プレゼント-2-

プレゼント-2-


薄暗い部屋。

海馬は、明かりも灯さずそのまま寝室に向っいクローゼットを開けるとスーツをハンガーに

かけ代わりにラフな室内着に着替える。

ただ着替えても直にシャワーを浴びる為に脱いでしまうのだが・・・

まさか遊戯がこの部屋に居るとは、思ってもいない海馬は、シャワールームへと行く。

キュッ・・・コックを捻り温度調節した湯を頭から浴びる。

今迄自分の誕生日を待ち遠しいと思った事がない。

きっと遊戯は、自分の誕生日を祝う為に来ると思っていたから。

でも遊戯は、来なかった。

こんなに期待した事は、無かったしそれと同等に裏切られた気持ちになった事は、無かった。

「チッ・・・」

舌打ちをしながら全身を洗う。

こんな時でさえ想うのは、遊戯の事だけ。

 

シャーと微かに聞こえる水音

「うん・・・」

遊戯は、ゆっくりと目を開けハッきりしない意識のまま辺りを見渡す。

見慣れない調度品が置かれている室内。

肌触りの良い白い布地・・・

(ここは・・・オレは、ここで・・・そうだオレは、海馬の誕生日を・・・海馬!!)

自分が何処に居るのか解らないけど自分がしたかった事を思い出し慌てて起き上がる。

だが急に起きた事により軽い眩暈が遊戯を襲う。

(躰が・・・確かモクバに水を貰って・・・そのあ・・・と?・・・)

目を押さえていた手を少しずらすと飛び込んで来た光景に新たな眩暈が・・・

有りえない光景・・・全裸に近い今の自分の姿。

こんなのを海馬に見られたく無い。

身を隠す事を考えたが行動に出る前にカチャと扉が開く音が耳に入る。

今動くワケに行かないと思い白い布地の上に寝そべる遊戯。

遊戯が寝そべっているのは、ベッドの上。薄暗くてそこまで意識が回らないのだ。

近付く足音。

(来るな!来ないでくれ!)

そんな願いも虚しく近くに感じる人の気配。

 

 

(まさかこの海馬瀬人がここまで遊戯に執着しようとは・・・しかし・・・)

シャワーを浴びている間 遊戯のあらぬ姿を想像してしまった。

そしてその遊戯で自慰に陥りかけたのだ。

天蓋のベールを除けると

「!!!」

一気に血が沸騰しかけた。

一応鼻を押さえ流血しいない事を確認し再度ベッドの上を見る。

ベッドの上で横たわっているのは、紛れも無く最愛の人。

しかもその人物は、薄暗くてよく解らないがピンクの様なチョーカを首に捲きそこから一直線に伸びた

太めのリボンで中心部分を隠している胸元は、一応大きな蝶々結びにされたリボン。

それ以外何も身に纏ってない。

夢か現実か・・・

海馬は、恐る恐るベッドに眠る遊戯に触れてみる。

温かい・・・夢でない事は、ハッきりわかる。

しかし何故遊戯がこんな所に?まるで自身がプレゼントだと言わんばかりの出立ちで。

(プレゼント・・・?まさか?)

海馬は、ベッドに乗りかかり遊戯の柔らかい頬に触れる。

シャワールームで想像した事が現実になろうとしているのか?

海馬のオスが反応する。

シャワールームから出て来た海馬の姿は、バスローブを1枚身に纏っているだけ。

「遊戯・・・貴様は、俺の誕生日プレゼントなのか?」

自分でも信じられない位甘い声で遊戯に話しかける。

 

堅く閉ざされた瞼。

柔らかい唇。その唇を親指の腹でなぞる。

 

 

(えっ?この声って・・・もしかして海馬?)

本当に海馬なのか確認したい。

唇に感じる指を軽く噛みながら少しずつ目を開ける。

 

噛まれた指・・・それは、遊戯が起きている事を意味していた。

瞼から覗かれる紅い瞳。

自分だけの世界で唯一の対になった紅玉。

 

「海馬・・・」

現状を知りたい遊戯は、目を開け起き上がる。

リボンは、背中を伝い首のチョーカに・・・

どうやら一本の太いリボンの様だ。

「ココは、何処なんだ?それにオレの格好・・・お前が着せたのか?」

海馬は、バスローブだけを纏っている。

「ココは、俺の寝室 その格好は、貴様がやったのでは、無いのか?」

俺は、知らんと言われる。

(じゃ・・・コレは、モクバの所為?)

考えあぐねていると急に海馬に抱き付かれそのままベッドの上に・・・

「かっ・・・海馬?!」

「貴様のそんな格好を見て我慢なんできるか! 今すぐに貴様の全てが欲しい。

俺に貴様の全てをよこせ!貴様の身も心も」

もしかして海馬が欲しいのは、モノじゃなくてオレ自身?

