拾いモノ-2-
「おい お前何時まで寝ている?いい加減起きないか。」
聞き慣れない声。
「もう少し・・・」
余りの眠さ故に聞こえた幻聴だと思ったがそれでも返事を返す。
「もう少しだと?既に朝の7時を過ぎているぞ!!」
7時・・・
聞こえた時間に反応して起きると目の前には、紫の瞳の金髪男性。
「!!」
声無き声を上げるが何を思ったのか遊星は、
「そうだジャック!!アイツに御飯あげないと!!」
昨日拾った狼の事を気にしだす。
その反応に男は、
「お前 目の前の現実を無視するな。普通見知らぬ男が目の前に居たら驚け!そしてそこに居る事を否定
しろ」
「スマナイ。お前の話しを今聞く気になれない。今は、ジャックの朝御飯が先だ。お前との話しは、その後だ。」
尚ジャックの事を気にかけベッドから出て行こうとする遊星の腰を抱き抱え行かせまいとする。
「離せ!」
「お前 今の自分の姿をよく見てみろ」
その言葉に遊星は、自分の姿を見る。
「!!!・・・なっ・・・」
一糸纏わぬ全裸。
「どうしてだ?寝る前には、着ていたはず・・・」
パンツ1枚穿いていない。
しかも紅い花弁が至る所に着けられている。
「退屈だったのと俺自身今発情期に入っていてSEXがしたくなったんだ。」
男は、屈託無い笑みを浮かべ遊星をベッドに引きずり込み遊星を組敷く。
よく見れば男は、上半身裸。シーツに隠れている下半身を想像したくなかった。
「SEXって普通男女で行う行為の筈だが・・・お前から見ればオレは、女に見えるのか?」
「そんな事無い。女にこんなモノ付いていないからな。一先ずお前の外見が気に入った。それにお前の味も
気に入った。」
(味・・・?)
何の事なのか解らない。
「お前が寝ている間に舐めていた。」
首筋から胸元をゆっくりと指先でなぞる。
ビックと反応する遊星に笑いが出そうになる。
「ココは、格段に旨かったぞ。」
胸の飾りを指で摘まんだり引っ張たりして遊びだすと感じるのか震えだす。
その反応が誘っている様に見え男は、胸の飾りに吸いつく。
「やはり旨いな。」
ピチャピチャと言う音をわざと立てながら刺激を繰り返す。
遊星は、唇を噛みしめながらなされるがままになっている。
今口を開け抵抗する言葉を発せば喘ぎ声になってしまうかもしれないのだ。
「俺に抱かれる事を光栄に思え。お前の中に俺の精子を溢れる程注いでやるからな。」
「男の・・・オレ・・・を犯すなんて・・・あんたイカレテル・・・」
「イカレテいないさ。俺は、正常だ。イカレテいるのは、お前の方だ男に犯されると言うのにお前のココは、反応
しているのだからな。」
男が言う通り遊星の男根は、反応し蜜を纏いかけているのだ。
男に組敷かれながら頭の中では、冷静な自分が居てその自分がジャックの事を気にしていた。
この部屋に居ない所を見ると別室に居るのだろうか?
それともこの男に酷い事をされて怪我を負ってしまったのだろうか?
もし元気ならお腹を空かせていないだろうか?
怪我をしているのなら手当てをしないと・・・。
いろんな思いが駆け巡る。
それを読み取ったのか男が
「他の事を考えるとは、余裕だな。お前が昨日拾った狼なら元気だぞ。」
「!!」
「何故ならお前は、その狼によって食われ様としているのだから。」
男の言っている意味が解らなかった。
『食われる』と言うのは、この状況からすれば『犯す』と同意語だろう。
だったら自分を『食う』行為に走っているのは、この男であってジャックじゃない。
「まだ信じられんか・・・仕方が無いかもしれんお前は、狼の姿をした俺としか会ってないのだから。」
「!?」
男の耳が急に尖りだしフサフサの毛が生えてきた。
それは、紛れも無く犬の耳。
「驚いているお前の顔にもそそられる。さておしゃべりは、ココまでだ。俺は、腹が減っているお前を頂くとしよう。」
そう言うと遊星の首筋に口を当てて吸いつく新たに散る花弁。
そうしている間にも男の手は、遊星の男根をゆるく上下に扱いている。
+++
「あ・・・はぁ・・・」
(熱い・・・躰が焼けそうだ・・・)
初めて知る感覚にどうにかなりそうだった。
「ククク・・・良い締め付けだ。初めてとは、思えん。」
信じられない場所に突き刺さる楔。
肉と肉のぶつかり合う音。
そしてグチュグチュ・・・と結合部分から鳴る音。
男が男に犯されるなんて・・・。
男の精力に終わりが無いのか何度体内に放たれまた自分も放ったのか解らない。
実際何度か意識が飛んでしまったが意識が覚醒すると容赦無く犯された。
否 男な意識を無くした己の躰から男根を抜く事無く意識の覚醒を待っていた。
そして覚醒すると動きだすのだ。
「遊星・・・お前に獣姦をしてやろう・・・」
「じゅ・・か・・・ん・・・?」
SEX自体した事が無い遊星に獣姦なんて言っても意味が解らない。
男は、遊星の耳元で
「獣に犯される事だ。」
楽しそうに囁く。
意識が混濁状態の遊星に男の言葉の意味なんて理解出来る筈が無い。
男は、何処か楽しそうにその姿を変えていく。
綺麗な顔立ちが鼻先が伸び無数の毛が生えだす。
変貌していく男の姿をまるでテレビでも見ている感覚で眺めている。
既に遊星には、物事を判断する意識が無い。
ただ無意識に躰が反応して逃げ様とするだけ。
目の前に居るのは、男じゃない。
目の前に居るのは、自分が昨日拾った犬・・・ジャックだ。
「キツクなったな。良い反応だ。獣に犯されると言うのは、どういう感じなのだ?」
虚ろな瞳で自分を見上げる遊星。
「快楽に飲まれ過ぎて解らぬか。だがこの躰は、素直に逃げ様としている。流石に獣に犯される事に抵抗を
感じているようだ。遊星お前を手放したりしない。お前は、一生俺のモノだ。この俺が飽きお前を食い殺すまでな。」
とんでもない事を発言するもそれは、遊星の耳に届いておらず。
ただただ快楽の波に飲まれ藻掻いていた。
何度目かの吐精で遊星は、完全に意識を失い。
深い眠りへと落ちて行った。