顔を見ぬ婚約者殿-Back Version-



二人は、リビングから2階にある遊星の寝室へと向った。

狭い部屋の隅に置かれた薄汚いベッド。布団もシーツも綺麗とは、言いがたい。

こんな布団で遊星は、寝起きをしていると思うと眩暈がしてくる。

だがシティでも最下層に居れば良い物なんて簡単に手に入らない。

サテライトに比べたらこの布団もシーツもまだ綺麗な部類だろう。


ジャックは、遊星に服を脱ぐように促す。

初めて躰を繋ぐのだから本当は、ジャック自身が遊星の服を脱がせたかったが彼女が恥じらいながら服を

脱ぐ姿を見てみたかった。
ジャックは、ベッドの端に座り遊星に服を脱ぐように指示を出す。

人前で服を脱ぐのは、当然の事ながら恥かしい。

それ故になかなか脱ごうとはしない。

「遊星」

優しい声で名を呼べば遊星は、一度ジャックの方を見たがその視線は、直ぐに下に向けられた。

だが暫くし決心がついたのかゆっくりとだがシャツに手をかけた。

1枚1枚と床に落とされる服。

愛しい者が恥らって脱ぐ様は、なんと艶かしいのだろう。見ているだけなのに自分のオスが反応するのが

解る。

(早く脱いで俺の元に来い。お前を早く抱きしめたい)

そう想い心が逸る。だがその想いは、決して口に出さない。

男としては、最愛の者の前では余裕の在る姿を見せていたいもの。

だがその所為でゆっくり脱いでいる遊星をなかなか抱きしめる事が出来ないのだが・・・



++++


「ジャック・・・」

恥らう声。全てを脱ぎ終えた遊星は、両手で前を隠しながら立っていた。

カーテンが引かれた部屋。そのカーテンの隙間から差し込む光が遊星の華奢な躰に美しい陰影を与えていた。

その陰影からも目が離せなくなる。

「遊星こっちに・・・」

上擦る声。今時分がどれだけ緊張しているのか・・・

戸惑いながらも一歩一歩ジャックの元へと歩を進める。

ジャックの膝先まで来るとジャックは、自分の足を左右に開き。

「ココに・・・」

自分の足の間に来る様に促す。

少し困った様な表情を一瞬見せたもののそれでもジャックの腕が届く所まで行く。

ジャックは、遊星の前に置かれている両腕を外し左右に追いやると細い躰に腕を回し抱き寄せる。


サテライトで栄養の行き届いた食事なんて到底無理なんだろう。

小さな胸、浮き出た肋骨・・・服を着ている時も細いと思ったがやはり脱いでしまえばその細さが明らかになる。

小さいとは、言え遊星の胸は形が良い。

今迄抱いたどの女よりも・・・


そう思った時遊星も自分と同じ様に異性と行為に及んだんだと思った。

サテライトは、女の数が少ない。

見つかればどんな事をされるか判らない。

レイプなんて日常茶飯事なのかもしれない。

それ故に女は、保身を謀るために強い男に寄り添う。


力が無い者が強い者に守ってもらうのは、当然な事・・・解っているのに・・・解っては、いるのに遊星を抱いた男
が許せなかった。




「ジャック・・・」

自分を抱きしめて動かないジャックにどうしていいのか困惑してしまう。

頭上から遊星に声を掛けられて我に返るとジャックは、目の前にある胸の飾りに吸い付いた。

「あっ・・・ん・・・」

恥かしいのか声を押し殺し耐える。

両腕が自由だったら目の前の金髪に抱きついてたかもしれない・・・

ピクピクと震える躰。押し殺している声。

ジャックは、一度乳首を解放すると

「声を押し殺すな。お前の感じている声を俺に聞かせろ」

優しく言うが遊星は、首を左右に振りながら

「この体勢嫌・・・」

震える声で訴える。

「ああ・・・確かにこの体勢では、お前の全てを愛せないな」

そう言うとジャックは、遊星を隣に座らせゆっくりとベッドへと押し倒した。

遊星に圧し掛かる様に躰を重ねながら

「今度は、拒むな。俺を受け入れろ」

と遊星の唇に触れるか否かの距離で話しかける。

遊星が肯く前に唇を重ね合わせ柔らかさを堪能する。

しかし頑なに閉ざされた唇によって口腔内への侵入が出来ない。

まるで拒まれている気になる。

ジャックは、一端遊星の唇から離れ苦情を言おうとしたが彼の目に飛びこんできたのは、目を強くつぶり身を

固くしている遊星の姿。

(まさか・・・)と思いは、した。

「遊星 躰の力を抜いて少し口を開けろ」

えっ?と言う表情を造りは、したものの遊星は、ジャックの言う通り口を開けた。だが躰に篭った力を解す事は、

しなかった。と言うより出来なかった。


開いている口に自分のモノを重ね今度は、口腔内に侵入を果たす。

ジャックの舌が遊星の口の中に入った時ビクッっと躰が反応した。

歯列をなぞり頬肉を刺激し奥に逃げている舌を追いかけ絡め取る。互いの唾液が行き来しながら遊星の

頬を濡らす。

どれだけの間そうしていたのか解らない。

唇を解放した時涙を零しながら荒い息を吐いている遊星の姿を見て

「何をそんなに息を切らせている?・・・まさかとは、思うが初めてだったのか?」

慣れていれば口を塞がれていようと鼻で呼吸をする。

だが遊星が鼻で呼吸をしている様には、見えなかった。

「わ・・・悪いか・・・初めてで・・・」

途切れ途切れで言われる台詞息を切らせながら言っている遊星の姿が余りにも可愛い。

だが遊星の方は、

(初めてだとやっぱり重荷になるんだろうか?オレに興冷めでもしたのか・・・)

