- 羅刹達は第4班が待つ場所に居た。
- 何時までも爆発しない城を見て
- 「今夜の作戦は、失敗に終わったようだな」
- 「はっ羅刹様申し訳ありません」
- 「よい今度の忍頭は、切れ者のようだ
- 甘く見ていた俺の作戦負けだ」
- そう言うと羅刹は、1人何処かに行こうとしていたので部下の1人が
- 「羅刹様どちらへ?」
- 「私用だ 俺1人で行くから付いて来るな」
- 羅刹の身体は次第に暗闇に同化して行き
- 最後には、姿形でさえ見えなくなっていった。
- 「付いて来るな・・・と言われても」
- 「あの方の素早い動きに我々でさえ追いつけぬ」
- 羅刹の消えた方を身ながら部下達は、頷きあっていた。
-
- 羅刹は、部下達が追ってこぬ事を確認すると仮面を外しユキが居る村に向かって
- 走り出していた。
- シャイン・キングダムから村まで全速力で走っても3時間・・・
- 忍と言えど簡単な移動距離では、無い
- それに村迄の道は、曲がりくねっている上に安定していない吊橋が1箇所あり
- バランスを崩せば忍と言えど谷底にまっさか様・・・
- 命の保障なんて無い
- それでも瀬人は、ユキに逢いたい一心で村までの道のりを急いだ。
-
- その頃シャイン・キングダムでは、無茶な作戦でマハードにコッテリ叱られた遊戯は
- 自分専用に割り当てられた個室で落ち込んでいると
- 「遊戯 マハードに叱られた様ね」
- 扉付近からあまり聞き慣れない声・・・
- 遊戯が振り返るとその声の主は、可愛い笑顔で
- 「ノックも無しで部屋に入って御免なさい」
- 「杏子様!」
- ユギ国王の后 杏子が遊戯に近づくと
- 「遊戯 マハードの事 嫌いになった?」
- 「いいえ マハードは、オレの身を案じオレの為に叱ってくれたのです。
- 嬉しい事だと思っています」
- 遊戯の応えに杏子は、安心した様に
- 「よかった・・・もし嫌いになったのならどうし様かと思ったの」
- 「どうしてです?」
- 「う〜ん 何て説明していいのか解らないけど・・・」
- 小首を傾げる杏子に遊戯は、軽く笑みを見せると
- 「杏子様 何かオレに用でもあったのでわ?」
- 「あっ!!忘れる所だった。遊戯 今日の午後から明後日の午後までゆっくり休みなさいって
- 言いに来たの」
- その言葉に驚く遊戯
- そんな遊戯を見て杏子は
- 「誤解しないで貴女をクビにする気なんてないわよ
- ただこの城に来てからって言うもの貴女には、休みなんて無かったから気晴らしにって思ったの」
- 「杏子様御好意は、ありがたいのですが・・・オレは忍頭・・・何時如何なる事があってもすぐに主を
- 御守りするのが役目だと思っています。」
- 「遊戯・・・」
-
- ああ・・・何て一途な人なんでしょう
- 「アイシスから聞きました。城下町には間者が潜入しているかもしれないのでしょ?
- もし町で何かあればそこは、戦場になるかもしれない
- そんな時 忍頭の貴女が町の事を知らずしてどの様に作戦をたてるの?
- その為にも貴女には、休みと言う名目で町に行ってもらいたいの
- それに城内の事ならマハード達を信じて任せてみてもいいんじゃないかしら?」
- そんな杏子の言葉に遊戯も頷くばかり
-
- 確かにオレは、ココに来て一度も町に出た事が無い
- そんなオレに町なかで戦えって言われて上手く戦術がたてられるだろうか?
- 否 たてる事は、出来ない
- 敵にいい様に翻弄されて味方を失い町の人々まで巻き添えにしてしまう
- 杏子様の言うとおりだ
- ここは、町に出てみよう
- 「杏子様 オレに休みをとらせて下さい」
村にユキが居ない事を知らない瀬人・・・
一応 仮面を外したので羅刹から瀬人に呼び名が変わっています。