紅玉-至高の宝-10


遊戯の余り可愛いさに己を見失いそうになる。

だが今は、無理強いを強いて遊戯に嫌われたくない瀬人は、遊戯とのSEXを諦める事にした。

まさかこうも簡単に諦めてしまうとは・・・正直な所情けない気持ちになる。

それもこれも遊戯を想う余りの事なんだが・・・

 

自分を受け入れさせる前にまずは、遊戯自身が自分の寵妃である事を自覚させた方が事を運ぶには、

有利かもしれない・・・そう考える瀬人。

妻なら行為を受け入れてくれると思ったようだが受け入れて貰えるまでどれだけの時間を要するのかまでは、

考えに入ってない様だ。

遊戯の素肌に触れない代わりに今日一日自分の傍に居る事を強要し気が向けば何度でも唇を重ねた。

それは、食事中であっても同じだ。

まぁ・・・その都度遊戯は、酸素不足に陥りフラフラになっていたが・・・

その遊戯も今は、シャワーを浴びている最中。

遊戯の素肌を見るには、絶好のチャンス。

一応夫婦なのだから一緒に入っても問題無い筈だし元々自分達は、男なのだ互いの裸を見ても・・・

瀬人の方が反応する事は、間違い無いか・・・それを期にシャワールームで事に及ぶ可能性は、否定出来ない。

それに遊戯が「一人で入りたい」って言っていたのだ。

理由と問えば「恥かしいから」と顔を真っ赤にしていた。

そんな遊戯が可愛くて可愛くてついつい顔が緩んでしまう。

しかしそれでも遊戯のシャワーシーンを見たい気持ちが瀬人の心を支配する。

直接見るので無ければ間接的でも問題無い筈・・・「スリガラス越しに見ても問題無い」と勝手に決めシャワー

ルームへと行く瀬人。

 

 

 

 

「・・・解けないワケだ・・・想いが強い。オレの力を抑える程に・・・」

シャワーを浴びながら独り言を言う遊戯。

しかもその額は、微かにだが光を放っている。

(不愉快じゃないこの感情。彼に触れられる事でさえ不愉快だと思わない。寧ろもっと触れて欲しいと願って

しまいそうになる。)

軽く目を閉じながら思い出されるは、瀬人に抱きしめられる感触と彼がどれほど自分を想ってくれているのか

それを感じ取れる熱い口付け。

元々躰が触れるだけで少しぐらいは、人の気持ちを感じ取る事ぐらいは、出来たが瀬人の場合は、激しい

感情が流れ込んで来るのだ。

それをどれだけ塞き止め様と試みても簡単に乗り越えられて流れ込んで来るのだ。

(全くウィザース国第二王子であるこのオレが簡単に落されるなんて・・・情けないぜ)

だが言葉と裏腹にその表情は、嬉しそうだ。

今迄身分なんて関係なくここまで自分の事をこんなに激しく求めてくれる相手なんて居なかった。

(アイツにならオレ自身あげてもいいかな?)

と思っていても今の自分は、記憶喪失中・・・マハードが付けてくれた額のウィジャットが光り輝く時だけ表に

出る事が許された意識なのだ。

(封印を解いて欲しいぜ。じゃないとオレの気持ちを言う事が出来ない。あっ・・・でも一度ぐらいは、相棒に

逢いに国に帰らせてもらいたいかも・・・)

何日も逢っていない双子の兄ユギ・・・自分が居なくなって心優しい彼がどれほど心配している事か・・・

夢通いの力で一度だけ逢った兄。兄の事を考えると心が痛い。

そして自分に課せられているであろう重責。アテム王の想い。

(時折感じる力・・・街を覆う結界・・・間違い無くアテム王の力。彼の想いは、どれだけの年月が流れ様とも

変らないのか。

それにここ最近感じる負の感情。確実に大きくなってきている近い内に何かイヤな事が起きる。)

「・・・それまでに・・・封印を解かないと・・・」

「遊戯!!」

 

 

 

シャワールームから聞こえる微かな話し声。

誰かと話しているのかと思ったが聞こえて来るのは、遊戯の声だけ。

そして微かに光る影。

!!!まさか・・・

時折現れる遊戯の意識。瀬人が近付けば隠れてしまう。

流れ落ちる水音と共に聞こえた。

「・・・それまでに・・・封印を解かないと・・・」

(封印を解くだと・・・)