複雑な気持ちでいた。

「悪くは、無い。キスの最中でも呼吸は、鼻ですればいい・・・もしかしてこんな行為に陥るのも初めてなのか?」

こんな行為・・・これから自分達がする行為の事なのだろうと察した遊星は、横を向きコクンと首を縦に振る。

ジャックの顔がまともに見れないのだ。

遊星の反応にジャックは、数分否数秒なのだが動く事が出来なかった。

予想外の反応だったのだ。

てっきり遊星は、玄人だと思ってたまさか素人だとは・・・

「それなら優しくしてやらねばならんな」

「えっ?」

横を向いていた遊星の顔を自分の方に向けさせ

「俺好みの女にしてやる。」

優しい笑みを浮かべながら宣言する。

余裕を見せて宣言したつもりなのだが内心穏やかでは、無い。

穢れを知らない躯を汚す背徳な気持ち。

無垢な魂を天から引きずり堕とす快感。

自分でも感じた事の無い感情に振り回される。



「今度は、受け入れろ」

それだけを言って再度遊星の唇にムシャブリつく。

激しい口付けに吐息と意識までが持って行かれそうになる。

鼻で呼吸をしようにも上手く出来ない。ただただ早くこの口付けが終わるのを祈るばかりだった。

遊星の唇を堪能したジャックの唇は、遊星の耳朶を刺激しだす。

その間遊星は、荒い呼吸をしながらなんとか新鮮な空気を取り入れ様とする。

耳朶を攻めている間片手で小さな胸を搾乳しもう片手で遊星の片足を広げ閉じられない様に自分の躰を

挟み込む。

首筋や鎖骨を甘噛みしている間に器用に自分の衣服を脱ぎ去り躰を重ね合わせる。

ジャックから与えられる刺激の間中声を出すのが恥かしいのか遊星は、両手で口を押えながら声が零れる

のを防ごうと試みる。

「遊星 俺にお前の感じている声を聞かせろ。」

フルフルと左右に振られる首。

「お前が俺の手で感じている声が聞きたい」

それでも両手を外そうとしない。

ジャックは、遊星の口に宛てられている手を一纏めにし片手で拘束する。

そして先程まで自分が吸いついていた首筋や鎖骨部分に触れる。

その場所には、ジャックが付けた赤く鬱血した痕があるから・・・

愛おしい気持ちでその痕を指先で触れ柔らかな乳房へと降りて行く。

寝そべれば大抵胸は、左右へと圧し広がるのに遊星の胸は、形を崩す事無く留まっている。

その柔らかな乳房に唇を宛て舌先で濡れた道筋を作り次第にプックリとした突起へと移動をする。

舌唇に突起が触れると今度は、それを含み吸い上げる。

「・・・う・・・あぁ・・・」

舌先で転がしたり絡ましたりして刺激を与えながら空いているもう片手が脇腹を伝い太股に触れながら

ゆっくりと陰部へと滑らせて行く。

「敏感な躰なんだな。それに旨い・・・」

ジュクジュクと濡れている場所を中指の腹で擦りながらゆっくりと含ませる。

今迄生理的目的以外で触れた事の無い場所に指を突き刺され身を捩って逃げてしまいそうになる。

だが身を捩ろうにもジャックの躰に組敷かれているので捩る事が出来ない。

しかも親指で小さな突起部分をクリクリと捏ねられ腰から甘い痺れが伝わって来るのだ。



突き刺さる指も1本から2本へと増やされてしまう。

その間にも恥かしいながらも甘い声を上げてしまう。

(ああ・・・何て声出してるんだ?本当にこれがオレの声なのか?何て恥かしい声を上げているんだ?)

自分の声でも感じてしまう。

そんな遊星の顔を真直で堪能するジャック。

(女の感じている顔でココまで楽しいと感じたのは、コイツが初めてかもしれない。)

俺しかしらないコイツの顔を見て見たいと思う。

そう思えば思う程自分の張りつめたオスの部分が遊星の中に入りたいと痛みを伴い訴えて来る。

だがそんな訴えよりもっと遊星の感じている顔を見ていたいのだ。

ジュクジュクになっている場所・・・そこから溢れ出る蜜の味を味わいたいと思う。

ジャックは、遊星の両手の拘束を解きゆっくりとだが躰を下へとずらして行く。そして蜜を溢れだしている場所に

突き刺している指を抜くと代わりに舌を突き刺した。



「あっやぁ!!ジャック・・・そんな所舐めないで・・・・」

恥かしくて足を閉じ様にも太股を押えられ閉じる事が出来ない、その間にもピチャピチャ・・・と舐める音と

ズズズ・・・と吸う音が交互に耳に届き初めて知る快感に遊星は、身を震わせていた。



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