Anniversary -1-

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「・・・で兄貴は何をプレゼントするんです?」

「相手は女の子 やっぱりアクセサリーが良いドン」

「う〜ん まだ決めて無いんだ」

「フン 女の子が喜ぶのは、やっぱりブランド物と決まっている!」

来週は明日香の誕生日

何をプレゼントするのかそれぞれ意見を出しあってるワケだが

オレは明日香が何を貰っても笑顔で『ありがとう』って言いそうな気がする

彼女がプレゼントを貰って大喜びする相手は、この世に一人しか居ない

ワケだし・・・

オレだけに見せる笑顔ってのを見てみたいけど無理なのかなぁ〜

「それは万丈目君に近寄る女の子達だけだよ」

「なんだと貴様!!それでは女の子はブランド物欲しさに俺に

近寄って来てる様ではないか!」

「万丈目財閥の御曹司 取り入って損は無し と言う事ザウルス」

あ〜だこうだとアカデミアの廊下で騒いでいると窓の外を見つめる人の存在に

気が付く

「あれ?明日香・・・」

窓の外を眺めながら溜息を吐く姿

「どうしたんでしょ?」

声を掛け様か迷ってしまう

「もしかして今度の実技試験の事でも考えているのかもしれないドン」

「天上院君に限ってそんな事は無い!」

「わからないよ〜もしかしたらデッキの構築の事で考えてるのかもしれないし」

翔にそう言われ愚の音も出ない万丈目

今度の実技は、自分のデッキと相性の悪いデッキを持つ者との対戦

苦戦を強いられる事間違い無し

しかも誰が対戦相手になるのか解らないのでどんなデッキに対しても臨機応変で

闘えるデッキを構築しないといけないのだ

それを考えると十代も万丈目も頭が痛い

しかし十代の目に写る今の明日香は、そんな事で溜息を吐いていた様には想えない

何か違う事で考え事をしている様な・・・

それを言い表せと言っても難しいけど

 

そのままキビスを返し立ち去る明日香

オレで良ければ相談に乗って上げたい

 

今尚彼女に告白出来ないでいる十代

明日香にはアカデミアを卒業した先輩 丸藤亮って言う恋人が居る

アカデミアに在籍中はカイザーと呼ばれ

卒業後は、ちょっとした切欠で変貌してしまいヘルカイザーと呼ばれている

まさか明日香はカイザーの事で悩んでいるのか?

 

 

レッド寮に戻っても翔と剣山は、何をプレゼントするのか迷っている様だ

万丈目にいたっては、電話で何かしら指示を出している

十代は、校舎内で見た明日香の事が気になって仕方が無い

「あにきぃ〜プレゼント何にするのか決まったんですかぁ〜?」

「えっ・・・ああ・・・一応・・・」

「何にしたドン?」

一応用意は、したものの女の子が何を貰って喜ぶのかイマイチ解らない

ましてやデュエリストを目指す相手に上げる誕生日プレゼントとも来れば

なおさらだ

「教えられないぜ」

「フン 大方口からのデマカセなんだろう」

「万丈目君は何にするの?」

「貴様等が到底用意出来んモノだ」

まぁ〜万丈目財閥が用意するんだ一般人では用意出来るモノでは無い事

ぐらい百も承知

それでも聞きたいのが人の性と言うもの

万丈目も言いたそうだし

「天上院君ぐらいの女性には超有名なデザイナーが天上院君の為だけに

デザインした服とバッグに靴をプレゼントするのだ

世界に1つしかない超レアモノ!!」

やっぱり財力にモノを言わせたか・・・

 

それにしても廊下で見かけた明日香の姿が気になる

実技の事で悩んでいる様には見えない

それ以外の事で悩んでいる様に見えた

 

翌日 灯台の方に向って歩いてく明日香を見かけた

灯台は明日香がカイザーとよく逢っていた場所

何か声が掛け難い

日中の明日香は、何時もの様に振舞っている様に見えるけど何だか覇気と言うか

そう言ったモノが感じられない






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