Selfishness-5-

Selfishness-5-

海馬にとって退屈だった筈のパーティ

だが今回は、遊戯が傍に居てくれたお陰で退屈にならなかった

遊戯にしてみれば自分の嫌いなパーティで女装をさせられた事が

不愉快だったのか少しばかり機嫌が悪い

パーティを終え<遊戯>は御伽が住んでいるマンションにモクバと

一緒に泊めて貰うらしく(当初<遊戯>の予定にあったので)

そのまま御伽の車に乗せて貰い行ってしまった。

(もう一人の僕と海馬君の邪魔をして馬に蹴られたくないもんね)

終始上機嫌の海馬は車中でも遊戯の体温を感じたいのか抱き

締めてくる

運転席には、磯野が居るので気が気でない

 

自宅に戻ると海馬は、そのまま自室に遊戯を連れ込み

ベッドに押し倒す

「ちょ・・・海馬何盛ってるんだよ!!」

遊戯は海馬に言いたい事があったのだが今の状態では言えない

「貴様がそんな格好で居るのが悪い」

「・・・ふん・・・んん・・・」

圧し掛かられ貪る様な口付けをされ遊戯の意識が朦朧としだす

逃げ惑う遊戯の舌を追い掛け絡めとり吐息まで奪われる様なキス

息苦しくて身を捩り逃げ様とすれば拘束は、キツクなるだけ

遊戯の頬を伝い流れ落ちる唾液は、どちらモノなのか解らない

 

やっと解放された唇

荒い息継ぎを繰り返す遊戯に海馬は、苦笑する

「・・・かい・・・な・・・苦しい・・・だろ・・・」

「鼻で息をしないからだ 遊戯貴様を今すぐに味あわせろ」

耳元で囁く様に言われながら耳朶を甘噛みされる

「あ・・・ん・・・シャワーぐらい・・・浴びさせろ・・・ふぁぁ」

「どうせ汗をかくんだ後でもよかろう?」

背に回される手がドレスのファスナーを降ろそうとしている

両足を開脚させられる事によりそれ程長くないスカートが捲りあがり

遊戯の細い足が露わになる

開脚させられた足の間に海馬は自分の躰を入れ閉じられないように

する

ズボン越しとは言え海馬の昂ぶりを感じてしまう

「かい・・・もう・・・そんなに・・・」

遊戯が何を言いたいのか察した海馬は

「貴様だけがこの熱を冷ます事が出来る」

「冷ますだけじゃないだろ?オレがお前にその熱を与える事も出来る」

「確かに」

口角を上げて遊戯を見つめると

「オレがその熱を冷ます事が出来るのなら冷ましてやるぜ」

頬を朱に染め潤んだ瞳で自分に見せる笑み

それが美しいと思い

この美しい笑みを啼かせてみたいと言う欲求に駆られる

快楽に溺れ身を捩り自分だけにしか見せる事の無い乱れた姿を見たい

遊戯を前にしてのみ湧き起こる強すぎる欲求に眩暈がする

目を閉じ軽く溜息を吐くと海馬は自身の中に生まれた欲求に身を委ねる

事にした

 

 

 

 

 

 

 

シーツの上で放射状の様に広がる紅い髪を見て激しい炎を見ている

気になる

綺麗な顔が快楽に溺れる様子を見て

 

女を抱いている様だ

まるで炎を司る女神はたまた闘いの女神か

さしずめ闘いに赴く闘いの女神の舞の方が正解かもな

俺にしてみれば勝利の女神かもしれないが

 

自分のみが堪能する事が出来る唄と舞に酔いしれる

突き上げれば身を捩り悶え内なる肉で快楽を訴え喜び

海馬に得も言えぬ程の悦楽を与える

 

どんなに貪っても飽く事無く更なる探求心を生む

 

 

遊戯が意識を飛ばしている間 海馬は紅い髪を梳きながら

パーティ会場での遊戯らしからぬ言動について考えていた

だが幾ら明晰な頭脳と言えど答えを出す事など出来ない

「遊戯・・・」

愛しい者の名を呼べば甘い気持ちが胸を掛け巡る

「遊戯・・・」

呼びかけに応えるかの様に微かに動く瞼

閉ざされた紅い瞳を見たさに喉が乾く

 

早く自分を写し出す紅い瞳が見たい

 

「んん・・・かいばぁ・・・」

呂律の回らない状態

まだ意識が朦朧としているのか視点が定まっていない様に見える

色を含んだ瞳に欲情する

無意識の行動なのか遊戯は身を捩りながら海馬の胸元に擦り寄って来る

「遊戯!」

予想外の事に驚く海馬だったが小さな躰を抱きしめながら温もりを感じる

「かいば・・・温かいぜ・・・」

遊戯の嬉しそうな表情に思わず海馬も優しい笑みを浮かべ

「そうか・・・」

「・・・うん・・・あっ・・・かいばぁ・・・あけまして・・・おめでと・・・」

遊戯は小さな欠伸をすると海馬からの挨拶を聞く事なく

そのまま寝息をたてて眠ってしまった。

「ああ・・・遊戯あけましておめでとう」

軽く額にキスをする

 

この男は謎だらけ・・・それさえも惹かれている原因の一つかもしれない

終わりの無いその謎を解くのは自分だけ

 

そう想い海馬も眠りについた





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