aphrodisiac


心臓が止まるかと思った。

夜中になる電話のベル。

受話器越しに聞こえる声。

 

『・・・ルド・・・苦し・・・』

 

その後聞こえたのが落された受話器の音。

 

ルドガーは、ヘルメットを被るのも忘れバイクを走らせ不動博士が仕事で借りているマンションへと急いだ。

バイクを駐輪場へ止めキーを抜くと急いで部屋へと向かう。

予め部屋の合鍵を貰っていたのが幸いしたと思った。

胸ポケットから合鍵として貰っていたカードキーを取り読み取り器に差し込む。

承認されロック解除。

 

「博士!!博士!!」

リビングに行けば床に蹲り苦しそうにしている不動博士。

不動博士の躰を抱き起すと大量の油汗と荒い息。

傍には、受話器が転がっておりテーブルの上には、ラベルの貼られていない小瓶と水が少し入ったグラスが置いて

在った。

何の薬を飲んだのか不明だった。

だがこのままにしておく事が出来ないのでルドガーは、不動博士を一先ずソファの上に寝かせる。

「博士大丈夫ですか??」

荒い息を吐く不動博士。

苦悶しているが顔色は、青く無く朱に染まっている。

まるで情事を髣髴をさせる色ある。

(俺は、何を考えている・・・不動博士は、苦しんでおられると言うのに・・・)

自分の脳裏に浮かんだ淫靡な光景を振り払う様に頭を振り汗を大量にかいている博士の為に水と汗を拭う為

のタオルと着替えを取りに行こうと立ち上がろうとしたが手を握られ振りかえる。

「博士 水を汲みに行くだけですよ。」

不安そうな不動博士に安心して貰おうと思い今自分が出来る目一杯の笑みを浮かべ博士の手を外す。

 

 

 

「フゥ〜」

(博士は、一体何を飲まれたんだ?)

それにしても自分を見上げる不動博士の表情・・・何と美しいのだろう。

欲情せずには、おれない。

(苦しんでおられる博士に欲情してしまうなんて我ながら情けない。)

そう思いながら水を汲み一先ず博士の元へ。

博士が水を飲んでいる間にタオルと着替えを用意しよう・・・と段取りを考えながらリビングへ向かう。

寝ている筈の不動博士が座っている。

「博士!!寝ていなくて大丈夫なのですか?」

「大丈夫だよ。」

さっきとは、打って変わって平然としているが・・・その蒼い瞳に灯る炎に魅せられてしまう。

「着替えを持って来てくれたのか。だったら丁度良い君に着替えさせてもらおう。」

ほんの少し前まで苦しんでいた人物とは、思えないほどハキハキとした応対をする不動博士。

あの苦しそうにしていたのは、演技だったのか?とルドガーは、思ったがあの時見た油汗は本物だった。

そしてあの息苦しそうにしていたのも・・・。

だったらほんの僅かな時間で回復したと言うのか?だったらどうやって?。

不動博士の言うがままルドガーは、不動博士を着替えさせるが、その時に気が付いた。

不動博士の中心部分に熱が溜まり出し微かに勃起し出している事を、そして思い出す。

こんな症状に陥る可能性が在る薬の存在を。

だがこの研究室にそんな薬の存在は、無い筈。

誰かが故意に用意するか自分で作るか・・・。

そんな事を考えて居るとどうしても手の動きが疎かになってしまう。

「手が疎かになているよ。ルドガー何を考えているんだい?」

何時もの口調で先を促される。

我に返りルドガーは、不動博士の衣服を手際良く脱がしていく。

そして・・・

「博士 そんなに寂しかったのですか?それとも暇だったのですか?ココをこんな風にさせる薬を飲むなんて、

それとも誰かに飲まされたとか?」

立ち上がり掛けている部分を掴み優しく前後に動かす。

「さぁ〜どっちだろうね。自分で飲んだのか飲まされたのか・・・だがそんな事 今は、どうでもイイ話しだろう?

私のこんな姿を見て君が欲情しないとは、思えないのだが」

確かにこんな不動博士を見て欲情せずには、おけない。

床に蹲り苦しそうに荒い息を吐いている博士を見た時、既に自分の中心部分は熱を帯び出していたのだから。

「では、こんなソファより広いベッドに移りましょ。」

全裸な不動博士を横抱きにしルドガーは、寝室へと向かう。

 

 

