Confession
バサバサ・・・ドサ・・・
「ジャックに聞きたい事があるの。」
いきなり人の家に上がり込み部屋へとやって来たのは、2歳年下の幼馴染みの不動遊星。
しかもまだ制服姿。
「何の用だ?」
ジャックを押し倒しジャックの腰を跨ぎながら座っている遊星。
制服のスカートから見えるスラリとした足。
ジャックは、上半身だけを起し今の状態を観察していた。
急いで来たのだろう遊星の息が少し上がっていてほんのりと頬を染めている。
(何とヤラシイ光景なんだろう・・・。これが情事だったら・・・。)
自身のオスが反応しそうになる。
(お前を俺だけのモノに・・・)
そうは、思うものの遊星とは、幼馴染みと言う立場から脱した事なんてない。
幼い頃は、何の恥じらいもなくキスをしたが年を重ねるにつれ恥じらう心が芽生えそんな事をしなくなった。
どんなに遊星の事を想っていても遊星にとって自分は、ただの幼馴染みでしかない。
遊星に嫌われたく無い大切にしたい気持ち故に手を出す事も出来ないで居た。
しかし今の光景は、そんな気持ちを無視して遊星を襲いたい気分にさせてくれる。
「今迄誰かを好きになり付き合った事あるの?」
そこまで言い切ると遊星は、ジャックから視線を外した。
何故遊星がそんな事を問うのか?
少しでも自分に気が在るのか?
「何故そんな事をお前が聞くんだ?お前には、関係無いと思うが。」
そう言われ一瞬だが蒼い瞳が見開く。
「そ・・・そうよね・・・ゴメン・・・」
そう言うと遊星は、ジャックの上から下りようとした。
「何があった?」
ジャックは、遊星が自分の上から下りるのを阻止する様に彼女の腰を掴んだ。
まだ見ていたいのだ。
そして感じて居たい彼女の重さと温もりを・・・。
「あっ・・・うん・・・ただ・・・」
学校で恋愛の話しになった時友達からジャックとの関係を聞かれたらしい。
だが何時も当たり前の様に傍に居た所為でジャックの事を深く意識した事の無い遊星。
友達に『もし彼女が居たら?』と聞かれジャックの傍に自分以外の女の人を想像した。
だが想像するにつれ何だか悲しさと胸苦しさと苛立ちを感じ次第に不安になって来た。
何故自分がそんな気持ちになるのか知りたかった。
もしかしたらジャックからの答えにその答えが隠れていると思ったのだ。
遊星の言葉にジャックも複雑な心境で居た。
自分の答え次第で遊星が自分の事をどう思っているのか解るからだ。
「お前は、自分の気持ちを知ってどうするつもりだ?」
「解らない・・・だって恋愛なんてした事無いし・・・ジャックが何時も傍に居るのが当たり前の様に思って居た
から・・・」
確かに特定の誰かを意識し恋愛に発展するなんて経験しないと解らない事だろう。
「それに傍に居るのが当たり前だと思っていても私は、ジャックが高校でどんな生活を送っているのかなんて
知らない。よくよく思い返したら私が知っているのは、ジャックが小さい時の事だけ・・・。大きくなったジャックの
事なんて何も知らない。」
それは、ジャックも同じで遊星の中学生活を知らない。
幼い時に比べて互いに知らない事が増えて来た。
「貴方が誰を好きになろうとも誰と付き合おうとも私には、関係なにのに・・・」
来た時は、明らかに態度が違う遊星。
ジャックから『何故そんな事をお前が聞くんだ?お前には、関係無いと思うが。』と言われた時自分の気持ち
に気が付いた。
自分は、知らない間にジャックの事が好きになっていた。
だから彼が他の女と一緒に居る所を想像した時、悲しさと胸苦しさと苛立ちを感じたのだ。
「あの・・・ジャック。腰・・・離してくれる?」
腰を掴まれていて動く事が出来ない。
それに幾ら男性経験が無いとは、言え冷静になってみれば今の自分達の恰好は・・・。
「断る。」
「!!・・・でも・・・」
