北風と太陽-2-

海馬(北風)・城之内(太陽)・遊戯(旅人)だったら・・・<友情出演・表遊戯(白ウサギ)>


「よう!海馬 俺と勝負しねえか?」

草の上で寝そべっている北風に太陽が話しかけるとそれを疎ましそうに

「何故 俺が貴様の様な凡骨と勝負せねばならん?」

眉間に皺を寄せて追い払おうとするが北風のそんな態度は、何時もの事。

太陽は、少しムカ付きながらも気に止める様子を見せる事なく北風を挑発しようと試みる。

「もしかして俺様に負けるのが怖いとでも言うのか?そうだよなどんなにゲームに強いヤツでも得手不得手って

もんがあるもんなぁ〜」

まぁ〜仕方ねえか・・・

上向き加減で言う太陽に流石に苛立ったのか何時もなら乗らない挑発に

「そこまで言うのなら受けて立とうでは、無いか」

乗ってしまう。

「俺を挑発した事を後悔さてやる」

 

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「貴様から持ちかけたゲームだ。ルールを説明してもらおうか」

山の麓まで連れてこられた北風は、不機嫌さを隠そうともしない。

「まぁまぁ そう苛立つなって。丁度ここを旅人が通るんだ。ソイツのマントを脱がせた方が勝ちってヤツだ。」

ルールを聞いて北風は、頭痛を覚えそうになる。

何て幼稚なゲームなんだ・・・これだったら予めゲームの内容を確認した上で受けるべきだった。

そう後悔しても後の祭りである。

北風は、安請け合いで返事をした事を後悔する。

「おっ!!来たぜ。」

太陽が指差す方を見れば小柄な男なのか女なのか解らない人物がコッチに向って歩いてくる。

その人物を見た瞬間北風の鼓動が高鳴り始め『欲しい』と言う欲求が芽生える。

見た事の無い紅い逆立った髪。

ヤマネコを思わせる吊りあがった目。

まるで血を思わせる紅い瞳。

マントを羽織っていてハッキリとは、解らないが覗く足から想像するに多分細身だろう。

 

マントを脱がすだと?マントだけでは、無い。着ぐるみ全て剥いでやる。

 

「俺が先に行かせてもらおう」

そう言うと北風は、旅人の前に立ちはだかる。

「おっ・・・おい海馬!!」

相手の前に出るなんて思わなかった太陽は、慌てて北風の名を呼ぶが無視をする北風。

 

旅人にしてみればイキナリ現れた長身の男に驚くしかない。

でも旅の途中なので目の前にいる長身の男を避けて通ろうとしたがマントの上から腕を掴まれてしまい

そのまま草むらに投げられてしまう。

「・・・うっ・・・何するんだ・・・」

尻もちをつきながらも文句を言おうとする旅人を押し倒しその上に跨りながら

「貴様のマントを脱がせるゲームをしていてな」

「ゲーム?」

訝しむ顔を見せる旅人の顔を指先で撫でながらマントを脱がせ

「それでは、面白く無いので貴様の着ているモノ全てを脱がそうと決めた。」

「はぁ?何でオレが脱がされなくては、ダメなんだ?脱がすのは、マントだけなんだろう?」

捲られる上着を必死になって押えながら問う

「俺が貴様に興味を持ったのだ。貴様が俺の腕の中でどう啼くのか見たくなった・・・」

そう言って近付いてくる北風の顔。

「ちょっ・・・待て!!啼くって何だ!?」

どんなに抵抗してこようが相手は、小柄な上に体力も腕力も自分より下の旅人。

ねじ伏せる事なんてたやすい。

旅人の抵抗を封じると柔らかい唇を何度も啄む様に堪能しながら少しずつだが深みを増していく。

「・・・ふぁ・・・やぁ・・・やめ・・・」

躰の力がどうしようもなく抜けて行く。

「貴様の唇は、柔らかくて口の中は、甘いな・・・貴様の他の部分をこのまま味わいたい所だが邪魔な

ギャラリーが居るのでな場所を移させてもらう」

そう言うと北風は、旅人を軽々と抱え上げ何処かに行こうとするが太陽が出て来て

「何処に行くつもりだ?」

立ち去ろうとする北風の邪魔をする。

「俺が何処に行こうが凡骨に関係無い事だ」

「だぁ〜!!何でテメェは、勝手な事するんだ?」

「別に勝手な事なんかしてないが?」

「普通 北風なら風を使ってマントを剥ぐとかするだろ?」

「フン 通常概念に囚われるなんぞ愚かな。臨機応変に対応してこそ勝利を収めるモノだ。」

「テメェのは屁理屈って言うんだ」

「貴様と話していても埒があかん。邪魔だそこを退けろ」

冷ややかな蒼い瞳で太陽を睨みつけるが太陽は、それでも退け様とは、せず尚も食って掛かろうとする。

折角手に入れた獲物を何時までも食せずにいるのも飢えの原因になりかねないと判断した北風は、竜巻

を起すとそれに乗って何処かへと姿を消したのだった。

 

「だぁ〜!!!何て我儘で自己中なヤツなんだ!!」

「城之内君 海馬君に常識なんて求めても無駄だよ・・・」

一部始終見ていた白ウサギになだめられる太陽・・・それでいいのか???


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