11.距離
遊戯が海馬邸にやって来てから2ヶ月が経とうとした。
海馬の仕事は、いつもの様に忙しく休日も屋敷でゆっくり
する時間がなかなか取れないでいたのだが
どんなに遅くなっても会社に泊らずちゃんと帰宅をする兄
にモクバは、嬉しくって仕方がなかった。
以前に増して兄と過ごす時間が増えたからだ
「兄サマが毎日帰ってくるの遊戯のおかげだぜ!」
満面の笑みで喜んでくれるモクバに遊戯も嬉しかった。

そんなある日・・・
海馬にとって不機嫌にならざる得ない事が起きた。
海馬ランドのアトラクションに不備が発覚したのだ。
運良く工事段階で発覚したのだが自分が直接見に行
かないといけない状態になり急遽1ヶ月の出張に出る事
になったのだが
その間、遊戯に会い抱き締める事が出来ないので不機嫌
極まり状態に・・・
流石にこの状態は、いただけないと思ったモクバは遊戯に
出張先まで同伴を頼んだのだが
「公私混同は、良くないぜ」
の一言・・・
海馬自身も公私混同は、嫌うタイプなのだが部下達の事
しいては、海馬の精神状態の事を考えて今一度、遊戯に
頭を下げて頼み込むと
「わっ判ったからモクバ頭を上げてくれ!」
かくして遊戯も海馬のお供に加わったわけなのだが・・・
飛行機で移動中 少しでも遊戯が席を立とうものなら
「大人しく座っていろ」
景色を見ようものなら(雲ばかりなのだが・・・)
「他に気を移すな」
だのいろいろと注文を付けられる

ちっ・・・部下が居る手前 遊戯を抱き締められん!!

近くに居て遠いそんな曖昧な距離感にさい悩まされていた
ものの宿泊先のホテルに着くやいなや遊戯を抱き締め
遊戯の唇に己のを重ねあわせた。
「か・・・海馬〜苦しいぜ」
口付けの最中思いっきり抱き締められて苦情を言う遊戯に
「フン・・・やっと貴様との距離が無くなったのだ我侭言うな」
「我侭って・・・どっちが我侭なんだよ〜!」
そう言って夜は更けていきました・・・
ちなみにこの2人は、未だに告白などしておらず
海馬にいたっては、自分が遊戯に対する感情に気が付いて
居ない状態で本能のまま抱き締めており遊戯に間しては、
自分の感情に気が付いてはいるもののセトに対する気持ち
を忘れられないのです。
それ故なのかこの2人は、キス以上はしていません
いたって健全(?)なんですが・・・

進む  戻る  ひとつ前に戻る