「お前 今何を考えている?俺を押し倒した時とは、明らかに纏っている雰囲気が違う。それを答えろ。」
「!!」
「言えぬのか?お前は、自分の気持ちに気が付いたんじゃないのか?」
「!!」
「言うまでこのままだぞ?それでもいいのか。」
上半身を起した姿勢は、ジャックにとってキツイが遊星が気が付いた『自分の気持ち』を知りたかった。
「だったら私の質問に答えて・・・」
「お前からの質問・・・『今迄誰かを好きになり付き合った事あるの?』だったな。答えは、YESだな。
だが好きな相手と付き合った相手とは、別人だがな。」
「今も好きなの?今も付きあっているの?」
「ああ、今も好きだし付きあっている女も居る。」
「そう・・・」
元気無く項垂れる遊星。
(気が付くんじゃなかった・・・好きだって気が付いた途端失恋しちゃうんだもん・・・)
涙が溢れそうになる。
「・・・離して・・・」
「離さない。お前が気が付いた気持ちを聞いていない。」
「そんなの聞いてどうするの?」
「さぁな、聞いた後にどうするか判断する。」
(ジャックが聞いてもどうしようも無いのに・・・)
この場から離れたいのに。腰を掴まれていて離れる事が出来ない。
「・・・き・・・」
消え入りそうな小さな声。
それでもジャックには、ハッキリと『好き』と聞こえた。
その瞬間ジャックと遊星の位置は、入れ替わり遊星が床の上に寝転がっている。
そして激しき奪う様なキスをされた。
誰かを好きになって初めてキスをする。
甘い時間だと友達に聞いたのに甘さなんて感じない。
急に歯がぶつかる様なキスをされ痛いのと吐息まで奪われる様な激しさに酸欠を起し眩暈を感じた。
息苦しさから遊星は、キスから逃れ様とするが許さないと言わんばかりに顔を固定され貪られる。
どれだけキスをしていたのかなんて解らない。
離れる頃には、ジャックも遊星も荒い息を吐いていたから。
「・・・どうして・・・どうして・・・こんな・・・」
「お前が『好き』と言うから自制が効かなくなった。」
「!!」
そう言いながらジャックは、遊星の躰を弄りだした。
今の遊星は、両足を開いてその間にジャックの躰を挟み込んでいる。
「やめて!!やめて・・・好きな人居るんでしょ・・・付き合っている人・・・居るんでしょ・・・」
「ああ、居るとも・・・だが付き合っている女とは、別れる。お前が手に入ればな。」
「嫌よ。離して・・・」
際どい所まで捲れ上がったスカート。首筋に感じる熱い吐息。
遊星からの告白に抑えが効かなくなっていた。
好きな相手からの告白。諦めていたのに思わぬ形で聞けようとは・・・。
「ジャック!!」
だが泣きそうな遊星の声にジャックの動きが止まる。
「遊星・・・」
涙を浮かべている遊星。
大切な人を傷つけてしまった事に気が付く。
ジャックは、優しく遊星の髪を梳きながら触れる様なキスを繰り返す。
「すまない。聞けないと思っていたお前からの告白が嬉しくなって。」
「嬉しいって・・・好きな人が居るんでしょ?」
「ああ」
「付き合っている人居るんでしょ。」
「ああ、だが別れる。お前が俺の女になるんなら」
「? 何故私が貴方の女になったらなの?そんなの関係無いじゃない。」
ジャックの言葉の裏に隠された告白に遊星は、気が付いていない。
今日になって自分の気持ちに気が付いたのだから仕方が無いのかもしれない。
「俺は、お前の事が好きだったんだ。ず〜と手に入れたいと想っていた。」
「!!」
「だがお前には、未だ早いと思っていた。だから言わなかった。」
本当は、遊星の中で自分は、只の幼馴染みであってそれ以上に発展する可能性が無いのでは?と言う気持ち
が在った。
だから言えなかったのだ。
「じゃ貴方が好きだと言う相手って・・・」
「お前の事だ。」
「でも付き合っているって・・・。」
「俺が告白して付き合っている相手じゃない。向こうから告白して来たんだ。お前が手に入る確率なんて無いと
