20.お帰り |
セトから遊戯の名を「呼べ」と言われ呼び続けて1週間 未だに何の変化も無く海馬の表情は、さらに暗く落ち 込んでいった。 遊戯何故帰って来ない・・・ すでにセトの魔力が切れていたとでも言うのか!! 隠しよう無い苛立ちと焦り・・・ 傍で見ていてユーギも気が気でなかった あのセトが嘘をつくとは思えない・・・ だったら何故もう1人の僕は、帰ってこないの? 何かトラブルにでも遇ったのかな・・・ 遊戯が帰って来ない事にユーギも心配顔だった。 海馬は、苛立ちを沈めようとベランダに出てみた。 遊戯が消滅してから出た事無いベランダ・・・ 夢の中で出会った遊戯と現実世界で再会した場所・・・ 久しぶりに出ると 「よう!元気だったか?」 聞き慣れた声・・・ 聞き間違えようが無いがこれが夢だったらと思うと声 がした方に振り向けない 「俺をこんな所で何時まで待たせるつもりだったんだ ?」 間違いないこの声は、 「フン!俺を待たせていたヤツの言葉だとは、思えん な よもや貴様扉の開け方を忘れたわけでは、ある まい」 何時もの自分を演じるかの様に・・・ しかし声が震える・・・ 「忘れていないぜ・・・いや忘れてたかもな・・・」 楽しそうな懐かしい声の方にゆっくり振り向くと・・・ 先程から海馬がベランダで誰かと話している事に気 付きユーギもベランダに近づこうとしたとき 「遊戯 忘れていたかも・・・だと?貴様は鳥頭か?」 遊戯・・・海馬の言葉にユーギは、驚きベランダに駆 け寄った。 「遅いよ!!もう1人の僕!!僕がどれ程心配したと 思っているの??」 「すまないぜ相棒」 自分に抱きつく相棒の背中を優しく撫でながら誤る 遊戯に複雑な海馬・・・ 本来なら自分が遊戯を思う存分抱き締めるハズなの に・・・ そんな海馬の心中に気が付いたのかユーギは、遊戯 から離れると 「僕 君が復活した事 神様に報告してくるね」 そう言いながら天高く舞い上がって行った。 海馬は、遊戯に手を差し出すと遊戯は、迷う事無くそ の手に自分の手を乗せた。 自分の手に遊戯の手が乗った事を確認すると海馬は その手を握り自分の方に引き寄せ遊戯を抱き締めた 「遊戯・・・」 囁く様に呼ぶと遊戯は、海馬の方に顔を向け 海馬の唇を受け止めていた。 その口付けは、角度を変える度に深くなり遊戯の思考 を停め身体から力を奪い溶けさせていった。 「遊戯 何故直ぐに戻って来なかった」 ベッドの中 心地よい気だるさに酔っている遊戯に海 馬は、尋ねてみた。 もしや遊戯は、俺以外の者のところに・・・ そんな思いもあったから・・・ 「不安だった・・・もしかしたら俺の事 忘れているん じゃないか・・・って思ったから・・・そう思うとなかなか 戻れなかった」 そんな遊戯に海馬は、圧し掛かりながら 「俺が貴様を忘れるわけがないだろ!! 貴様は、この俺の伴侶なんだぞ!!」 「うん・・・わかってる・・・」 遊戯の頬を伝う涙を海馬は、自分の唇で拭いながら 自分の身体の中に灯った熱にせかされるまま遊戯と 一緒に快楽の海に落ちて行きました。 「海馬・・・言い忘れてたぜ・・・ただいま・・・」 「ん・・・お帰り遊戯・・・」 |
あ〜マジで長かったです!!
途中で何回も内容が変わってしまい書いている方が
無茶苦茶焦りました。
おまけに文才が無いから・・・
書いている途中何回も
「読みきりにすればよかった〜」って思いましたし
そんなこんなの初の長編ものにお付き合い下さいまして
有難う御座います。