Aquarium-1-
[日曜日屋敷に来い]
海馬からの味気ないメール・・・
でも忙しい相手からの滅多に来ないメール
学校でメールを見た時思わず
相変わらず自分勝手なヤツだぜ・・・
と愚痴を漏らしたものの内心は嬉しくて仕方が無い
日曜日と言わず今すぐに逢いたい
でも彼が日曜日と言えばその時間帯にしか逢えないのは、解っている
そして逢う時間を作る為に今必死になって仕事をしているのも
だからオレからは、我がままは言わない
だけど海馬にしてみれば言って欲しいらしいが・・・
まぁ本音を言えばオレは素直じゃないから「逢いたい」「一緒に居たい」
なんて乙女的な発言は出来ない
・・・と言うか似合わないと思う・・・ゾゾゾゾ・・・
(一瞬だけど背筋に悪寒が走ったぜ)
それに本当の言えばメールなんかより声が聞きたい
でも声を聞いたら今すぐにでも逢いたくなるからダメだぜ
きっと海馬も同じ気持ちになるんだろうから電話なんてして来ないんだぜ
日曜日に海馬に逢ったらやっぱりデュエルの相手してもらうぜ
その後はオセロにチェスの相手もしてもらいたい
庭に出て2人っきりの散歩もいいかもな
いろいろと思いを馳せる遊戯に<遊戯>は、微笑ましく思う
もう一人の僕・・・君って何だかんだ言っても海馬君にゾッコンだもんね
君の嬉しそうな顔を見ていると僕も嬉しい気持ちになれるよ
君にそんな顔をさせる海馬君にヤキモチを妬いてしまいそうだよ
何度も読み返す素っ気無いメール
でもやっぱり嬉しい気持ちは隠せない・・・
---日曜日---
海馬の屋敷に行こうと家をでるとタイミング良く現れた黒塗りの高級車
一目で誰の車なのか解る
一応 海馬は海外で車の免許を取得しているので車は運転出来るが
何かとうるさい日本の法律に合わせて日本では、夜中以外運転しない
疲労こんぱい中のヤツが運転する車の方が危ない様な気がする
後部座席の扉が開くと遊戯は、急いで座席に腰を下ろす
早く海馬に逢いたい・・・
胸の鼓動が高鳴る
今そんな事思っていても実際逢えばぶっきらぼうな挨拶しかしないのだが
逢うまでは、恋する乙女と何等変わりは無いのだ
握り締められた携帯電話・・・
遊戯は、メールをもう一度見ようとしたら
「貴様 一体何時になったら俺に気付くのだ?」
少し不機嫌そうな声・・・
ず〜と聞きたいと思っていた声・・・
えっまさか・・・?まさかだよな?
横を恐る恐る見ると長い足を組んだ海馬の姿が
えっ〜!!!!!!!!!!
思わず扉付近まで後退してしまう
居るとは思わなかった相手
まっまさか!!今迄のオレを!!見られていたのか?!
恥ずかしい!!携帯電話を持ちドキドキしている自分を見られていたのだ
「まさか居るとは、思わなかったからな・・・」
自分をからかう為なのか気配を消していたのだ
海馬って男は、意地悪なヤツだぜ
きっと今迄のオレの行動を見て楽しんでいたんだ!!
「貴様の可愛い行動しっかりと見せてもらった」
やっぱり見ていたのか!!本当に意地悪だぜ!!
「そう不機嫌になるな
何時もと違う貴様を見れて俺は、嬉しいのだから」
うっ・・・嬉しいのか?
よく見ると海馬の服装は何時ものスーツ姿では無い
ポロシャツにパンツ姿・・・
ラフな格好をしている
しかも車は、海馬邸に向かっていない
だからと言って会社に向かっているワケでも無い
海馬ランドの方向でも無い
一体何処に向かっているんだ?
遊戯は、思い当たる施設を全て思い出すがそのどれとも方向が合わない
「海馬・・・何処に行くつもりなんだ?」
気持ちが落ち着かない・・・
「もう少しで着く・・・そう不安そうな顔をするな」
不安そうな顔って・・・お前が言う台詞か?
お前が行く所を言わない施設は、たいていろくな所では無かったぞ!!
暫くすると見なれない施設が・・・
車が施設の入り口付近に止まると運転手が扉を開けてくれる
恐る恐る車から降りると目の前の看板に『K・Y APUARIUM』と書かれている
『K・Y』ってまさかと思うけど<海馬・遊戯>の意味か?
安直過ぎないか?それでもお前は、秀才なのか?
馬鹿と何とかは紙一重って言うけどお前もそうなのか?
その後の綴りをゆっくり読むと意味が解ったのか遊戯の顔がほころぶ
「海馬これって!!」
「貴様が以前言ってただろ?パズル越しで水族館に行ったと
今度は、自分の目で見たいと・・・」
オレが相棒と二心同体だった時 相棒と城之内君が水族館に行った。
その時 自分は千年パズルの中に居たのだ
そしてそのパズル越しに見た水族館に感激したのを覚えている
そしてその事を海馬に言ったのだ
そうしたら海馬から
「水族館ぐらい俺が連れて行ってやる」
だいぶ前に言った事を今尚覚えていてくれたのか?
何だか嬉しく思う
遊戯が以前パズル越しに水族館に行ったと言っていた
しかし<武藤遊戯>と誰と行ったのかは、言わなかった。
大方 城之内だろ
<武藤遊戯>と城之内は、付き合っているらしからな
遊戯がそこで見た光景を嬉しそうに話しているのを聞いていて自分も嬉しく
なったのを覚えてる
そして遊戯の嬉しそうな顔を直接水族館で見たいと思った
ただ見るのでは無く喜んでもらいたかった
遊戯に喜んでもらう為には、どうしたらいいのか考えた
自分で考えた企画を実際のモノとする為に自社で水族館を運営すればいい
と結論づけたのだ
「でも海馬 ここオープン前だぜ・・・」
遊戯の寂しそうな顔
オープン前では、魚は居ないだろう・・・
そう思ったようだ
「心配するな 俺を誰だと思っている
展示物の居らん水族館に誰が連れてくるものか」
「じゃ!!魚が沢山居るのか?!」
紅い瞳がキラキラを光輝いている様に見える
「当たり前だ」
「やった〜!!!」
デュエルの時では、決して見る事の出来ない遊戯の姿
それが見れただけでも満足してしまう
平和な内容だなぁ〜
海闇で激しいの書きたいのに何故か・・・
まぁいいかぁ〜(^^♪