 

圧しかかって来た海馬は、遊戯の首のチョーカを外しに掛かる。

こんなのを着けられていたのでは、遊戯の首筋に自分の所有印を刻めないからだ。

チョーカを外すとリボンの先端が。

どうやらこのリボンは、チョーカとは、繋がっていない様だ。

海馬は、リボンの先端を引っ張ると

「ああ・・・ダメ・・・海馬ぁ・・・」

可愛い声をあげる遊戯。

リボンが自分の陰茎を擦り刺激を与えているのだろう。

そんな遊戯の反応が楽しく意地悪したい気持ちから海馬は、リボンを引っ張る。

「あぁぁ・・・やぁ〜」

初めて感じる快感に思わず吐精してしまう。

荒い息を吐きながら

「貴様 初めてだったのか?自慰とかした事ないのか?」

余りにも早い吐精に驚きながら聞いてしまう。

何故なら自分と同じ年なら自慰ぐらい経験は、有ると思うしリボンで擦られたぐらいで吐精とは・・・

「・・・したこと・・・無いぜ・・・」

恥かしいのか横を向いてしまう遊戯。

そんな遊戯が愛おしくそして早くその無垢な躰を自分好みの躰に仕上げたいと思った。

 

海馬に触れられたいと思ったのに・・・

彼が傍にいるのに・・・この先どんな行為が待っているのか解っているのに何故か怖いと思ってしまう。

 

バスローブが微かに持ち上がっている。

その奥に秘められた海馬に触れたいのに・・・勇気が持てない・・・

どうすれいいのか解らない。

 

為すがままになるしか無い遊戯は、自分の躰を這う海馬の唇に指に感じている事を知らす声をあげる事

しか出来ない。

 

恥かしいのに・・・生理的目的以外で触れる事の無い場所を咥えられるなんて・・・自分でも見た事の

無い受け入れる機能が全く無い場所に指を入れられ掻き回されなんて・・・

 

そんな事想像した事が無い。

 

何時も冷たい蒼い瞳が熱く潤んだ瞳になるのも初めてしった。

 

左右に開き高く抱え上げられた足。解された場所に息づく熱に眩暈を感じる。

「入れるぞ」

その問いに肯く事しか出来ない。

 

指より太く堅いモノが内壁を擦り入って来る。

幾ら解されたとは、言っても初めてなのだから挿入と同時に痛が躰を駆け廻る。

《抜いて欲しい》と思う気持ちと《もっと奥迄刺し貫いて欲しい》気持ちが同居する。

遊戯は、痛みを堪え海馬にしがみつき海馬は、遊戯を抱きしめながら何度も腰を打ちつける。

 

彼と躰を繋げる事を望んだのは、自分。

自分の全てを目の前に居る彼に捧げたいと思った。

恥かしさと苦痛・・・嬉しさと快楽が同居する・・・

 

「はぅ・・・はぁ・・・あっあああ・・・かい・・・ああん・・・もう・・・もうダメ・・・」

海馬の下腹部に放たれる遊戯の熱。

その放出によって締め付けられた海馬も抵抗する事無く遊戯の中に注ぎ込む。

 

意識が朦朧としているのか焦点が定まっていない状態で

「かいばぁ・・・たんじょうび・・・おめで・・・と・・・う・・・」

言われる祝いの言葉。

今迄いろんな人間から言われた嬉しくない祝いの言葉。

それなのに遊戯に言われて嬉しいのと恥かしいのとでどんな表情をすればいいのか解らなかった。

ただ自分の顔が真っ赤になっている事は、解っている。

そして嬉しさの余り気持ちも更に昂揚してしまうが

「はぁ・・・ん・・・うんん・・・」

それと連動して放出したばかりの熱が反応してしまう。

だが初めての行為に遊戯の意識も躰も着いて来ないのか眠ってしまった。

「ククク・・・この俺をこんな状態にしておいて寝てしまうとは・・・起きたら早速御仕置きをしてやる」

だから早く起きろ遊戯。もう一度貴様からの誕生日プレゼントを味逢わせろ。

 

遊戯の体温に取り込まれながら海馬も眠りにつく。

 

 

 

翌朝、遊戯が海馬に襲われたのは、言うまでも無く。

暫くの間酷い腰痛で家に帰る事も学校に行く事も出来なかったらしい。

「海馬の精力は、化け物だぜ!!」

 

「まったく兄さまは、遊戯の事が好きだからって我慢しすぎだぜ

欲しいのならサッサとヤレバいいのに」

「モクバ君その発言小学生らしくないよ」



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