- 優しく抱き締めてくれていた腕が次第に強く瀬人の方に引き寄せられ
- ユキは、更に頬を染めた
- 「オレ・・・」
- 「今 答えを出さなくていい・・・
- 2日後 俺はここを発つ その時迄に聞かせてくれたらいい」
- ユキの心臓は、早鐘のように高鳴ったが
- その心は、底の無い湖に落ちて行くかの如く先の見えない悲しみに包まれた。
-
- 瀬人お前の心音がオレの耳に気持ちいい旋律を奏でているようだ
- お前の声 お前の腕は、冷えたオレの心に温かい風を送ってくれる・・・
- お前の想いに答えられたらきっとオレは世界で一番幸せにな花嫁になれるんだろうな
- でもオレはお前の伴侶になれない・・・
- オレにはオレの使命があるから
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- 自ずと流れ出す涙・・・
- 人を好きになる事を知らなかったままで居られたらどんなに良かったか
- そうすれば涙を流す事もなく己が使命の事だけを考えられたのに・・・
- ユキは、自分の想いに気が付いたがどうする事も出来ない
- 今の自分に嘆くだけだった。
- 瀬人自身涙を流すユキにどうしてやればいいのか判らずただ・・・ただ・・・抱き締めていた。
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- その夜・・・
- ユキは、カノンの家に居た。
- 瀬人には、「カノン爺ちゃんに用事がある」とだけ言って
- 「爺ちゃん・・・オレ・・・オレ・・・瀬人の事・・・」
- 「ユキ それ以上言わなくていい・・・お前が自分にとってイイと思う道を選ぶがいい
- お前の人生なんだから 舞もきっとお前の幸せをあの世から祈っているだう」
- 俯きながら必死に泣くまいとするユキ・・・
-
- ユキよ 数奇な運命の元に産まれし娘よ
- ワシの感が当たっていればお前の行く先々にきっとあの男が現れよう
- 破滅と死を呼ぶであろう瀬人が・・・
- そしてそれを知ったとしても互いに惹かれ合う定めなんだろうて
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- 「爺ちゃんオレどうするか決めたぜ・・・もう迷わない・・・
- 爺ちゃん話し聞いてくれてありがとう オレもう戻るぜ瀬人が待ってるから」
- 笑顔で言うユキ・・・
- しかしその笑顔は、決心した者の笑顔ではなく
- 最愛なる者との別れを悲しむ笑顔だった。
-
-
- その頃 瀬人はユキが村で住んでいる長屋の一室で寝転がりながら天井を見ていた。
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- ユキどうすれば貴様は、俺のモノになるんだ?
- どうすれば俺の気持ちに答えてくれる?
- 俺は、貴様の為になら何でも出来る
- 貴様が望むのなら神さえ膝ま就かせるのに
-
- 自分に残された時間は、2日それまでに何としてでも・・・手に入れたい
- しかしその前に自分達の弊害になるであろうカノンをどうすればいいか
- 瀬人は、思案に耽っていると
- 「瀬人 布団を引かずに寝てると風邪を引くぜ」
- 「もう用事は、済んだのか?」
- 部屋に入り布団を引っ張り出すユキを瀬人は手伝いながら尋ねると
- 「ああ・・・」
-
何かここまで書いて後何話続くのか考えてしまった。
管理人しっかり壊れてます。