Selfishness-1- |
アメリカ N.Y 分刻みのスケジュール 特に年末年始にかけてイベントが目白押しなのだ 世間がクリスマスで浮かれている最中流通業界は既に年末年始 のイベントの為に動く 他社より出遅れたら利益に響きかねない 如何に他社より早く動くか そしてそれを成功させるか だがそのお陰で最愛の人に1年以上も逢えない状態だ これではストレスが溜まり禁断症状が何時でるかもしれない 仕事が一段落したら一度日本に帰国しようと心に決めていた 本当は1年だけアメリカに滞在する予定だったが仕事が思う様に 捗らず2年も滞在する羽目に・・・ いい加減我慢の限界がある 脳裏に浮かぶのは紅い吊り上がった挑発的な瞳 燃える様な逆立った紅い髪 白く肌理細かい肌 抱きしめれば折れてしまいそうな程の華奢な躰 触れたい 声が聞きたい 何よりこの目に写したい そして写されたい N.Yと日本の時差を考えたら俺らしくもないが電話を掛ける事に 躊躇してしまいメールでやり取りをしているが温もりを感じない 遊戯自身自己表現するのが得意では無い事が文面からも伺い知れる それを言うなら俺の文面は簡潔すぎるらしいのだが 確かに俺の文面は、用件のみといった感じだ このままだと年末年始もN.Yで過ごしだ 海馬Co.の社長室の窓から見る夜景 まるで宝石の様に見える この夜景を遊戯と共に見る事が出来たらどんなに楽しいだろう ククク・・・・・この海馬瀬人も地に落ちたな・・・ たった一人の小さな存在に一喜一憂させられるとは だがそれは不快なモノでは無い 寧ろ心地良いものだ 心は、既に母国に居る最愛の人の影を追っている -日本 童実野町- 「今年も海馬君N.Yで年末年始を迎えるのかなぁ?」 「モクバの話しだとそうらしいぜ しかも今年は1人だって言ってたぜ」 「えっ!じゃモクバ君は何処で年末年始を迎えるの?」 コタツに入りながら定番のミカンを食べる2人 「モクバは、本社の仕事があるから明後日あたり帰国してくるみたいだ」 小学性にして大企業海馬Co.の副社長と言う肩書きを持つモクバ 幾ら小学性とは言え大人社会に居る以上特別扱いはされないしモクバ 自身もそれを望んでいない 「じゃ〜さ・・・今年は君が海馬君と一緒に年末年始を迎えればいいじゃ ブッ・・・ 飲みかけていたお茶を思わず噴いてしまう 「あっ・・・相棒!?」 「だって君から海馬君に逢ってはイケナイなんて決まりないんだし 海馬君が忙しくて君に逢いに来れないんじゃ君が行くしかないでしょ?」 だからって突然過ぎるぜ その発想・・・ 「それにそれぐらいの資金だってあるんだし28日童実野空港発のチケットも 用意したしね」 ???? 「モクバ君忙しいかもしれないから磯野さんに頼んでおいたの 今朝河豚田さんが持って来てくれた」 遊戯の前に差し出されるチケット 中に入っていたのは一人分の往復チケット 「一人分しか入ってないぜ?」 「僕が行ったてどうしようもないでしょ? それに向こうに着いたら磯野さんが出迎えてくれるよ」 そこまで言う<遊戯> 「あいぼ〜」 不安そうな表情で大きな紅い瞳をウルウルと潤ませる遊戯と目があう そんな遊戯に思わずドキドキさせられる<遊戯> うわ〜そんな瞳で僕を見ないで!! 君のそんな表情も瞳も僕の心の壁を破壊するには充分に力が大きいんだよ 海馬君もよく冷静に彼のこんな表情を受け流してるよね もしかしてダイヤの心を持ってるとかそれとも耐えてるだけなのか 無意識でやっているであろう遊戯に恐れを感じてしまう そしてよくよく考えたら彼は男女問わず魅了しつづけている事を思い出す こんな彼の表情をファンの子が見たら抱きしめて撫でて言いなりになるんだ 「解ったよ 僕も一緒にN.Yに行くから」 所詮泣く子と遊戯には適わないのだ そんな表情は、しないでね心臓に悪いから ああ・・・せめて向こうにモクバ君が居てくれたらどんなに心強いか・・・ あっでも御伽君が向こうに居るんだよね 御伽君に連絡入れておこう 後日モクバが武藤家に遊びに来た時 「え〜<遊戯>N.Yに行くのか?」 「仕方が無いよ もう一人の僕の不安そうな表情にウルウル瞳のコンボじゃ 僕は太刀打ち出来ないもん」 ズズズ・・・とお茶をすすりながらぼやくと 「兄さまも同じ事言ってた」 溜息を吐くモクバ 当の遊戯は台所にミカンを取りに行ってる 「海馬君もよく耐えてるよね」 「惚れた弱みだからね」 「はははは・・・」 「<遊戯>達が居ないんじゃオレも年末年始N.Yに戻ろうかな」 「仕事は?」 「年末年始は休みだよ」 「じゃ一緒に過ごす?」 「うん」 モクバは<遊戯>達と遊びたくて帰国してきた様だった まぁN.Yだと友達作るの大変なんだろうね 「そう言えば兄さまに連絡したのか?」 「驚かすつもりだったから連絡はしてないよ」 「兄さまのスケジュールは解ってるのか?」 「磯野さんと河豚田さんに連絡してるから大丈夫だよ」 流石<遊戯>抜け目が無いぜ
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