熱望

 


心地好い眠りから自然と目が覚める

辺りは未だ暗くカーテンの隙間から差し込む淡い月の光に誘われるかの様に

身を起し床に落ちているシャツを拾うとそれを羽織り素足のまま窓辺へと向う

隣に眠る人物を起さないように気遣いながら

 

カーテンを少し開ければ綺麗な満月・・・

こんな綺麗な満月を見れるようになったのは半年前から

それ以外だとアカデミア時代かもしれない

プロのデュエリストになってからは、見る事が無くなった様な気がする

否 夜のネオンの前では月明かりも星々の輝きさえも見えなくなってしまう

淀んだ空気・・・

月や星が綺麗に見えるのは空気が澄んで綺麗な証なのだろう

 

半年前・・・亮が試合中に倒れた・・・

まさか心臓を患っているなんて知らなかった

亮は、自分の病の事を知りつつもデュエリストとして活動していたのだ

医師からは、デュエリストとして活動する事を禁じられた

私は、知らされた事実に目の前が暗くなる気がした・・・

それなのに亮は、デュエリストで在る事を望んだのだ

そんな彼にデュエリストを辞めるのではなく休止を勧めた

それが自分に出来る事だと思ったしそれ以外で彼をデュエルから離す方法が見つからなかった

渋々だが自分の案を受け入れ人里離れた山の中に住んだ

勿論夫婦として・・・

亮の病は、以前程のスピードで進行は、してないものの治ってるワケでもない

このままだと・・・

 

亮が生きていた証が欲しい

 

 

 

 

月に魅入る明日香

そんな彼女の後ろ姿を見ている亮

 

自分が目を覚ました時何時もならスヤスヤと寝息を立てている筈の存在が無い事に気付き

正直驚いた

辺りを見渡せば窓辺に居る彼女に気付く

月光を受け淡く光って見えるその姿が子供の頃読んだ絵本「かぐや姫」を連想させた。

しかし物語の「かぐや姫」は月に帰ってしまう御話し・・・

もしそれが現実のモノとなれば・・・そんな思いから亮は居ても立っても居られなくなり

一糸纏わぬ姿のまま明日香に近付き優しく彼女を抱き締める

いきなり抱きしめられて驚きは、したもののこの部屋に居るのは自分と亮だけ

明日香は亮の手に自分の手を重ね合わせながら

「亮どうしたの?」

優しい問いかけに何か腹ただしく思えて来た

 

まるで自分だけが彼女に執着しているかのように・・・

 

実際そうなんだろう・・・明日香を手放せない自分

このまま明日香を自分の元に繋ぎとめ自分だけに溺れさせたい自分から離れない様にしたい

亮は明日香を抱き上げるとそのままベッドへと向う

優しくベッドに降ろすのかと思っていた明日香だったがベッドの上に落とされてしまった

「きゃっ・・・あ・・・りょ・・・」

一瞬気持ちが緩んだ隙に圧し掛かられ貪る様に口づけられる

吐息を奪われる程に

落ち着いていた感覚を呼び覚ます様に

執拗に激しく

その間にも亮の手は、シャツに伸ばされ左右に開かれる

「りょ・・・ん・・・ダメ・・・さっき・・・したでしょ?・・・ん・ん・・・躰に負担・・・あんん・・・」

ほんの数時間前まで躰を重ね合わせ繋がっていたのだ

それに亮自身心臓を病んでいる

負担を掛けられないのだ・・・だからSEXをする曜日を決め回数だって制限を決めたのだ

それなのにこのまま襲われてしまえば意味が無い

抵抗してくる明日香

そんな明日香を陥落させるため彼女の性感帯の一つで有る乳首を嬲る

 

痛い程摘ままれ虐められているのに引き出されるのは快感

もっと虐めて欲しいと思ってしまう

明日香からの抵抗が弱まるとつかさず下肢に伸ばした手で恥丘を撫で指で陰核を攻めたてる

背を這うように駆け上がる感覚に明日香の躰は仰け反り震える

 

 

