王様の苦悩


――
2月14日――

まさか相棒からのメールがきっかけで海馬の家に泊まる羽目になろうとは・・・

昼食を外で済ませ
てっきりそのまま会社に戻って海馬は、仕事をし
その間オレは開発部に行き新しく製作中のゲームのモニターでもするとばかり思っていた。
実際今迄そうして来たから・・・

なのに今日に限っていろんな所に引っ張りまわされ今迄見た事の無いモノを見たり触れたりして世間一般で言うところのデートと言うヤツを体験した。
今迄に相棒達とは感じたこの無い気持ちを胸に抱いて・・・
自分の感情を上手く言えないが
胸元が温かくなると言うか締め付けられる様な感じがすると言うか・・・
何だか甘い感じがした様に想える

海馬邸で夕食を取り
その後 海馬の書斎で寛ぐ
「遊戯 何か飲むか?」
内線用の電話に手をかけながら尋ねてくる

そう言えば海馬のヤツ 食後にコーヒーとか何時も飲んでたよな

自分も海馬邸で夕食を終えた後 蜂蜜入りのハーブティをかを飲んでいたのを思い出し頷くと海馬は、電話の相手に指示を出し遊戯の傍に来る

海馬にとって嬉しい日だったらしく終始御機嫌の様子

俺がたった一人とは言え誰かを想うとは・・・
こんな感情が自分の中に在った事自体驚きなのにまさか遊戯をこの俺の事を想ってくれていたとは
それがこれ程まだに嬉しいとは・・・

自分の感情に驚いている一方 遊戯は、気が気で無かった。
何時もは向かい合わせで座っている相手が今日に限って隣に座っているのだ
しかも上機嫌・・・
顔が次第に赤みを挿していくのが自分でも解る
心の中で<紅くなるな!!紅くなるな!!>と呪文のように唱えるが
唱えれば唱えるだけ隣の男の事を意識してしまい紅くなる一方・・・

遊戯 貴様がそんな表情すればする程 抑えているあらぬ想いが俺の中を駆け巡り貴様の総てを欲してしまう

瞳を潤ませ身を捩り嬌声を上げあられもない姿を晒す遊戯・・・
しかも自分の愛撫によって
そんな遊戯を幾度無く夢見ただろう

心ここに在らず状態の海馬・・・遊戯は不思議そうに眺めながら
「海馬?どうしたんだ?」
急に声をかけられ我に返ると
「メイドさんがコーヒーを持って来てくれたぜ」
「ああ・・・」
可愛く小首を傾げる遊戯・・・
遊戯は、マグカップに注がれている液体の匂いを嗅ぎながら
「何だか甘い匂いがするぜ」
そう呟き一口飲むと
「甘い・・・まるでチョコレートを飲んでるみたいだぜ」
「ククク・・・そうか甘いか・・・それは、ホットチョコだ」
「ホットチョコ・・・」
飲んだ事の無い飲み物
「気に入ったのか?」
コクンを首を立てに振りながら美味しそうにゆっくりと飲み干す

コトン・・・マグカップをテーブルの上に置く
「御馳走様」
そう言いながら唇から小さな舌の覗かせ口の周りを舐める

そんな仕草に欲情する
口の端に着いたチョコを舐めてやる

甘い・・・

「えっ!!ちょ・・・海馬!!」
慌てふためく遊戯だったが海馬は、ゆっくりと自分の唇を遊戯のに重ね
感触を楽しむかの様に遊戯の唇を啄ばみ
歯列をなぞり頬肉舐め上げる
抵抗し様と口を少し開けた瞬間海馬の舌が遊戯の口腔内に進入
脅え逃げる遊戯の舌に自分のを絡ませ吸い上げる

