ただ不意に月を見ていただけなのに・・・

心が騒ぐ。

何かが起きる・・・否 何かが・・・誰かが来る!!

そう思った時脳裏に過ったのは、美しい空の様な双眼。

シティに来て尚、自分の心を魅了して止まない。

 

サテライトの空は、排気ガスで灰色だったし海は、ヘドロで黒くくすんでいた。

その中で唯一と言っても過言では、無いだろう澄んだ美しい空と海の色を合わせ持つ碧眼。

手に入れたかった。

自分だけのモノにしたかった。

だから彼か奪った。

自分だけを追いかけさせる為に屑溜めの様な連中から引き離す為に。

 

シンパシー

 

彼が呼んでいる気がした。

そして自分も無意識の内に彼を呼んで居る気がした。

行かなければ。

 

月に導かれるまま。

彼を今度こそこの手にする為に。

 

 

 

「ジャック・・・」

廻り合う運命の場所。

 

月が指し示す場所。

美しい宝石を我のモノとする為に。


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