再会


ボマーが見た(正確には、紅蓮の悪魔が見せていたのだが)予知夢によってナスカの地に来ていたジャックと

遊星。

紅蓮の悪魔に使え僕とのデュエルの果てに紅蓮の悪魔を封印・吸収したレベル12のスカーレッド・ノヴァ・ドラゴン

を手にした。(レッドデーモンズドラゴン+チューナモンスター2体を使用)

パワーだけじゃない持てる全ての策をこうじて闘う術をも手にした。

その勇姿を遊星に見せる事が出来満足気味だったジャック。

遊星が新たな力『クリアマインド』を手にした事による焦りとチーム・ユニコーンでのデュエルに自分のデュエルスタイル

に限界を感じていた。

大切な者を守りたいそのために力を手に入れられるなら・・・焦っていたのかもしれない。

そこを紅蓮の悪魔の僕に着け入れられ遊星達を危険な目に遭わせてしまった。

愛する者を命がけで守りたい・・・。

それに合わせて出現したバーニングソウル。

 

 

遊星は『クリアマインド』

ジャックは『バーニングソウル』

それぞれの力を手にしてナスカの地を走行していると見た事の在る地上絵。

ウィラコチャラスカとウル。

 

「兄さん 遊星ですよ!!約半年ぶりですね。・・・って・・・兄さん」

眉間の皺を寄せてジャックと遊星を見ているルドガー。

「何故 遊星は、あのような男を選んだのだ?金銭感覚が無い上に脳の柔軟性が無い。己の力を過信しすぎ

ている。」

「金銭感覚が無いのは、仕方が在りませんよ。サテライトから急にシティのトップスに住み。あれよあれよとお鐘

が入って来たら金銭感覚だってズレます。それに遊星は、案外ジャックの様な強引な者が好みなのかもしれま

せんね。」

「これでは、生活苦に陥るは必死。遊星に見合った男がまだ居る筈。」

「でも同じシグナーなんだから・・・それに何故遊星の恋人が男なんです?博士の遺伝子を残すなら遊星の

恋人は、女の方が有利じゃないですか?」

「・・・」

確かにレクスが言うように博士の遺伝子を残す事を考えるなら女の方が利に叶っている。

「遺伝子を残す事を考えるのなら女の方が良いだろうが今は、遊星の恋愛の話しをしているのだ。」

全くの別問題だと言うルドガー。

(ああ・・・そう言えば兄さん達の関係もそうでしたね。)

兄は、不動博士の恋人(愛人の間違いじゃ・・・)で不動夫人は、博士の妻にして唯一遺伝子を残す事を

許された存在。

「しかし・・・遊星に吊り合う女なんていたのか?」

「シグナーの中に遊星と年の近い十六夜アキが居ます。年齢は、16歳で以前まで『黒薔薇の魔女』と呼ばれて

いたサイコデュエルを行う少女が居ます。」

「サイコデュエル・・・」

「ええ、ミスティと対戦したシグナーです。」

そう言われダークシグナーVSシグナー戦でミスティと対戦していた相手を思い出す。

確かに見た目綺麗な少女が居たように思えるがルドガーの頭の中は、遊星とのデュエルでイッパイだった為全く

覚えてなかった。

「では、その少女は遺伝子を残すためのキープとして必要な存在だな。」

「兄さん・・・普通少女の方が恋人なんじゃ?」

「フン、博士の息子で在る以上男女の区別なんて無いに等しい。」

「えっ・・・あっ・・・そうなんですか・・・」

確かに博士は、男女を区別していないところも有ったが・・・そんな所まで遺伝するモノなのだろうか?

疑問を抱くレクス。

「しかし、兄さん遊星がジャックを選んだのなら仕方が無い事でしょ?あまりアレコレ言っていると嫌われますよ。」

その言葉に一瞬ビックとしたルドガーだったが

「遊星に嫌われるのは、いたし方無いが博士に嫌われるのは・・・。」

(誰も博士に嫌われるなんて言ってないのに・・・でも遊星に嫌われる覚悟は、有るんだ・・・)

「兄さん遊星だって理由が解れば嫌いませんよ。だって遊星は、我々にとっても可愛い息子みたいな存在なん

ですから・・・寧ろ遊星とジャックの関係を認めて・・・って・・・兄さん・・・?」

フルフル震えるルドガー

「遊星が我が息子・・・そんな事を考えた事も無かった。我が息子だと言うのなら断然あの様な甲斐性無しを

恋人だなんて許せるワケがなかろう!!」

「あ〜もう・・・兄さんの石頭!!遊星が良いと言うのなら良いじゃないですか!!それにあの2人は、肉体関係

も有るんですしぃ〜」

「にっ・・・肉体関係だと・・・大方あの男が強引に遊星を手籠めにしたんだろう!!」

「もう・・・兄さん・・・合意の上です。貴方は、遊星を見守って来たんでしょ?何を見てたんです?」

兄が陰から遊星を見守ってきたのは、知っているが何を見ていたのか謎が多い。

「そっそれは・・・」

知っていても口に出せるワケが無く口篭ってしまう。

「第一 遊星は、不動博士の遺伝子を受け継いでいるのです。その遺伝子がジャックを認めたのです。博士

の遺伝子が認めた相手を否定すると言う事は、博士が認めた相手を否定しているのも同じ。兄さんは、博士

が認めた人間の1人ですよね?自身を否定するつもりですか?それにジャックは、金銭感覚が乏しいですが

命がけで遊星を守っているじゃないですか?誰かサンは、ダークシグナーになって博士の命を奪いましたが・・・」

「うっ・・・」

事実なので言い返しが出来ない。

1番言われたくも聞きたくも無い言葉を実の弟に言われ聞かされるとは、流石に堪える。

「じゃ 遊星達の関係を認め2人の幸せを見守ってあげましょう。」

「・・・わかった・・・」

未だに認めたくないが自分に出来なかった事をジャックがしたと言う事実は、認めざる得ない。

「兄さん そんな事だと博士に嫌われますよ?」

「ぐっ・・・それは・・・遊星の幸せの事を考えるなら認めたくないが・・・博士には・・・」

嫌われたく無い。

苦悩する兄。

 

(ああ・・・兄さんスミマセン。背後で不機嫌な博士が仁王立ちでコッチを見ています。)

逸早く博士の存在に気が付いたレクス。

ジャックと遊星の事が気になって博士の存在に気が付かないルドガー。

2人の会話を一部初終聞いていた不動博士。

 

この後どうなるかは、また今度・・・


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