ギシッギシッと軋む音を立てながら微かに揺れる吊り橋。

「不動博士・・・」

橋の下は、不思議な光を放つ湖。

その光が何なのか知らない者が見れば余りの美しさに心魅入られてしまうかもしれない。

そんな光に魅入られる事無くルドガーは、橋の中央に立ち不思議な光を見ていた。

「不動博士御覧になっておられますか?貴方が望みモーメントの力を使い導こうとした未来と異なる現実を・・・

神は、私の望みを聞きそして叶えてくれたのですよ。」

そこまで言うと軽く口を閉ざた。

まるで何かを待っているかのように・・・

だが何も起こる事は、無かった。

そして閉ざしていた口を開き

「不動博士見ておられますか?貴方が愛しその命と引き換えに逃がした御子息が今ココに来ようとしています。」

報告をする。

もし彼が生きていたら息子の成長をどんなに喜ぶだろう?

ルドガーは、瞼を下ろしまるで黙祷を捧げるかのように暫く沈黙した後ゆっくりと瞼を開き。

「私は、貴方の御子息を迎え撃つ所存です。」

許しを請うつもりなんて毛頭にない。

2つの神をその身に受け入れた時・・・地縛神を選んだ時すでに自分の運命は、決まっていたのだと思う。

それを己が過ちだと思わない。

あの時、最愛の人を守る為に選んだ道なのだから。

「不動博士待っていて下さい。すぐに私も参りましょう。」

 

私が地縛神に望んだのは、貴方を全ての災厄から守る為に・・・

否 貴方を・・・貴方の全てを我が手にする事を願い望んだ。

 

それを成就する為に私は、このデュエルに命を賭けますよ。

貴方が最も愛した存在とのこのデュエルを・・・


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