ベッドの上に寝かされる不動博士。

その博士の上に覆い被さろうとするルドガー。

だがそんなルドガーを静止させると不動博士は、サイドテーブルの引き出しから鎖の付いた首輪を出す。

それを見たルドガーが

「これを私が嵌めばいいのですか?」

等と言えばクスクスと笑いながら

「これは、君が私に嵌めるんだよ。ああ・・・首輪と手枷の両方が付いたのを用意すればよかったね。」

催淫剤の効果なのかそれとも博士が持つ本来の欲望なのか。

こんな事を言う博士の姿は、初めてだったのでルドガーの中に眠る獣の部分が目覚めてしまう。

自分の獲物が自ら用意した罠にはまる。

首輪の留め具を溶接しこの鎖を杭に打ちつけたら・・・博士は、何処にも行けなくなる。

彼は、永遠に自分だけのモノになる。

「手枷で貴方をベッドヘッドに固定する事が出来たらどんなにいいでしょうね。」

膨らむ己が欲望に眩暈を起しそうになるが

「手枷を嵌めるのは、君だよルドガー」

「私?」

どうして自分が手枷を嵌めなければならないのだ?

「君は、私に首っ丈なんだろう?私が他の者と仲良くしているのが不愉快なまでに・・・そして何度も私の息の根

を止めたいを思った筈だ。君のその大きな手で私の首を締めて。」

そう言われルドガーは、息を飲んだ。

確かに何度もそう思った。だが思うだけで実行に移す事なんて出来なかった。

「私は、君になら締め殺されても構わないと思っているのだよ。」

自分の躰の下でサラリととんでもない事を言う不動博士にルドガーの心は、釘付けにされてしまう。

「それに君は、私がココの動きを止めるように指示を出せば止めてしまうだろう?」

指差されたのは、ルドガーの左胸・・・心臓付近。

「ルドガー 君は、私に今何をしたい?したい事をさせてあげるよ。ああ・・・でも息の根を止める行為だけは、

しないでおくれ。」

まだ研究途中のモノだってあるから。

「今我のしたい事なんて唯一つだけ酷い事を言う貴方を啼かせる事だけです。」

そう言うと激しく強く不動博士の躰を抱きしめ薄い唇にむしゃぶり付いた。

まさか言葉だけで興奮させられるなんて・・・自分の気持ちに抑えが効かない。

浮き出た鎖骨に噛みつき歯型を付ける。

薄い胸板に着けられるは、紅い花弁。

蜜を纏い立ち上がっているモノに舌を這わせばあっけなく昇り詰められてしまう。

「ククク・・・今迄よく我慢出来ましたね。良い子には、褒美をあげないと。博士何が欲しいですか?」

咽元を鳴らして笑うと

「おや?君から私に褒美をくれるのかい?だったら君の太いモノで私を刺し貫いてもらおうか。」

両足を全開で開き自ら双丘を割り広げ秘部を晒す。

「馴らす必要なんてないよ。そのまま私の中に入れてくれ。」

勃起をしたルドガーのモノを馴らさず受けいれるのは、至難の技だと言うのに博士は受けいれると言うのだ。

「激痛を伴い裂けてしまいますよ。」

「かまわないよ。」

汗だくの顔に浮かぶ笑みに魅せられルドガーは、博士の割り開いた両膝裏を抱え上げると秘部に勃起した

自分のモノをあてがい自身の体重をかけて一気に最奥まで貫く。

「うわぁぁぁぁ・・・・」

悲鳴にも似た声を上げ不動博士は、両目を見開く。

馴らす事もローションも使わず無理矢理突っ込まれた場所は、思った通り裂けてしまい血を滴らせたがその血が

潤滑油の代わりをしてルドガーの動きを楽にさせる。

「はぁはぁはぁ・・・」

「ああぁぁぁ・・・」

痛みから快楽に代わったのか、それとも痛みが既に快楽の一部だったのか博士に問いたいが今は、自分のモノ

を締めつける中の良さに酔いしれたい。

ルドガーは、何度も何度も博士の中を打ちつける。

止め処なく溢れだす精液。

まるで自分が催淫剤を飲まされたかの様に襲う快楽に歯止めが効かない。

 

 

 

 

 

 

翌日昼頃まで2人でベッドの中で惰眠を貪る。

正確に言えばやり過ぎて互いに疲労困憊の上に腰痛になってしまい動く事叶わずなのだ。

「博士・・・聞きたい事があるのですが・・・」

掠れた声で訪ねれば

「君が聞きたいのは、私が飲んだものの正体だろう?多分君が想像したモノだよ。」

掠れた声で返事が返って来る。

「どうしてそんなモノを・・・」

抱いた疑問。

「退屈だったから。」

それだけの理由で催淫剤なんて飲むものなのだろうか?

今一度質問したかったが聞こえて来る寝息にそれ以上の問いは、無理だった。

(それにしても俺にとってこの人の存在こそが催淫剤の様なモノなのかもな)

 


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