携帯電話-2-
瀬人が帰った後遊戯は、自分の携帯電話のアドレスを見ていた。
たまに登校してくるクラスメートの事を思い出しながら。
何時も一人で読書かノートパソコンで何かしている相手。
オレじゃ お前の友達になれないのかな?
海馬瀬人の電話番号を知らないわけじゃない。
でも自分が知っている電話番号は、あくまでも屋敷の方で本人の携帯じゃない。
学校から配られる連絡網・・・そこに書かれている電話番号しか自分は、知らない。
オレ お前といろんな事話ししたいぜ。
でももしかしたら相手にとって迷惑な事なのかもしれない。
世の中には、人付き合いの苦手な人だって居る。
でも自分の感が言うのだ『彼と友達なれ』って・・・
グダグダと考えていても埒があかないな。
今度アイツが登校してきたら話しかけてみよう。
その時アイツの反応を見て番号やメアドを交換してみよう。
その頃海馬もネコの姿から自分本来の姿に身を変え。
スーツの胸ポケットに入っている携帯を取り出すとアドレスで『武藤遊戯』の名を呼び出し。
俺は、貴様の事をだいたいの事は、調べあげ知っている。
貴様のアドレスでさえも・・・でも貴様が知っている俺の電話番号は、学校で配られた連絡網のみ。
そこで海馬は、ハッとする。
(そうか例え連絡網だけでも貴様は、俺の電話番号を知っているのだな・・・)
それが屋敷の電話番号であっても遊戯から自分に対して連絡する術がある。
そう思うと何だか嬉しい気持ちになる。
(だが俺は、それだけで満足は、しない・・・)
ネコの時にささやかな悪戯(?)をしてきたのだ。
だが海馬は、どうして自分がそんなに遊戯に執着するのか・・・
何故嬉しい気持ちになるのかその理由に気が付いていなかった。
それは、自分が認めたく無い感情だから・・・
そしてそれは、遊戯も同じだった。
互いが気にしあい無意識の内に惹かれ合っている事を。
(あれ?これって・・・)
アドレスの『さ行』に入力した覚えが無いアドレスが・・・
『Seto
Kaiba』せと・・・かいば・・・?
慌てて登録内容を確認するとメアドと番号が書かれてあった。
(えっ?何時の間に・・・最近海馬のヤツ学校に来てなかったのに・・・
それなのに何時・・・?)
不思議な気持ちを抱きつつもその気持ちは、嬉しい気持ち・心地イイ気持ちだった。
遊戯の顔も無意識の内に笑みを浮かべていた。
自分がストーカーをしている事に気が付いていない白ニャンコ瀬人。
白ニャンコにストーカーされている事に気が付いていない遊戯。
まぁ〜ネコにストーカーされているなんて普通思いませんよね。