06.好き?
「まだ見つからないの??」
「申し訳ありませんユーギ様」
1ヶ月経ってもなかなか見つからない遊戯に
ユーギは、苛立ちを覚え始めていた。
「早く彼を見つけないと今の彼は偽体を身に
纏っていないんだよ!最悪の場合消滅しちゃ
うよ!!」
「それがユーギ様 遊戯様は、何者かに護ら
れているようなんです。」
下位の天使の言葉にユーギは、

まさかあの人が・・・そんなはずは無い!
あの人は、遥か昔に・・・

ユーギが過去を思い出している事は、知らな
い遊戯は、海馬との出張を終え海馬邸で転寝
をしているその頃、海馬の弟モクバが何時まで
たっても進展しそうに無い兄の行動に

もしや兄サマ自分の気持ちに気が付いていな
いのでは、と思い兄が居るリビングに・・・
「兄サマ聞きたい事があるんだけど少しいいか
な?」
「どうしたんだ改まって・・・」
英字新聞から眼を離さない兄に
「兄サマは、遊戯の事 好き?」
クシャ・・・
思わず読んでいた新聞を握り潰す兄・・・
「どうた?急にそんな質問を・・・」
上擦った様な声で答える兄にモクバが
「兄サマ 遊戯を傍に置いたまま離そうとしない
からってきり好きなのかなぁ〜なんて思ったん
だ。俺としては、このまま遊戯に居てもらいたい
し出来る事なら海馬の人間になってもらいたい」
考え込み出した海馬・・・

兄サマ自分の感情に気が付いてなかったんだ
これで進展してくれたら良いんだけど・・・

そう思いながら兄をリビングに残してモクバは、
自分の部屋に戻って行ったがその事に気が付
いていない海馬は、

俺が遊戯の事を好き?・・・確かに遊戯を傍に置い
て置きたいし手離したくない・・・
あいつがセトの事を話すのは、我慢出来ん

いろいろと思い当たる事を並べて行くと行き着いた
先が

俺は遊戯の事が好き・・・
だから傍に置いて置きたい手離したく無い
あれは、俺が唯一認めた相手・・・

モクバが居なくなった事をすっかり忘れそまま私室
に戻るとあいも変わらずソファの上でセトから貰った
と言うマントを纏いながら寝ている遊戯に苦笑しなが
ら傍まで行き柔らかな紅い髪を梳くと
「貴様は、俺のモノだ俺から離れる事は許さん・・・」
そう言いながら遊戯を抱き上げ寝室に行くのでした。

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