Dozing
行為の後襲ってくる独特の気怠さ。
時間を追う毎に荒れていた心拍数は、落ちつきを取り戻し呼吸も安定して来る。
汚れた躰を綺麗にしたいがその躰が動かない。
気怠さで動かないんじゃない。
圧しかかっている存在が在るのだ。
しかも今の自分は、俯せ状態・・・息苦しくて仕方が無い。
「重い。シャワーを浴びたい。」
そう単語を発せば
「ダメだ。もう少しこのままで居ろ。」
命令口調。
しかも中に未だ入っている状態なのだ。意識してしまいそうでいい加減抜いて欲しい。
「息苦しい・・・」
肺が圧迫されて息が出来ない。
遊星の変化に気が付きジャックが躰を起す。
圧迫感が取れ呼吸が楽に出来る様になると遊星は、深呼吸をしだした。
「何だ呼吸困難に陥っていたのか?だったら早く言えばいいものを」
呆れた様な口調で言われたカチンを来たが元々口下手なので言い返しても無駄な様に感じてしまう。
しかもジャックが動いただけで中の分身も動き遊星の中を刺激する。
顔を顰め声を押し殺す遊星。
「どうした?感じたのか?」
楽しそうに声を掛けられるが肯定も否定もしない。
する必要が無いのだ。感じた事なんて遊星の表情や中で煽動した事によってジャックにばれているのだから。
解っていて意地悪を言っているのだ。
「このままお前と繋がって居たいがまた酸欠をされても困る。」
その言葉に抜いてもらえると思ったがジャックは、繋がったまま遊星の腰を掴み反転させる。
その際、遊星の足がジャックに当たらないように器用に交わしながら。
「あぅ・・・」
今迄とは、違う擦られ方に思わず声を上げてしまう。
「遊星。お前は、なんとヤラシイ奴なんだ?」
「何だ・・・と・・・」
「たかだか向きを変えただけだと言うのに俺のモノに絡みつき離そうとしない。寧ろ『もっと』と言わんばかりに
締め付けだす。
ああ・・・そうだなお前の声も俺を誘っている様だったな。」
「違う・・・誘ってなんか・・・」
誘ってなんか居ない。誘う筈が無い。
慣れない刺激に驚いただけなのだ・・・そう驚いて躰が反応しただけ。
何故この男は、こうも己に都合良く物事を考えられるのだろう?
不思議で仕方が無い。
だがそんな男に自分は、惚れてしまい淫らな行為を許しているのだ。
「お前ともう1ラウンド・・・と言いたい所だが流石の俺も疲れている。このまま寝るぞ。」
そう言いながら遊星の躰に自分の躰を重ねてくる。
俯せの時より呼吸が楽とは、言え。重い事に代わりが無い。
しかもさっきよりジャックの体臭を嗅いでしまい異常に意識してしまう。
心臓がドキドキと早鐘の様に鳴っている。
(どうしよう・・・ジャックにバレテしまうかもしれない。)
強く瞼を閉じ意識しない様に心がけるが知らず知らずの内に呼吸が早くなり息がジャックの肩にかかっていた。
遊星の変化に気が付いていないワケでは、無い。
気付かないフリをして遊星の反応を楽しんでいるのだ。
「どうした?息が荒い様だが。」
「お前が重くて暑苦しいんだ。」
御魔化せたのかどうか解らない。
ジャック相手に上手く嘘を吐いた事なんて無い。
大抵直にバレた。
(そう言えば・・・)
そう言えば不意に気になった事。
どうして自分は、ジャックに襲われたのか。
記憶の糸を手繰り寄せれば連日の徹夜続きによる不眠。
その所為でエンジンを製作途中で眠気に見舞われソファの上で横になっていた。
余ほど眠かったのかそのまま眠ってしまったのだ。
その後何かが起きその勢いでベッドにまで連れて来られ襲われた。
何が原因になったのか曖昧な記憶では、どうしようもない。
遊星の気が自分から反れた事に気が付いたジャック。
自分が傍に居るのに。自分のモノを咥え込んでいる癖に・・・。
許せなかった。
ジャックは、上半身を起すと遊星の両足の膝裏を抱え上げ伸し掛かる。
ジャックの重みが消え不図ジャックの方を見れば今度は、更に奥に入り込もうとするモノの存在に口が開いて
しまう。
「ククク・・・このジャック・アトラスのモノを咥え込んでおきながら考え事とは、余裕だな遊星。」
緩くだが腰を動かし遊星の中を刺激する。
「あっやぁ・・・動くな・・・」
中を擦られて感じてしまう。
しかも遊星にとって1番感じる所を攻めて来たのだ。
「やめ・・・ちが・・・」
一言言うのに間が開いてしまう。
「どうした?」
「オレは、寝ていた・・・はず・・・なのにどうして・・・」
こんな事になったのか?
気になる事を問えば。
「ああ・・・その事か。お前が気持ち良さそうに寝ていたのを眺めていたのだが・・・」
余りの可愛い寝顔に思わず顔中にキスをしてしまった。
それが擽ったいのだろ顔を僅かに振りだした。
未だキスをしたりないジャックは、遊星の顔を優しく固定すると唇に吸いついた。
触れるだけの優しいキスを何度もしている内にそれでは、満足出来ず舌を差し込んだのだ。
すると逃げると思われていた舌が熱く絡んでくるでは、ないか!!
舌を絡めている内に自身に熱が篭りだし我慢出来なくなった。
「遊星こんな所で居眠りしていると風邪を引くぞ。俺がベッドまで運んでやり温めてやろ。」と言ってジャックは、
遊星を横に抱え上げベッドに運びそのまま襲ったのだ。
そんな経緯を聞かされ遊星は、軽く眩暈を起した。
まさかそんな理由で襲われるなんて不可効力だと思うしかない。
「さて話しは、終わった。喜べ遊星!!お前の中に溢れんばかりにこの俺の精液を注ぎ込んでやろう!!」
声高等かに宣言するジャックだったが一方遊星の方は、その宣言に青褪めていた。
「お前のココも俺の精液を注ぎ込まれるのを『今か今か』と楽しみにしているだろうからな!!」
『違う違う』と言う意味で首を左右に振るが遊星だがそんな行動を見てジャックは、遊星が感じていると解釈し
緩やかだった腰の動きを少しずつだが早めて行った。
何度も感じる所を攻められ萎えていた遊星のモノも力をつけ自力で立ち上がり蜜を零し出す。
もうジャックの事しか考えられない・・・否寧ろジャックの事でさえ考えられない。
頭の中が真っ白な状態に陥る。
拷問とも思える程攻め続けられて遊星は、ただただ嬌声を上げるしかなくてジャックが止めるか自分が気絶する
しかこの行為に終りが在るとは、到底思えなかった。
+++
「・・・つ・・・」
どれけ行為に没頭したのかなんて解らない。
只、ジャックが終わる前に遊星が気絶してしまったのだ。
今は、とてつもない腰の痛みが遊星を襲っていた。
自分で見える範囲だが無数の鬱血痕。
行為の最中どれだけジャックに吸われていたのかが伺い知れる。
そして当の本人は、遊星の横でスヤスヤと寝息を立てて眠っている。
気持ち良さそうに眠るジャックに対し遊星は、彼の鼻を摘まみながら
(コイツが居る限り居眠りなんてするものか!!)
ソファの上で寝ていた事を後悔していたのだった。
「フン 遊星は、俺のモノだと言う自覚が足りん!!奴が寝様が寝まいがそんなの関係が無かろう!!
俺は、遊星とやりたい時にヤルのだからな!!」