キスなんてテレビでしか見た事が無い
何が何だか解らない状態のままソファに押し倒される

やぁ・・・かいば・・・
何でこんな事・・・キスなんて好きな者同士がするんだろ?
オレ・・・海馬の気持ち知らないのに・・・まだ答え聞いてないのに

昼間 遊戯は、海馬に告白をしたが海馬から返ってきた答えが<貴様の気持ち確かに受け取ったぞ>だった。
まさかこれが海馬からの答えだと気が付いて無い遊戯
それ故に今 海馬がしている事に抵抗する
「何故 抵抗するんだ?」
不思議そうに尋ねられ
「オレ・・・まだお・・・前の気持ち聞いて無い・・・」
上がる息のまま言うと海馬は、驚きの余り蒼い瞳を見開いた。
まさか伝わって無いとは、思いもよらなかったからだ

クククッ・・・コイツと居ると本当に面白いし
それにコイツのいろんな面を発見できる度に嬉しいと感じてしまう

海馬は、遊戯の耳元で囁く様に返事をする
くすぐったい感じは、するものの海馬からの返事
それを聞き逃さない様に神経を集中して聴く
「かいば・・・本当なのか?」
「ああ・・・本当だし本気だ
貴様が俺から逃れ様としても逃しはしない覚悟しておくんだな」
「お前こそ覚悟しろよ」
互いから漏れる笑み
優しく海馬から施されるキス
「本当は、もう少し時期を見てから・・・と思ったんだが
どうにも我慢出来ない
今直ぐ貴様の総てを俺のモノにしたい」
「総て?」
「貴様の心も身体も・・・
その魂でさえ俺のモノしたいんだ」
驚いた表情を見せつつも遊戯は自分の腕を海馬の首に絡ませ
「いいぜ・・・お前にオレの総てを差し出すぜ
その代わりお前もオレに総てを差し出せよ」
「ああ・・・いいだろう」
自分の首に抱き付く遊戯を抱き上げるとそのまま隣の寝室に連れて行く


きっと遊戯は、この後何をされるのか気が着いて無いだろう
この無垢な心と身体と魂に自分を刻み付ける
俺から離れられない様に・・・








「ファァァ・・・んんん・・・」
小さな身体から汗が吹き出し伝い落ちる様の何と美しい事か
身を捩り嬌声を上げる様が更に海馬を煽る
強く腰を打ち付けると挿入口をキツク締め上げられる
海馬のモノをドロドロに滲み出す体液が絡み付き煽動し快楽を与え続ける
「くっ・・・」
まさか自分がこの行為でここまで感じさせられるとは・・・

遊戯のあまりの感度の高さに<既に誰かに抱かれたのか?>と言う疑惑の心があった。
だがそれは、俺の思い違いで遊戯自身紛れも無く処女
挿入時の痛がり様やこの締まり具合・・・玄人なら痛がるぐらいの芝居は出来てもこの締まり具合までどうする事も出来まい


遊戯の中で膨張するソレに内壁を擦り上げられ感じすぎて苦しくて仕方が無い
「あんんん・・・・はぁ・・・かぃ・・・あああぁぁぁぁ・・・・」
硬く閉じられた瞳から流れ出す涙
熱い吐息と雑じって自分の名前を呼ばれる
その度に背筋を駆け抜けるモノに嫌な気はしない
「あっやぁ・・・もう・・・」
イキタイのだろう締め付けも先程よりキツクなってきた。
「遊戯・・・イキタイのならイケ!!」
律動を激しくし遊戯を追い詰める
程なくして遊戯から放たれた白濁の液体が海馬の腹にかかるのとほぼ同時に
遊戯に腸内に飛び散る熱いモノ
遊戯は、それを感じつつも意識が遠退いてく
精を遊戯の内に吐き出した海馬は、遊戯の身体の緊張が解れて行くのを感じる
「意識を飛ばしてしまったのか・・・」
初めてなのだから仕方が無いと思いつつもまだ満足していない自分に少し呆れてしまう
「遊戯 早く起きろ俺は、まだ貴様を感じたいんだ」
きっと遊戯がこの眠りから覚めるのは、朝だろう・・・
それまでは、貴様の内の温もりを感じさせてもらうぞ

チョコより甘い2人の関係・・・
この甘い関係は2人っきりの時だけ・・・




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海馬が遊戯の耳元で何て囁いたのか御想像に御任せします。