知能(ジャク遊編)


「・・・でね。知能が高かったら食べては、ダメで知能が低かったら食べてもいいだなんてど〜も矛盾していると思うのよ。

ジャックは、どう思う?」

「貴女ねアトラス様にそんな変な質問しないで。知能が高いと言うのは、特別なのよ。」

「この世界に生きている以上同じだと思うんだけど。」

睨みあうカーリーと狭霧。

そんな2人を他所にジャックは、珈琲を啜りながら。

「俺は、知能が高かろうが低かろうが食べたいモノは、食べる。それだけだ。」

「流石〜ジャック。」

「アトラス様〜。」

高低差の有る2人の声を他所にジャックの視線は、ブルーノと一緒にDホイールを弄る遊星の姿を見ていた。

高名な不動博士の遺伝子を受け継ぐ不動遊星の姿を・・・。

 

 

その夜---

 

「そう言えば昼間カーリー達と何を話していたんだ?」

クロウとブルーノは、別の場所で共同生活をしている。

だから今部屋に居るのは、ジャックと遊星のみ。

皮の手袋を外しテーブルの上に置きながら訪ねてくる遊星にジャックは、

「くだらん話しだ。知能が高いと食べては、ダメで知能が低いを食べても良い・・・と言うな。」

淡々と答えた。

ただし自分の腕を伸ばし大きな掌で遊星の頬を撫でながら。

それが気持ち良いのか遊星は、その手を払い除ける様な事は、しないで自分からその手に頬を擦り寄せて行く

そして誘われるかのようにジャックの傍に歩み寄る。

柔らかいモノが顔中に押し当てられる。

「お前は、何て答えたんだ?」

ジャックの答えそうな事ぐらい想像出来るがついつい聞いてしまう。

「『俺は、知能が高かろうが低かろうが食べたいモノは、食べる。それだけだ。』そう言っただけだ。」

想像通りの言葉に遊星の口角が上がってしまう。

それを見たジャックは、

「何がオカシイのだ?」

訝しい顔をすると

「お前らしい答えだと思ったんだ・・・ん・・・」

遊星の唇に自分の唇を押し当てる。

背中に感じるジャックの掌。

背骨を伝い中指で尾骨を刺激してくる。

「・・・ん・・・ん・・・」

尾骨は、遊星の性感帯の一つ。

刺激されれば感じるのだ。

 

ジャックが何を求めているのか解っている遊星。

だから拒まない。だから受けいれる。

それは、自分も求め居ている事だから。

ジャックの唇は、遊星の唇から離れて顎を軽く噛んで咽へと移動して行く。

「・・・あっ・・・ジャックまって・・・」

「ん?」

咽元に感じる湿った感触。

「シャワー浴びたい。D・ホイールを弄った後だから両手が油で汚れているし躰も汗と埃まみれ・・・」

ジャックにキスをされている間遊星は、ジャックに抱きつかなかった。

それは、彼の衣服を汚すから。

ジャックが着る服は、白が多いから。

「そうだな清められたお前を頂くのも・・・イヤこのまま風呂場でお前を頂くとしよう。」

そう決めるとジャックは、遊星の腕を掴んでシャワールームへと向かった。

 

 

 

+++

 

「はぁ〜ん・・・あっ・・・」

グチュグチュと言う音は、水音にかき消されているが遊星のジャックを感じる声まで消す事が出来ない。

突き上げる度に揺れる遊星の躰。

貪欲なまでにジャックのモノに絡み付く内肉。

「そんなに俺に突かれて気持ちが良いのか遊星。」

「あぅ・・・あぁぁ・・・きっ気持ち良い・・・」

「お前より知能が劣る俺にその身を食われているのだぞ?」

デュエリストとしての強さなら自分の方が上だと自負しているが頭脳の面で言えば遊星の方が上なのだ。

(『知能の高いモノ(遊星)』を食べる事がイケナイ事なら飢えてしまう。)

『知能が高かったら食べては、ダメで知能が低かったら食べてもいいだなんてど〜も矛盾していると思うのよ』

カーリーが言った言葉がジャックの脳裏に木霊する。

(なら遊星が俺を食らう事は、許されているとでも言うのか?)

