内緒・内緒-8-


最近ジャックの帰宅が遅い・・・

 

 

『アトラス先輩に恋人が出来た。』噂だけど小耳に挟んだ内容。

真実かどうかなんてジャックから聞いた事なんてない。

事実で有れ嘘で有れジャック自身の問題・・・そう自分に言い聞かせていた。

それに自分の目で確認したワケでは、無いのだ。

そう確認したワケでは、無い。確認したいワケでは、無い。出来る事なら確認したくない。

そう思っていたのに運命の神様は、意地悪だ思った。

「あれってアトラス先輩とシェリー先輩じゃない?」

シェリー・ルブラン・・・

綺麗なロングの金髪を持つ学園きっての美少女。

自分の美しさを鼻にかける事無く誰にでも対等。

ただ言葉使いが幾分男に近いのがたまに傷と言うかそう言う所が誰からも好かれる要因なのかもしれない。

 

2人が居るのは、駅前のファーストフード店・・・。

4人掛けのテーブル席なのに向かいあわず横に並んで座っている。

何時かテレビで言っていたけど新蜜な関係に有れば有るほど互いが近くに座ると言う。

横に並んで座る2人を見ていて遊星の胸が痛んだ。

「あの2人って何時から付き合っているのかな?遊星何か知らない?」

「だって遊星ってアトラス先輩と仲良いでしょ?」

「・・・っえ?」

仲が良い・・・そんな言葉で片付けられない関係なのだが。

「だって遊星ってアトラス先輩とデュエ友じゃない?何かそんな話しにならなかったのかなぁって・・・」

「ゴメン・・・そんな話しした事無いんだ。」

「そうなんだ。」

「でもアトラス先輩もただの男なんだなぁ」

「やっぱり美人に弱いとか?」

「遊星とくっついてくれたらいいのに・・・だって美男美女なんて絵になって当然だけど遊星みたいな平凡な子

が美男子とって面白いじゃない?」

「私には、デュエルがあるから男なんて興味無いよ。」

(そう私には、デュエルが有る・・・ジャックなんて・・・ジャックなんてただの義兄でしかない。)

でも同じ家に住んでるのに1度もそんな話しをした事が無い・・・。

ファーストフード店で仲良く語りあう2人。

見ているのが耐えられなかった。

 

 

 

 

その夜・・・

時計の時刻は、8時を指そうとしている。

最近ジャックの帰りが遅い原因が今日解った。

テーブルの上には、ジャックの分の夕飯。

「ジャックの分まで作っちゃったよ・・・食べないんなら連絡ぐらいしろ・・・」

呟く言葉。

ジャックの帰りが遅くなってから共に夕飯を採ってない。

1人きりの寂しい食卓。

遊星は、ジャックの分にラップをかけ冷蔵庫にしまった。

自分の食器を洗いそのまま風呂場へ。

ゆっくりと湯舟に浸かる。

ジャックの帰宅が遅くなってからゆっくりと過す時間が増えた。

何か有るとジャックは、遊星に近付き甘えたり関係を求めて来る。

お風呂を堪能した遊星は、頭からバスタオルを被ったまま玄関へ。

戸締りを確認する為に向かう。

ジャックが帰って来てないので内鍵を掛けるワケには,いかない。

ノブを持ち鍵の確認をしようとした時ロック解除の音が聞こえる。

開かれる扉。そこから見えた姿は、遊星の義兄ジャック・アトラスだった。

 

