Recollection(追憶)-1-
「あ・・・んん・・・」
暗雲たち込める中に廃屋とかした神殿の姿が
つい先日まで色彩豊かかつ絢爛豪華なたたずまいで人々が出入りしていた面影は無く
無残なまでの姿を現していた
そんな神殿の一角で艶めかしい声が聞こえて来る
石で出来た祭壇
その上で重なり合う2つの影
緩やかな曲線を帯び紅い痕を付けた双丘を曝け出し上下に揺らす
「・・・セ・・・あぁぁぁ・・・」
貫かれ揺さぶられ止めど無く紡がれる嬌声
柔らかい唇に誘われるがまま貪れば甘い気持ちが溢れ出す
「アテム・・・俺の・・・」
目の前の存在が奪われる恐怖をもう二度と味わう事などもう無い
ついに手に入れた存在
無理に奪ったのでは無い双方合意の上での行為
組敷く存在の首筋と胸元に指を這わし主張する飾りを摘まめば背を反らし
熱い声を上げる
心地好い声
自分が上げさせているのだと想うと嬉しさが込み上げてくる
アテムは朦朧とした意識の中
自分が受け入れている最愛なる相手に心の中で詫びた
彼を利用した事を・・・
そして共に歩めない事を・・・
愛しき者との出逢いを想い出し
その者に抱かれる事を喜びながら・・・