恋慕-おまけ-
「やっと寝てくれたぜ」
寝室から出てくる遊戯
時は21時・・・
珍しく早く帰宅しソファで寛ぐ海馬に話しかける
「遊戯こっちに来い」
子供が出来てから2人で居る時間が減った
元々海馬自身多忙を極めているので2人で居る時間は少なかったのに
それに追い討ちをかけるかのように減ったのだ
しかも子供が生まれた事により
子供が夜鳴きをしないか気にした遊戯から寝室を別々にしようとまで言われる始末
実際寝室を別々にされたものの眠っている遊戯と子供を抱え自室の寝室に連れ戻した
海馬とて遊戯の温もりが無いと眠れなくなってきたのだ
自分の元に来る遊戯
その細い腕を掴み引き寄せる
「うわ〜!!!」
バランスを崩した遊戯が海馬の腕に倒れ込んで来る
「あっ・・・危ないだろ!」
の言葉を無視して強く抱き締める
「瀬人・・・」
「子供の世話は終わったのだから俺の傍に居ろ」
「!!」
海馬の言葉の裏に隠された想いに気付く遊戯
夫婦になってから遊戯は海馬の事を『瀬人』と呼ぶようになった
それは、自分も『海馬』姓であり
また子供が成長した時に父親を何時までも姓で呼ぶのはオカシイと思ったから
そう思いは、しても名で呼ぶには抵抗があった
それでも何度も海馬の事を名で呼ぶように自分に言い聞かせ何とか恥かしさも無く
海馬を名で呼べるようになったのだ
「瀬人 お前のヤキモチは子供に対してなのか?それともオレにたいしてなのか?」
「両方だ 如いて言えばお前を独占している子供に対してだ」
全く大きな子供だぜ・・・でもそれを嬉しいと思うオレは大概な性格だな
遊戯は少し海馬から身を離すと海馬の膝の上に座り直し
「自分の子供にヤキモチ妬くなんてダメなパパだぜ」
自分の姿が蒼い瞳に写る様に覗き込みながら
「俺の子供と言えど貴様絡みならライバルだ」
「じゃぁ・・・お前が子供にヤキモチ妬かないように今からの時間は良き奥さんで居ないとな」
啄む様なキスを繰り返すと
「では貴様を明日朝まで俺が独占する 遊戯 俺は貴様にとって良き夫なのか?」
「ああ・・・オレには、勿体無い位イイ夫だぜ それにヤキモチさえ妬かなかったら子供にとって
良き父親だぜ」
休日は遊戯と一緒に子供の世話をしている海馬
海馬は遊戯を抱き上げると
「あのまま貴様を堪能したかったのだ 貴様の全てを愛するには不便だ」
貴様の全てを余す事無く愛せる場所に移るぞ
そう告げながら海馬と遊戯は寝室に消えていった