に纏い部屋に行くと冷蔵庫からミネラル・ウォーターを取りだし
飲んでいる所だった
下肢のバスローブが微かに膨らんで見える・・・
「私も貰おうかな」
そう言いながら亮の飲み掛けのミネラル・ウォーターに口づける
乾いた躰の隅々に染み込むような感じがする
火照った躰には丁度イイのだろうけど燻った熱を完全に消す事が出来ない
濡れた唇に誘われるがまま亮は明日香に口づける
何度も啄みながら次第に深く合わさる
バスローブの合わさった場所から差し込まれる手に背を這う手に翻弄させられる
気持ちがイイのだ
耳朶を甘噛みされ首筋から鎖骨の所まで強弱を付けて吸われ浮かび上がるは
紅い痕
眼下に揺れ動く躰に楔を打つければ色有る声が上がる
ほのかに香る甘い匂いに艶のある躰
舌先で舐め上げれば甘味が広がる
味覚・嗅覚・聴覚・視覚・触覚 人が本来持つ五感を刺激され気持ちがイイ
飽きる事が無い・・・否 この躰に飽きる事なんて有りえない
貪欲までに欲してしまう
白を零す場所に何度でも楔を打ち込む
全身を心地好い疲労感と充足感にみまわれ深い眠りにつく
こんな気持ちのまま眠るなんて久しぶりだ
不意に目が覚めれば自分の目の前には愛しい人の寝姿
しかも彼が自分の下に居る
自分の胸には、彼が付けた花弁
恥かしいと思うより嬉しいと思ってしまう
下腹部に感じる違和感
下肢に触れてみれば
!!!!
離れたくないという意志表示なのだろうか・・・
規則正しい心音を聞きながら眠りに付く
その時心の中で感じた
どれだけ見た目が変っていようとも彼の優しさは変わってない事を
自分の心に在った寂しさと今迄に起きた出来事に対する恐怖心が拭われている事を・・・