それは、記憶の封印だと言う事が容易に予測された。

だったら邪魔をしてやる封印なんて解かせない。遊戯は、俺のモノ。誰にも渡しは、しない。

遊戯の双子の兄にも・・・

だがそれ以上に襲い来る拭い去る事の出来ない不安感。

遊戯を手中に治めても今尚瀬人の心を襲って来るのだ。

「遊戯!!」

勢いよく扉を開け温かいお湯が流れ出るシャワーを浴びる遊戯の腕を掴む。

驚きの表情を浮かべた遊戯の額には、ウィジャットが未だ輝いている。

この時瀬人は、もう一つの人格を捕らえた気持ちになったがその人格は、微かな余裕の笑みを浮かべ。

「またな・・・」

とだけ言い残しウィジャットが消えたと同時に消えたのだった。

掴んでいる指に力が入ってしまう。

 

聞きたい事が有ったのに・・・

 

悔しい気持ちに支配される。

だがそんな気持ちから引きずり出したのは、遊戯の

「痛い・・・」

の一言。

「瀬人様・・・腕が痛い。離して・・・」

眉間に皺をよせ苦痛の表情を浮かべている遊戯。

慌てて手を離せばクッキリと着いている手型。

遊戯は、腕をさすりながら

「どうしたんだ?急に・・・」

衣服を着たままシャワーの湯を浴びズブ濡れになっている瀬人。

遊戯は、コックを捻り。

「早く出ろよ。服濡れたままだと躰を壊すぜ」

瀬人をシャワールームから押し出そうとする。

「貴様は、誰と話していた?」

「はぁ?」

何を言っているのか解らない。そう言いたげな表情を浮かべる遊戯に

「俺がシャワールームに入る前・・・誰と話していた?」

自分を見据える蒼い瞳にドキッとさせられながらも

「気の所為だぜ。オレは、一人で入っていたんだ・・・」

そんな事有りえない・・・でも・・・

ここ最近記憶が途切れてしまう事がある。

正直、瀬人が入ってくるまでの記憶が曖昧なのだ。

不安気に俯く遊戯。

そして瀬人は、有る事に気付く・・・

眼下に広がる光景。

あれほど見たかった遊戯の裸体が惜しげも無く晒されているのだ。

小さな胸の飾りが目に付く。

触れたくて触れたく仕方がなかった素肌。

自ずと伸びた手が遊戯の胸を伝い腰のラインを撫でる。

余りの事に驚き身を捩り逃げ様とする遊戯の躰を抱きしめ指先で背骨の所をゆっくり上下に移動させ

遊戯の反応を楽しむ。

背骨付近を撫でられる度にビクビクと反応する遊戯。

その手が背中を所狭しと蠢く様がくすぐったいのか恥かしいのかビショビショに濡れている瀬人の衣服を掴み

耐えている。

そんな遊戯が『可愛い』と感じた時点で瀬人の欲望が膨らむのは、当然。

耐えている遊戯の耳元で

「貴様が欲しい。貴様と繋がりたい。」

囁く様に言えば驚きの色で見開かれる紅い瞳。

否定するかの様に左右に振られる首。

だが瀬人の欲望は、既に抑えが効かないのか遊戯を横抱きにするとそのままシャワールームを出て寝室へ。

ベッドの上に投げ出されてしまう遊戯は、一瞬呻き声をあげてしまう。

その間に濡れた服を脱ぎ去り自らもベッドに乗り遊戯に近付く瀬人。

余りの展開に着いて行けない遊戯は、後ずさりをしながら逃げ様とするが足首を掴まれ引き寄せられそのまま

瀬人に圧し掛かれてしまい逃げる事が出来なくなった。

「遊戯・・・俺から逃げられると思うな。」

真摯な蒼い瞳に浮かぶ炎にゾクッとしてしまう。

「でも・・・オレ男だぜ」

「それがどうした?俺は、貴様を生涯の伴侶に選んだ時点でそんな性別なんぞ関係ない」

「世継ぎだって・・・」

「何度言わせる?そんな問題は、モクバに任せるだけだ」

「オレと瀬人様じゃ身分の違いが・・・」

「俺がこだわらない事に貴様がこだわってどうする?」

確かに遊戯がこだわっている事を瀬人が全くこだわっていない。

「俺に任せろ優しく抱いてやる。」

男なんて抱いた事が無いし抱かれた事なんてない。

どうすればいいのかなんて解る筈も無い。

だが遊戯と繋がりたい。遊戯の全てを感じたい。そして自分の全てを遊戯に感じて貰いたい。

 

多分目の前の男に何を言っても自分を抱く事しか言わない。

抱かれたく無いワケじゃない。恥かしいのだ。

それにどんな事をされるのか解らないのだ恐怖だって抱く。

この蒼い瞳の男の事が好きなのに・・・身を委ねるのが怖い。

 

啄む様なキスを何度も繰り返される。

足元で感じる彼の欲望が膨れ上がるのが恥かしい程解る。

(オレに感じてくれているのか?)