親指で陰核をコリコリと攻められ人差し指と中指で陰部を弄られ乳首を虐めていた指は掌全体を

使い痛い程力を込めて乳房を掴んでくる

苦しい程まで貪られ絡められる舌・・・抜かれてしまうのでは?と錯覚させる程・・・

 

欲しい・・明日香にそう言わせたい言って欲しい

蕩けた表情ので自分を見上げる明日香に願ってしまう

 

一度躰に灯った炎

どうすれば鎮火するのか解っている・・・でも自分から強請るなんて事出来ない

理性と欲望の狭間で戸惑う気持ち

そんな気持ちが亮の見せた寂しそうな表情で一瞬にして崩れた

両手を伸ばし亮の首に抱きつき自分からキスをする

 

キスをしながら彼を押し倒し今度は自分が圧し掛かる

自ら両足を開き彼の躰を跨げばお尻に当たる熱棒

その熱棒に眩暈を起してしまいそうになる

「あすか・・・」

思っても見なかった明日香の行動

その表情は、明らかに欲情の色が浮かび上がっている

「亮の精子・・・いっぱい頂戴・・・」

甘い声で耳元で囁かれればドッキとさせられてしまう

明日香から求める様に仕掛けたのは自分なのに・・・

 

下腹部に片手を乗せもう片手で熱棒を掴みゆっくり腰を降ろす明日香

溢れ出る蜜で熱棒を濡らしながら内へと誘い込む

滑った感触に背筋をゾクゾクさせる何かが這い上がる

早く彼女の最奥に到達したく突き上げれば明日香はバランスを崩しそのまま一気に飲み込んでしまう

「はあああぁぁぁ・・・・」

「・・・くっ・・・」

歓待してくれる内肉に締め上げられる

自分が襲う時は違う様な喜び

「はぁ・・・はぁ・・・亮の欲張りさん・・・」

「欲張りなのは明日香のココだろ」

軽く突き上げると甘い声を零す

「はぁ・・・あ・・んん・・・亮は動かないで・・・」

 

必要以上に躰を酷使しないで

私が出きる事は、私がするから

 

明日香は少し前のめりになり亮の胸元に両手を置き

緩やかに躰を動かす

その動きがもどかしく自分で動きたいと思ってしまう

 

明日香の心も躰も・・・その全てを蹂躙し奪う為に

今以上に自分に溺れさせる為に・・・

 

最初は、ゆっくりだった動きが次第に早くなる

それにつられて明日香の胸の揺れも大きくなる

 

不意にその胸に触れたくなる

何気なしに掴んだ胸

自分の指が少し食い込む

 

何処まで食い込むのか興味を持ってしまい掴んでいる指に力が篭る

まるで新しい玩具に興味を抱く子供の様に・・・

 

乳房に食い込む指

痛い筈なのにそれさえも甘い痛みに変り

感じ熱棒を咥い締める

「・・・っく・・・」

余りの気持ち良さに想わず声が漏れてしまう

「ココを掴まれただけで感じたのか?明日香は変態だな」

淫乱か変態か・・・言葉に多少迷いは、したが揶揄の言葉は、アル意味相手の刺激に

変るだろう

「あぅぅぅんんん・・・その変態に・・・大事なところ・・・咥えられてイクのは誰かしら?」

途切れ途切れに反論してくる明日香

その表情は蕩けて欲をそそる

 

何時もなら反論してくる事なんてないのに

自分が満足する頃には性の奴隷になっているのに・・・

 

「クスクス・・・貴方が・・・私を・・・刺激するから・・・」

 

何時もじゃ見れない明日香の痴態

そんな明日香を見れるのも

明日香をそんな風にするのも自分だけ

 

満足してしまう・・・

 

「・・・くっ・・・明日香は、欲張りだな・・・」

ユルユルと動きだす明日香の躰

「亮は寝ていて・・・私が勝手に動くから・・・」

貪欲までに絡み付く肉に精を何度も吐き出され飲み込まれる

自分で動きたいのに動く事を禁じられてしまう

何時もと違う営みに酔ってしまう

 

 

もし俺の身に何か起きたら・・・

俺が生きた証を残したい

明日香が俺を忘れない様に

俺の後を追わないように・・・




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