思っていたしもしお前が手に入った時、何か役に立つ事でも在るんじゃないか?と思ったんだ。」
もし遊星と付きあった際、女の子がどんなモノを貰って喜ぶのかどんなお店に連れていけば良いのかそれをシミュ
レーションしていたのだ。
それに長年遊星の事だけを想っていたのだ。他の女なんて興味も無い。
「別れるって・・・」
「お前が俺の女になったらもう付き合っている意味なんて無いからな。」
「好きでも無いのに付き合うなんて・・・」
一瞬酷い男だと思ったがその人とジャックが別れる切っ掛けを作ったのは、自分なんだ。
ジャックだけを酷いとは、言えない。
「相手の女には、悪いと思うが俺が好きなのは、お前だけだから二股なんてかける事なんて出来ない。」
とうとう零れた涙。
「ゆっ遊星!!」
その涙を見て焦るジャック。
泣かせる気なんて無かったのにどうすれば良いのか解らない。
焦ってしまう。
「泣くな!!」
「私の事・・・好きって本当?」
「何度も言わせるな。お前が俺の女になるって事は、俺の恋人になるって事だろう。」
「でも・・・好きって言う意味だと気が付かないよ。」
今迄誰とも恋愛した事が無いのに。
告白するのもされるのも今回が初めてなのに。
自分の気持ちで手いっぱいなのに・・・。
それなのに気付ける筈が無い。
「・・・もう1度言う俺は、お前が好きだ・・・お前ももう1度俺の事をどう思っているのか言え。」
「えっ・・・あっ・・・その・・・好き・・・貴方の事が好き。」
「俺の女になると誓え。」
「えっ・・・ちっ誓います。」
そこまで言わされ遊星の顔が限界と言わんばかりに真っ赤になる。
「上出来だ。これでもう我慢しなくて済む。」
「我慢って・・・」
「お前が俺の女になるまで手を出そうかどうか迷っていたがお前が俺の女になった以上手を出しても構わないと
言う事だ。」
そう言うとジャックは、遊星の躰を再度弄りだした。
「!!」
セーラー服の前を左右に開くとキャミソールが露になる。
ふっくらと膨らみ丸みを帯びた胸。
触れてみると柔らかい。
何度夢に見た事だろう。
そしてジャックの女になる意味を知った遊星は、恥ずかしくて恥ずかしくて仕方が無い。
見なくても解るジャックの視線を・・・。
「お前のこんな姿をどれだけ見たかったか。まさか本当に見れるとは、思ってもみなかったぞ。」
「私とこんな事したかったの?」
「こんな事だけじゃない。お前といろんな事をしたい。これは、その中の1つにしか過ぎない。」
「私だけを好きで居てくれる?」
「勿論。お前が俺の女になった以上今付き合っている女とは、別れる。」
「ねぇジャック教えて今迄付き合って来た人ともこんな関係を持った事あるの?」
どうしてそんな事を聞くのだろう?そんな事聞いて何になるのだろう?
自分の口を吐いて出た言葉に遊星は、驚いていた。
もし関係を持っていたとしてもそれは、過去の事でしかないのに・・・。
「関係を持った事なんてない。好きな女以外興味が無いからな。」
「じゃ・・・ジャックにとって私が最初の女性なの?」
「そうだ。そう言う遊星は?」
「そんなの聞かなくても解るでしょ?」
誰かと付き合った事なんてないのだ当然こんな行為なんて在るはずも無い。
「そうだな。だがセックスフレンドと言うのもあるぞ。」
紫の瞳を細め口角を上げ楽しそうに話すジャックに
「疑っているの?」
不機嫌そうな遊星。
「疑っていないさ。お前の性格からにしてそんな事出来ないのは、この俺が良く知っている。」
そう遊星の性格なら解りすぎる程解っている。
だから悪戯したい気持ちが芽生えるのだ。
彼女の困っている顔が見たいから・・・。
「雑談は、終りだ。行為の続きをするぞ。」
休めていた手を動かし行為に没頭する。
この後は、2人だけの時間。
2人だけが知る世界。