遊星は、ジャックを攻める事なんてしない攻めたとしてもそれは、受け入れる為。

(ああ・・・そうかお前は、俺の精液を食らっているのだな。)

自分が遊星の躰を食らうのと同じで遊星は、ジャックの放ったモノを食らっている。

お互い様なのだ。

「はぅ・・・ふぁ・・・ああぁ・・・ジャック・・・」

「ん?」

「・・・何考え・・・」

『何を考えている?』と訪ねられ。

「淫らなお前を前にしているのだ。お前の事以外ないだろう?」

そう遊星の事以外考えていない。

「遊星 お前の中にたっぷりと俺を注いでやる。」

「ああ・・・ジャックのでオレの中をイッパイにして・・・」

そう言うとジャックは、激しく遊星を突き上げる。

 

ドクッ・・・

ドクドク・・・

遊星が放ったモノは、シャワーによって洗い流されたがジャックが放ったモノは、遊星の躰の中で熱く内壁にかけ

られた。

「あつい・・・ジャックの・・・イッパイ・・・オレの中に・・・」

「ああお前の中に俺の精子を注いでやったぞ。」

知能が高い遊星を犯す事が出来るのは、自分だけそれなのに・・・

「遊星お前は、誰に抱かれたい?この淫乱な躰に誰の精子を注いで欲しい?」

そんな言葉を耳元で囁けば遊星は、躰を身震いさせながら。

「何でそんな事・・・聞く?オレは、後にも先にもジャック以外・・・した事ないのに・・・」

「そうだな。だがお前が抱かれたい精子を注いで欲しい相手と俺が一緒とは、限らんだろ?他の誰かに抱かれ

注がれたいと思っているかも知れんからな。」

「オレを疑うのか?」

潤んだ瞳で見つめられる。

『ジャックだけ・・・ジャックだけがオレを無茶苦茶出来る。』

と訴えている。

解っている。遊星が自分だけのモノだと言う事が。

「お前のこの口で言ってもらいたいだけんだが。」

唇を指でなぞれば遊星は、軽くその指を噛み舌先で舐めながら。

「意地悪。オレを抱く事もオレの中を満たす事も出来るのは、ジャックだけなのに。

どうしてそんな意地悪を言うんだ?」

『知能が高いモノは、食べてはダメで知能が低いのは、食べてもいい・・・』

そんな言葉をジャックは、思い出した。

「お前は、俺より知能が高い・・・」

「?」

「それだけだ。」

「解らない。でもデュエルにおいてその知能は、お前の方が高い。オレは、お前に1回勝つのに何回負けた?」

「さぁな。そんな事覚えてない。」

遊星は、ジャックの鼻先を軽く噛みながら

「数えられない程負けた。オレは、お前に勝ちたくていろんな戦術で挑んだのに悉く粉砕されたんだ。それは、

お前が無意識の内に相手を上回る戦術を考えていたからだ。シティにおいてお前が無敗を誇れたのもお前が

無意識の内に戦術を考えていたから。」

「それで?」

「それだけお前の知能が高いと言う事だ。只単に戦術を考えるのは、誰にでも出来るがその戦術が必ずしも

勝利へと導くモノとは、限らない。無意識とは、言え勝てる戦術をたて実際に勝てている以上その知能が高い

証だと思う。」

口下手な遊星なりに告げる言葉の意味にジャックは、気が付いた。

自分と遊星とでは、脳の使い方が違うのだ。

「ククク・・・お前に気付かされるとは・・・」

笑いが零れる。

「お前がやけに知能に拘わるから部屋で言っていた『知能が高いと食べては、ダメで知能が低いを食べても

良い・・・』が関連しているのだと思った。」

「ほぅ〜あんな言葉を覚えていたのか?」

他愛の無い会話の中で言った一言。

それを遊星は、覚えていたのだ。

「大事な事を気付かせてくれたお前に何か礼をせねばならんな。」

「だったらお前をもっと欲しい。オレの中がお前でイッパイにしたい。」

露骨な誘い。

しかもその言葉の通り遊星の中は、ジャックから全てを絞り取ろうとしているかのように煽動しながら締めつけて

来る。

それが気持ち良い。

「お前から強請るなんて珍しい。それがお前の望むモノなら応えねばならんな。」

「もう一つ要望を言えばココじゃない場所でシタイ。」

「解った。」

そう短く答えるとジャックは、繋がったまま遊星を抱え上げて寝室へと向かう。

そこで遊星が望むまま躰を重ねあわせた。

 

 

知能の高い(遊星)を食する事が出来るのは、同じ知能の高い(俺)のみ。

だれにもコイツを食わせるわけには、いかない。


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