夢の中で・・・
目が覚めたら何処か知らない場所に居た。
真っ先に目に飛び込んで来たのは、真っ白いシーツ。
頬に当たる感触が心地良い。
今の自分は、そのシーツの上で俯せにされ腰を高くさせられた状態。
状況を確認しようとするが出来ない。
両腕が拘束されている様で動かせないのだ。
正直な所 こんな格好は、イヤだ。
まるでアノ男との情事を思い出すから・・・
オレを置いて勝手にアメリカに行った男の事を。
オレは、組み敷かれ様が互いの顔が見える体勢が好きなのに。
アイツは、獣が交わる様な体勢を時折とらせる。
相手の全てを支配した気持ちになれると言って。
そんな事しなくてもオレの全ては、ヤツのモノなのに・・・
そんな事を考えながらも遊戯は、解る範囲で自分の置かれている状況を把握しようとした。
ダイレクトに感じるシーツの感触からにして認めたく無いが自分は、全裸である事。
今居る場所は、全く自分の知らない場所。
そして自分は、全く知らないうちにこの場所に連れてこられた事。
ココに連れてこられる前の記憶を思い出す。
自分は、自分の半身とも言うべき相棒の家に居た。
彼の家族と共に夕飯をとり相棒と一緒に御風呂に入った。
そして寝る前に相棒とデュエルをし眠くなったからと互いに就寝したのだが・・・
そこから今の状況に陥るまでの経緯が全く無い。
「ククク・・・何を考えている?」
聞きなれた声・・・でもその声の主は、今日本に居ない。彼は、アメリカに居る筈で・・・
帰国したなんて聞いてない。
「俺の気配も声も忘れたのか?」
人を見下す様なモノの言い方。
間違い無い。この声の主は、彼だ!
「海馬・・・こんなマネをして一体どういうつもりなんだ?」
久しぶりの声に心臓がドキドキと早鐘の様に煩く鳴る。
顔が見たい・・・
でも素直じゃない自分。それに今の状況じゃ素直になれない。
「貴様に触れたかった。この肌に今一度貴様が俺のモノだと刻みつけたかった。
俺が居ない間、貴様の相棒以外の輩が貴様に触れているのかと思うと許せなくてな」
海馬が言っている意味が解らなかったが彼が自分を監視している事は、容易に理解出来た。
直に撫でられる尻にゾゾゾ・・・とする。
解されても居ない場所に宛がわれる熱。思わず躰に力が篭る。
「遊戯力を抜け。さもないと貴様が辛い思いをするぞ」
解されていない場所にそんな猛ったモノを入れられただけで辛い思いをするのは、重々承知。
だから抵抗するのだ。
それでも先が堅く閉ざされた場所に無理矢理入ってくる。
「ヤメロ!!オレが何したと言うんだ?それにオレを監視するな!そんなにオレが信用出来ないのか?」
挿し込まれたモノが出て行く。一瞬だがホッとした。
だがその一瞬の隙にメリ込まれる怒張。
「〜!!!」
余りの激痛に声にならない悲鳴が。
無理に挿し込んだ所為で裂け血が流れる。
「何をしたかだと?監視をするな?別に貴様を信用していないワケでは、無いのだがな」
背後に居る海馬の姿が見えない。
今彼がどんな表情で自分を貫き突き上げているのか見えない。
だが声のトーンからにして怒っているのは、間違い無いだろう。
痛さの余り快楽なんて感じている暇は、無い。早くこの責め苦から解放されたい。
それに無理矢理捻り込んだ彼にだって激痛が走ってる筈。
「監視するなだと?そんな事を言うのは、己の身を己自身で守れヤツが言う台詞!!
守れぬ者が言う台詞では、無い!
それに貴様の相棒にだって貴様を触れさせたくないのに・・・貴様は、他の輩の腕に抱きしめられ笑みさえ
浮かべている始末・・・俺は、貴様の事を信じていたのにそれを裏切ったの貴様だろう?
だから再度刻みつけてやる貴様が誰のモノなのか この痛みと共に!!」
苦痛の中、海馬の言葉を聞いて愕然とした。
監視をしているのは、事実。しかも遊戯を守る為に・・・そして遊戯の事が気になりパソコンで映像確認を
し様とした写し出されたのは、クラスメートに抱きしめられていた光景。
元々心の狭く嫉妬深いヤツがそんな光景を目の当りにしたら当然何をしでかすか解らない。
「貴様の気持ちを尊重し貴様を置いてアメリカに発ったが貴様を残して行くのでは、無かった・・・」
無理にでも連れて行けば良かった。過ぎる後悔心。
「遊戯 俺を裏切ったのだこのままイケルと思うな」
(そうだ・・・海馬は、勝手にアメリカに発ったんじゃない。
アメリカに発つ前、何度もオレを誘ってきた。それをオレは、相棒達と一緒に高校を卒業したいと言ったんだ。
オレの気持ちを考えて・・・)
苦痛に萎えていた遊戯自身を扱き出す。
見る見るうちに蜜を溢れさせ滴らせる陰茎の根元に海馬は、冷たい金属を取り付ける。
「やぁ〜海馬・・・なに・・・?」
「コックリング・・・貴様に与える罰だ。イク事が出来ず躰中を快楽の波が駆け廻る。
堪え性の無い貴様には、耐えられんだろうがな」
容赦無く打ちつけられる腰。
痛みや苦痛から快楽にすり代わる。
だがどんなにきもち良くてもイク事が出来ない。
リングを外そうにも両手が拘束されて外せない。
内で何度も海馬が弾けるのを感じるのに自分は、弾ける事が出来ない。
苦しくて苦しくて仕方が無い。意識を失えたらどんなに良いだろう・・・
「かい・・・もう・・・もう・・・」
解放して欲しかった。
海馬に言いたい事あったけど今は、どうでもいい。
なりふり構っていられないのだ。
「俺が居ないからと言って俺の代わりに他の男に抱かれてたんじゃないのか?
