迷惑メール -Vol.3- |
大きな音に驚き遊戯の部屋に向かう 「遊戯! どうした?何があった?」 扉を何度も叩くが返事が返ってこない ドアノブを回すものの中から鍵がかかっていてびくともしない 「誰かこの部屋の合い鍵を持って来い」 「瀬人さま合い鍵です」 誰一人としてその場から離れていないのに手早く海馬に渡される合い鍵 「お前等まさかとは思うけど合い鍵を持ち歩いているのか?」 モクバからの鋭い突っ込み 「非常事態に備えてです」 非常事態って・・・ 常日頃から持ち歩いているって事じゃねぇかよ 軽い眩暈を起こすモクバであった。 ガチャ 鍵のロックが解除されが扉を開けようとしても開かない 「瀬人さま 押してもダメなら引いてみて下さい」 海馬邸の扉は廊下側からだと押さないと開かない筈なのに何故 引くのだ? と疑問を抱きつつ引いてみれば扉が開いたではないか 「うわ!!!!!」 しかし扉は開きはしたものの 目の前にそびえ立つ本棚に立て掛けられたテーブルきっとその奥にはソファが置かれているであろう事が容易に想像出来る 一応 押してみるがびくともしない あの小さく華奢な身体の何処にこんな物を動かす力があると言うのだ? 中に居る遊戯の事が気掛かりになるがどうしたものか・・・ と考えあぐねていると 「瀬人さま遊戯さまのお部屋のベランダからなら中に入れます!」「?」 「以前 遊戯さまがベランダ側の扉の鍵が壊れたと申されていましたから・・・」 どうしてここのメイドは、こんなにも良く知っているのだ?? 疑問を抱いていると 「以前 遊戯さまが瀬人さまにそう申し上げられいましたから」 丁度その時 お茶汲みをしていたらしいメイドが言う そう言えばそんな事を言っていた様な気がする 「兄さま早く室内に居る遊戯の事・・・」 海馬は、慌てて自分の部屋に戻りベランダへ・・・ 遊戯の部屋のベランダまで結構な距離がある 一歩間違えれば大怪我間違いなしだろう しかしこのままだと埒が明かない 海馬は、覚悟を決めて遊戯の部屋のベランダに飛び移る 何故自分がこそ泥紛いな事をしてまで・・・ 惚れた弱みなのだから仕方が無いとは思いつつも悪態を衝かずにはおれないのだ 鍵の壊れた扉を探し出し室内に入ってみる 見事なまでにメインの扉付近に積み上げられた机と椅子 これら全てを片付けるとなると気が重い・・・ いや業者に任せるとしよう 書斎に居無いのなら寝室の方か? 寝室の扉が少し開いていたので音を立てる事無く入室・・・ そこで海馬が目にしたのはボストンバック一杯に荷物を詰めている 遊戯の姿 「ゆっ遊戯!!何をしている!!」 ドッキ!! 「海馬・・・どうやって・・・」 入って来た・・・と言う言葉は、遮られ 「貴様この荷物は、何だ!!何処に行くつもりなんだ!!」 怖い形相で捲くし立ててくる海馬に恐怖を感じる それでも遊戯は、 「オレがココに居たらお前好きな人と結婚とか出来ないだろ? あっオレの事なら大丈夫だぜ 相棒の家か少しの間なら城之内君の所にでも行ってるから まぁ〜その後は・・・かいば?」 痛い程に抱き締められる 「ど・・・どうしたんだよ?」 「・・・手放すものか・・・」 「?」 「結婚だと?誰と誰の結婚なんだ? 雑魚の家に行くだと?誰がそんな事 許した? えっ言ってみろ」 腹の底から響いてくる声に寒気と恐怖を感じずには居られない 「知らないとは、言わせないぜ あんな変な所の会員になっているくせに・・・」 会った事の無い相手に指名なんて出来ないし『妊娠希望』なんて書けないぜ それに海馬のアドレスは、公開されて無いはず 本人が言わない限り誰も知らない筈なんだ 「お前には跡継ぎとか必要だろうから・・・」 だから・・・オレ・・・ 「貴様何を勘違いしている あんなくだらん迷惑メール如きに惑わされおって この俺が貴様以外の人間を手元に置きたいと想う訳なかろ 俺にとって必要なのは、貴様だけだ 跡継ぎ問題は、モクバが解決してくれる」 「でも・・・メールの人・・・」 「フン!あんなメールは不特定多数の人間に出されている物だ 何種類もあるドメインの前にランダムに打ち込まれたアルファベットや 数字を適当に当てはめれば何万通りのアドレスが作れる まぁ公開されているアドレスを勝手に収集して業者に勝手に売り飛ばす下衆な輩も居るようだがな」 「でも海馬のメールアドレスって・・・」 「貴様 俺の説明をちゃんと聞いていなかったのか? ランダムに打ち込まれたアルファベットや数字によって作られたアドレスを利用して勝手に送りつける そんな方法なら俺の所に届いたっておかしくは無いだろう?」 「そっそれじゃ・・・あのメールも?」 「そうだそんなくだらん方法で送られて来たものだ この俺が貴様以外に興味を持つ訳無かろうくだらん まぁ貴様が俺の子供を生みたいと言うのならそれなりの新薬を開発し ようでは、ないか」 嬉しそうな海馬の声に遊戯は、真っ赤になりながら 「そんなのいらないぜ・・・」 も一先ず自分が勝手に誤解していたのが溶けて安心しながら少し海馬の胸元に凭れてみたりした。 きっとオレは、この先も一杯勘違いとかするんだろうけど この男は、それを正してくれるだろう そしてオレ達は、前進するんだろうな 後日 遊戯が塞いだ扉前の荷物は、業者の人達が手際良く片付け 磯野と河豚田によって探し出された迷惑メール発信元はそれ相応の 仕打ちを受け 海馬と言えば新薬開発に全力を傾けているそうだ 遊戯と言えば 「遊戯・・・兄さま本気だから気を付けろよ」 可愛い義弟の有り難い御言葉を頂戴し メイド達は、主達の幸せを願っていました。 |
スミマセン・・・マジで寝惚けながら書いたので誤字脱字があると思います。