残想-1-

海馬Co.社長室・・・

何時もの様に山と積まれた書類との格闘・・・

時計を見れば既に２３時を少し回っていた。

海馬は、軽く目頭を押さえながら数回頭を左右に振ると足元に置いてあったジュラルミンケースをデスクの上に置き

器用に暗証番号を入力しロックを解除した。

ジュラルミンケースを開ければレア・カードがびっしりと綺麗に収納されており海馬がどれ程カードを大切にしているのか

伺い知れる

そのカードが収まっているケースの真中に嵌め込む様に収納されているフォトスタンド・・・

そこに写っているのは海馬自身と遊戯・・・

しかも闇の人格と言われている方だ

素人が撮ったにしては綺麗に撮れている

写真の遊戯は、同じ写真に写る海馬に微笑みかけ

写真の海馬は、同じ写真に写る遊戯に優しい表情を見せている

遊戯が冥界に還った後　表の人格である＜武藤遊戯＞が遊戯に遺品として持ってきた物だ

たまたま２人で歩いている所を＜武藤遊戯＞と仲の良い真崎杏子と言う女が隠し撮りをして＜武藤遊戯＞に渡したらしい

遊戯逢いたさに何回も亀のゲーム店に訪れ数回遊戯の部屋に入った事が在るがフォトスタンドなんて見た事が無い

唯のでっち上げだと思っていたが＜武藤遊戯＞が言うには

机の引き出しに収納してあり毎夜引き出しを開けては

嬉しそうに眺めていたらしい

何度も机の上に飾る事を薦めたが

「オレが写真を飾るなんて変だぜ・・・

それに海馬に見つかると恥ずかしい・・・」

頬を朱に染め恥ずかしそうに

そして嬉しそうな照れ臭そうに言っていたらしい

まるで恋する少女の様だった

と＜武藤遊戯＞に言われたが俺が知っている遊戯の表情では無い

俺の知らない遊戯の表情・・・

しかもその表情をさせているのが自分だと思うと嫉妬なんて出来ない

だが願望を言わせてもらえるなら自分の目の前でもして欲しかった。

遊戯　俺が貴様と交わした約束を覚えているか？

貴様が俺に何の断りも無く勝手に＜闘いの儀＞に及ぶ2日前の約束を・・・

俺は、明日それを実行に移す

貴様は、冥界と言う所で見物をしているがいい！！

この話は、内容的に暗いです。
って初っ端から暗いやんけ〜！！(T_T)