自分から淫らに腰を振って誘っていたのだろう?」
遊戯がそんな事しないのは、解っている。
だが遊戯が他の男に抱きしめられそれに対し笑みを浮かべている事にどうしようも無く嫉妬してしまう。
そんな事を言われて遊戯にしてみれば、そこまで疑われる言われは、無い。
泣きたい気持ちになる。
「そんなに・・・オレの事が・・・信じられない・・・のか?・・・オレは・・・オレには・・・お前だけなのに・・・」
オレが後にも先にも想うのは、海馬のみ。
彼の代わりなんて居ない。彼しか居ないのだ。そんな彼に疑われるなんて・・・
遊戯からの告白・・・それがどんなに海馬の心を癒し満たす事か。
遊戯を疑いたいワケでは、無い。遊戯には、自分しか居ない事ぐらいわかっている。わかっているのだ。
「遊戯 俺も・・・貴様だけなのだ」
背後から華奢な躰を抱きしめ根元を締めていたリングを外す。
止めどなく溢れ出る。白濁とした粘液。余りの快感に遊戯の心は、真っ白になってしまう。
遊戯が放出している間、陰茎を締め付けられ動く事が出来ない。
緩和し崩れる遊戯の腰を掴み数回擦りあげると何度目かの放出をし遊戯の背に倒れ込む。
背中に感じる温もりに安堵してしまう。
「海馬・・・オレを信じろよ・・・」
「貴様は、俺に疑われない様にしろ」
荒い息を整えながら掠れた声で言いあう。
何だかそれだけでも感じてしまう。
相手にこんな声を出させるのは、自分だけだから・・・
「なぁ・・・これ解けよ・・・」
腕の拘束を解いて欲しい。
海馬の顔を見たい。
海馬に抱きつき彼の温もりを感じたい。
今も海馬の熱が躰の中にあるのに・・・
解かれた腕は、痺れて動かせない。
「遊戯 どうして欲しい?」
背後から遊戯の頬にキスを繰り返すと
「お前の顔が見たい・・・」
俺の顔なんて見ても・・・そうは、思うものの遊戯の願いを叶える海馬。
遊戯の中から抜かれる熱。それを行かせまいと絡みつく内肉。
正面から海馬の顔を見ながら
「やっとお前の顔が見れた・・・」
「俺の顔を見てもどうしようも無いと思うが?」
「そんな事ないぜ お前は、監視カメラで何時もオレを見ているかもしれないけどオレは、お前の顔を
久しぶりに見るんだからな」
アメリカは、遠い。逢いたくてもすぐには、逢えない。
「なぁ・・・冬休みになったらお前に逢いに行ってイイか?」
「そのまま帰れなくなるぞ?」
「それは、困るぜ」
「来るなら貴様一人で来い」
「相棒達は、ダメなのか?」
潤んだままの瞳で・・・少し口を尖らせて・・・そんな事を言う遊戯が余りにも可愛く。
もう少し意地悪を言いたくなるが本当に拗ねられたらいけないので
「相棒達の事は、モクバに任せておけ」
ハッきりと言わないけど言葉の裏には、相棒達もアメリカに招待してくれるらしい。
相棒達を招待するのは、モクバと言う事で・・・
「なぁ 海馬」
「ん?」
「キスしてくれよ」
「!」
「冬休みまで海馬とキス出来ないんだぜ?」
「貴様と触れあうのなら何時でも出来るが貴様から強請られたのだ・・・」
そう言うと重なる唇。
触れあう事が何時でも???
引っかかる言葉に疑問を抱きつつ海馬からされるキスを堪能する。
「海馬!!お前 躰が!!」
光が何処からか挿し込んで来ると薄れて行く海馬の躰。
「ああ・・・もう時間なんだろう・・・」
「時間?」
「遊戯 今度から寝る時は、ここにゴムを被せておけ」
遊戯の可愛い陰茎を撫でながら言う
「何で?」
「すぐに解る」
そう言って光の中に溶け込んで行く海馬。
++++
「んん・・・」
眩しい・・・
グチュ・・・下肢から濡れた様な感触。
慌てて起き上がると下着がグッショリと濡れている。
(うわ〜!!!あれって夢だったのか?それとも・・・)
海馬と行った情交に顔を赤らめる遊戯。
多分現実なんだと想う。
それじゃないと何だか寂しいから・・・
(まったく兄さまったら遊戯の事が絡むと何をしでかすか解らないぜ・・・)
監視カメラの映像を見た途端怒り心頭になり自家用ジェットで日本に向おうとしたのだ。
でもこっちでの重要原案とかがあって止めたら今度は、ラボに篭りとんでもない物を作り上げた。
それが自分の望んだ相手の夢に入り込む装置。
それを使い海馬は、遊戯の夢に入り込んだのだ。
その装置から出て来た兄の顔は、晴れ晴れとしていたのがせめてもの救い。
(何だかスッキリした様にも見えるけど・・・遊戯大丈夫かな?)
登校途中空を見上げると遊戯は、思いっきりアッカンベーをした。
「どうしたのもう一人の僕?」
遊戯の突然の行為に驚く<ゆうぎ>
「何でも無いぜ」
多分海馬の事だ。宇宙衛星で今もオレを監視しているんだろう・・・
だからささやかな挨拶をしただけ。
きっと今夜もアイツは、来るだろう・・・
オレがお前のモノだと想わせるために。
オレがお前無しでは、居られない様にする為に・・・
(全くオカルト嫌いがオカルトじみた事するなよ)