異物-2-


コレハ、自分ニトッテタブー・・・

 

それは、解っている。解っているのだ。それでも・・・

貴様の中に・・・

 

ズズズ・・・と抜かれるモノ。

思わずそれが抜かれない様に行かせない様に力が篭る。

「やぁ・・・瀬人抜かないで!!イカセテェ・・・」

懇願してしまう。

 

幻の海馬が目の前に居る。

彼もまた自分と同じ全裸。

彼に触れて欲しい・・・イカセテ欲しい・・・

 

(ああ貴様をイカセテやる。こんなモノでは、無くこの俺自身で・・・)

瀬人は、軽く伸びをする。

 

遊戯は、瀬人にもう一度刺激を与えて欲しくて後ろを振り返ろうとしたが急に頭を抑えつけられ

枕に顔を押し当てられた。

(え・・・何?)

この部屋に居るのは、自分と瀬人だけの筈・・・。

しかし自分を抑えつけているのは、紛れも無く人間の手。

しかも瀬人が嬲って居た場所に何か宛がわれている・・・

想像したく無かった。怖かった。今迄の熱が一気に冷める。

遊戯は、力の抜けきった躯で何とか逃げ様と試みるがそれは、あっけなく阻止され解された場所に

異物を受け入れてしまう。

「うぁぁ・・・」

先程までとは、全く異なる異物に声が上がる。

限界にまで広げられた場所。痛い筈なのに恐怖が勝る。

腰に宛がわれた手によって腰を持ち上げられる。

獣が交わる様な体勢。

「遊戯力を抜け・・・」

人の声に驚いてしまう。

ここには、自分と瀬人しか居ないのだ・・・それにこの声聞き覚えがある。

学校やテレビで何度か聞いた事のある声。

しかしその相手がココに・・・自分の部屋に居る筈なんて在り得ない。

そう思うのに

「貴様のココは、狭いのだから・・・」

耳聞こえる声は、間違い無く彼の声。

幻影が見せていた彼の声。

 

コレハ、幻?

 

しかし自分の中を突き進む熱は、現実のモノ。

『狭いのだから・・・』きっと自分の中に在るのは、相手の男根だろう。

全てを挿入したのだろう相手の体温を感じる。

そして容赦なく突き上げられる。

ユルユルと自分の腰を撫でていた手が恐怖に萎えていた遊戯の男根を優しく包み扱き出す。

外と内を刺激され遊戯には、為す術が無かった。

「遊戯 もっと・・・もっと俺を感じ 俺の為に啼け・・・」

熱有る声で何度も啼く事を促される。

相手の顔を見たい。

自分を貫き揺さぶる相手が本当に彼なのか・・・本当に自分の思い人-海馬瀬人-なのか。

でも確認しようにも躰が快楽の波に飲まれて思う様に動かない。

 

遊戯の前で声を発するなんてタブー。

それは、解っている事。

でも声を出さずには、居られなかった。

 

遊戯は、今自分を犯している相手が海馬だとは、知らない・・・

遊戯の内肉に絡まれ海馬の気持ちは、高まっていた。

「貴様の中は、最高だな・・・」

だがどんなに気持ちが高まろうが心の何処かで、冷ややかに自分を見下す自分が居た。

どんなに冷ややかに見下され様が遊戯と繋がりたいと思う欲望には、勝てない。

 

「あぁぁ・・・かぁい・・・ふぁ〜んん」

一瞬ドッキとした自分の正体がバレタのかと思った。

しかし遊戯の顔は、枕に押しつけられたまま。

それにくぐもっていて本当に自分の名前を呼んだかどうかなんて解らない。

 

遊戯には、突き上げられながらも気になる事があった。

瀬人が自分を犯している相手に何の攻撃もしかけていないと言う事。

(もしかしたら瀬人の身に何か?)

あのネコが自分を強姦している相手に対し何もしかけて来ないなんて在りえない。

何かしら危害を加えられて動けない様にされたのでは?

幾ら瀬人が普通じゃないネコだとしても所詮は、ネコ。

遊戯は、瀬人の事が気になるも相手の力に太刀打ちが出来ない。

否、見知らぬ相手に犯されているのに躰は、貪欲なまでに快楽を求めてしまうのだ。

無意識の内に揺れる腰。

自分の中に在る相手のモノが肥大する。

相手の蜜と自分の内なる蜜でグチュグチュと音がなる。

 

海馬・・・海馬・・・

 

居る筈の無い相手。

遊戯は、達すると意識を手放す。

相手が放つ熱を体内に感じながら。

 

緩和される筋肉。

海馬は、遊戯の中に挿し込んでいる自分のモノを抜き取る。

その祭行かせまいと煽動する内肉に締め付けられた。

遊戯の秘所から零れ出す白濁とした粘液。

それに満足感を感じながらも罪悪感も同居する。

 

隠していたケースに入れられた濡れたタオルで遊戯の躰を綺麗に拭ってやる。

 

 

どれぐらい眠ったのだろう・・・

目を覚ますと寝夜着を纏い掛け布団を首元までちゃんと被っている。

しかも汚れている筈の躰は、綺麗に拭われて。

瀬人は、自分の隣で丸くなりながらスヤスヤ眠る。

まるで何事も無かったかの様に・・・

「アレって夢だったのかな?」

夢にしては、余りにもリアル過ぎる。

(きっと オレの願望が見せた夢なんだ。たまに現実と夢が区別つかなくなる事あるもんな。

そうだよな余り喋った事の無い海馬に抱かれるなんて有り得ない事だからな)

それに窓の閉まっている部屋にどうやって入って来ると言うのだろう?

(今度は、ちゃんと正面から抱かれる夢が見たいぜ)

自分の傍で眠る瀬人を撫でながらそう思う遊戯だったが瀬人の方は、

(どんな理由であれ俺は、自分の大切な人を汚した・・・

自分の中に在る欲に勝てなかった・・・)

後悔の念に苛まされていたが、

「瀬人 オレ良い夢を見たんだぜ 好きな人が出て来るんだ。

そしてその相手とエッチな事をする夢なんだけどな・・・」

動物相手なら告白しても問題無いと思ったのだろうが瀬人にしてみれば

(おっ・・・俺との行為が夢?そうか・・・遊戯にしてみれば夢なのか・・・それにしても俺に抱かれながら

誰とエッチな事をしている夢を見たんだ?)

複雑な心境・・・

しかし後悔心は、何処かに消え新たに芽生えたのは、嫉妬心。

 

何時か人間の姿で貴様を犯してやる!!



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