玄関で遊星の姿を見たジャックは、

「出迎えてくれるなんてこんなに嬉しい事は、無いぞ!!」

嬉しそうにしているが

「戸締り確認しようと思っていたの。戸締り出来ないから早く内に入ってくれる?」

少し俯き加減で不貞腐れた様に言う。

「あっ・・・すまない・・・」

何時もと様子が違う遊星に戸惑うジャック。

「何ぼっさっているの?早く上がれば?」

そう言うと遊星は、サッサとリビングに入って行く。

遊星の後を追う様にジャックもつられてリビングへ。

「遊星・・・その・・・遅く・・・」

「デートで遅くなるのは、仕方が無いとしても夕飯要るのか要らないのかそれぐらい連絡しなさいよ。」

ジャックの弁解を聞く気が無いとでも言わんばかりに遮る。

「デートって遊星・・・どうしてそれを?」

否定しないジャック。遊星の胸は、痛み出す。

「噂になっているし今日見たから・・・」

ジャックの顔が強張る。

だがそんなジャックの表情なんて遊星は、知らない。

何故ならジャックが立っているのは、遊星の背後。遊星から見えないのだ。

「夕飯・・・明日から連絡してよね。」

言いたい事言い終えた遊星は、俯きながらジャックの横を横切り自室へと向かおうとしたが通り過ぎる時

ジャックに腕を掴まれ抱き寄せられる。

「ちょっ・・・離して・・・」

「遊星、俺の言葉を聞いてくれ。」

抱きしめた遊星の躰から香る石鹸の良い香り。

その香りにジャックのオスが反応してしまう。

「義妹を抱きしめながら何を固くしているのよ。そんなの恋人にしないさいよ。」

ジャックの熱を感じながらも遊星の脳裏には、シェリーの姿が思い出される。

「・・・!!・・・やっやめ・・・」

激しく抵抗しだす遊星。

ジャックとシェリーが抱きしめあいキスをする行為が浮かんだのだ。

恋人同士なら当然の行為。

「遊星!!」

激しく抵抗をする遊星をそれでも抱きしめようとするジャックだが互いにバランスを崩し床の上に倒れ込む。

「おい!!大丈夫か?」

ジャックの下敷きになっている遊星。

さっきより顔が近い。

「!!・・・遊星・・・」

立っている時には、タオルで顔が隠されていて気が付かなかったが遊星の蒼い瞳が涙で潤んでいた。

「何処かぶつけたのか?」

タオルを取り去り遊星の髪や顔を撫でる。

「・・・大丈夫・・・ジャック重いからどいて・・・」

「イヤだ・・・」

遊星の顎を掴み顔を固定すると唇を重ねる。

啄む様なキスから次第に濃厚なキスへと変わる。

「シェリー先輩ともしているのでしょ?だったら私なんかにする必要なんて無いじゃない?私は、性欲の捌け口

じゃない・・・」

「俺は、1度もお前をそんな風に見た事が無い。」

愛しい者を目の前にジャックの鼓動が早くなる。

愛しい者から聞きたく無い言葉に耳を塞ぎたくなる。

どうすれば自分の想いが伝わるのか?

どうすれば自分のモノになるのか?

「遊星お前を抱きたい・・・」

「そんなの彼女に頼めばいいじゃない。」

「お前以外の女としたくない。俺は、お前以外の女に反応しない。」

言葉の合間にパジャマの前ボタンが外されジャックの手が柔らかな遊星の乳房を揉みだす。

「やめ・・・」

「俺を拒むな。」

「じゃっく・・・」

何処か悲しそうな表情。ジャックにそんな表情をされて遊星は、抵抗するのを躊躇う。

 

 

 

柔らかな乳房に触れ唇で感触を確かめる。

飾りを舐め口に含み吸い上げる。

この柔らかな乳房に触れ口付けられる男は、自分だけ。

自分だけに与えられた特権なのだ。

そして熱く熱せられた内肉に楔を打ち付けられるのも自分だけに許された行為なのだ。

楔に絡みつく熱い内肉に酔いしれる。

気持ちがいい。

SEXなんて遊星以外の女としたいなんて思った事は、無い。

遊星だからSEXがしたいのだ。

遊星だからキスがしたいのだ。

どうすれば遊星に自分の気持ちが伝わるのだろう?

言葉で告白してもきっと遊星に受け流されてしまう。

だったらどうすれば遊星に自分の想いが伝わるのだろう?

想いが強すぎて八方塞がり。

 

組敷かれ突き上げられる遊星にしたって同じ。

ジャックの事が好きで仕方が無いのに自分の気持ちに素直になれないる。

遊星の心を束縛し素直にさせないでいるのは、自分と彼が義兄妹である事。

その関係が遊星を固くなにさせている。

もしその関係が無かったらきっと素直に彼の元に居られたかもしれない。

だが彼の傍に居られる確率なんて今以上に無いかもしれない。

彼に見向きなんてされないかも知れないのだ。

ジャックとの微妙な関係。

ジャックに抱かれる事に対して抵抗なんてない。

もっと彼に抱かれたい。

拒みたいワケじゃない。

もっと熱を感じたい。

 

ジャックに抱かれている最中でも遊星の心に浮かぶのは、シェリーの存在。

彼女は、何の障害も無くジャックと恋人関係で居られる。

彼女がジャックの恋人で有る以上キスだってSEXだってするだろう。

自分とジャックのこれからの関係は、どうなるのだろう?

 

胸の中で芽生える悲しい想い。

それを口に出す事なく行為だけが進む


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