- 村に着いたのは明け方頃・・・
- 忍服のまま村に入るワケには、いかず瀬人は、村に入る直前に今迄着用していた忍服を脱ぎ
- ユキが手縫いで作った着物に着替えた。
- 忍服は、この村を影から護らせている部下に預け
- 村に異常が無かったのか報告を聞き「異常無し」の言葉に安堵しながらそのままユキが居る筈の長屋に赴いた。
- 1度訪れた事のあるユキの家の前に着くと
- 逸る想いを落ち着かせ
- まずユキに逢ったら何を話そうか・・・
- 俺以外の男を泊めていないか・・・
- 話したい事・聞きたい事を今になって考え出した。
- しかし幾等考えた所で何も思いつかず「行き当たりばったりで話をする方が自然でいい」と思うようになっていた。
- 家の扉を開け様とした時
- 「おい・・・お前そこでなにしてるんだ?」
- 瀬人は、その声に覚えがあった。
- 確か自分にとって不愉快な行動(ユキの肩を抱いた)をした男の声
- そして今 自分が恋焦がれているユキが居るであろう家の前で不躾にも声を掛けてきて
- 足止めをさせている男に対し
- 「凡骨如き下賎な輩が甲斐甲斐しく声をかけてくるな」
- 怒りを露わに応えると
- 「あ〜お前この前ユキが拾ったいけ好かない気障野郎!!
- はは・・・解ったぞお前 ユキに逢いたくなってこの村に来たんだろう?
- しかし残念だったなユキは、お前がこの村を発った後すぐに引越したぜ〜」
- その言葉に
- 「ユキは、何処に引っ越した?言え!!馬の骨!!」
- 「凡骨だの馬の骨だの・・・俺はちゃんと克也って名前があるんだ!!名前で呼べよ」
- 「貴様の名など聞いておらん!ユキは、何処に引っ越したんだ?それを言え!!」
- 怒りにも似た雰囲気を纏う瀬人に克也は、少したじろぎ出したがそれでもユキの居所は、
- 言わなかった。
- ・・・と言うより克也自身ユキが何処に行ったのか知らなかった。
- ただユキが瀬人の元に行って居ない事を知ると安心みたいなモノを感じた。
- 「もしや貴様ユキの居所を知らんのか?そうか・・・くくく・・・幼馴染とは、言えユキは、貴様を心底信じては
- いなかったって事か・・・もし貴様の事を信じていたのなら連絡先ぐらいは教えて行くだろうからな」
- 瀬人は、厭な笑いをしながら克也の方を見ると克也は、自分がユキから信じてもらえていないのか・・・と落ち込みだした。
- 「瀬人殿 克也 朝の早くから何を騒いでいるんだ?少しは、近所迷惑って言うものを考えたらどうだ?」
- 「カノン爺ちゃん」
- 「カノン老・・・」
- 瀬人は、あまりカノンの事を良くは思って居ないので顰め面を露わにするとカノンは苦笑しながら
- 「そんな怖い顔をするものでは無いぞ瀬人殿・・・
- 先程から話しを聞いているとユキの居所を知りたいんだろうて?」
- その言葉に瀬人は、
- 「カノン老 貴殿は、ユキの居所を知っているのか?」
- 「ああ・・・知っているともユキは、シャイン・キングダムの城下町に働きに行っている」
- 「シャイン・キングダム・・・」
-
- 部下の話しでは、村を出て行った者は居ないと聞いたが何時村を出たのだ?
- そう言えばさっき凡骨が「お前がこの村を発った後すぐに・・・」って言っていたな
- 行き違いになったのか?
- それにしても何故・・・シャイン・キングダムなんかに?
- 何時カイバ帝国軍が攻めてくるのか解らない国なんかに何故?
-
-
- 瀬人は、ユキの行動が不思議だった。
- 「カノン爺ちