悔恨
実直な私のルドガー。
私は、お前を恨んでは居ないよ。
お前は、余りにも一途過ぎたんだ。
今尚お前の心の嘆きが聞こえる。
肉体の無い私には、お前を抱きしめてあげる事が出来ない。
お前の声が聞こえているのに私に話しかけてくれていると言うのに私からお前に話しかけてあげる事が出来ない。
何と口惜しいんだろ。何ともどかしい事なんだろう。
私にお前が見えているのにお前には、私が見えていない。
お前の心の嘆きが私には、見えているのにお前は、自分の心の嘆きが聞こえていない。
ルドガー・・・もしあの時私がお前の想いを受け止めていたらお前は、過ちを犯さずに居たのだろうか?
もしそうだとしたら私は、私が犯した過去の過ちを悔いてしまう。
手にしていた全てを手放せずに居た過去の私を・・・
お前が如何に闇に染まろうともお前の心奥に眠るお前の優しさまで闇に染める事なんて出来ない。
だからお前は、私の息子を影から見守り逐一私に報告してくれているのだろう?
お前を断罪するかもしれない私の息子を・・・
ああ・・・我が息子 遊星よ。
出来うる事ならルドガーの罪を許して欲しい。
そして彼の暴走を止める事が出来なかった私を代わりに恨んでくれ。
ルドガー 私は、光の中でお前が来るのを待つよ。
そして昔の様に3人でまた研究しよう。
終わる事の無い時間の中で・・・