「遊戯 抱くぞ」

そんな張りつめたモノを放置させたら・・・

縦に振られる首。

『承諾』

採算の直球も受け止めてくれなかった遊戯が受け止めてくれた・・・

何時爆発してもおかしく無い程募る想いに瀬人は、抑えが効かなくなり遊戯の意識が飛んでしまうかもしれない

ぐらいのキスをする。

 

 

「はぁぁ・・・あはぁ・・・」

自分でも信じられないぐらい甘い声。

そんな声を出すのが恥かしく口を両手で覆い隠す。

想像していた事だったが実際、想像するのと見るのとでは、その可愛さは、倍ほどの違いがある。

「遊戯 貴様の声を聞かせてくれ」

その問いに遊戯の首は、左右に振られる。

「遊戯 俺の手によって感じている貴様の声が聞きたい」

それでも尚左右に振られる首。

 

それなら快楽の波に落してやる。

声を抑える事が出来ない程に・・・

 

 

差し出されるかの様に着き出された首筋に何度も唇を落し紅い印を着ける。

遊戯が自分のモノであると言う証。

浮き上がっている鎖骨を舐め上げ歯を立てる。

その部分にも所有印を付ける事を忘れない。

自己主張をしだした遊戯の胸の飾りの片方を摘まみ引っ張り捏ねる。

もう片方には、自らの舌先で舐め口に含み吸い上げる。

「ふぅ・・・んん・・・・はぁ・・・」

次第に抑えきれなくなる声。

女でもないのに何故自分は、胸を嬲られただけでこんなに恥かしいまでに感じるのか・・・

困惑してしまう。

でも気持ち良いのだ・・・感じるほどに・・・

 

遊戯今は、貴様の躰だけを貰うがいずれは、貴様の心や魂までも俺のモノにしてやる。

 

遊戯の胸を攻めている間にも空いている手は、遊戯の腰を伝い太股を撫であげ内腿を優しく掴みながら

ゆっくりと開脚をさせ閉じられない様に躰を挟み込ませる。

腹部に感じるモノが次第に太さをましていくのを瀬人は、感じ触れてやると

「ああ・・・ダメ・・・何処触ってるの・・・」

焦りの声が上がるものの緩く扱いてやるとその声が次第に悦なる声に変わって行く。

「ココを人に触れられるのは、初めてなのか?」

コクンコクンと縦に降られる首。

(キスさえ初めてなのだからSEXんてモノ自体初めて・・・それを知っていてこんな質問をするとは、

我ながら滑稽だと思う)

「ふぁ・・・そ・・・やぁ・・・離し・・・」

「無理だな。手が離れたがっらん」

初めての行為に感覚が着いて行かない。

涙を流し感じている遊戯の表情を傍で見ながら

(もっともっと俺の手で感じろ・・・俺の事だけをその身に刻み付けるんだ)

クチャクチュ・・・

と鳴る水音。

(コイツの蜜は、どんな味がするんだ・・・)

零れ出る蜜・・・その味を味わってみたいと思った。

 

 

湿った生温かい感触。

自分の顔を見ていた筈の瀬人が居ない。

少し顔を上げてみると自分の下肢に茶色い髪が・・・

「やぁ〜やめ・・・そんな・・・汚いぜ・・・」

ソソリ立つ中心部分を舐めている姿。

「貴様のなら汚くないぞ。寧ろ甘くて旨い」

ズズズズ・・・と先端を吸い上げられる。

「はぁぁ・・・やぁ・・・ん・・・」

舌を絡め口の中に含んで上下運動をする。

「やめて・・・ああ・・・出る・・・出ちゃ・・・」

キュッと根元を締められイク事が出来ない。

「未だだ。俺は、もう少しこの蜜を味わいたい」

(ああ・・・ついでにコッチも解すか・・・

俺を挿入した時少しでも痛みを緩和させてやらんとな)

自分の唾液を指に絡めると双丘の奥に眠る場所へ突き進ませる。


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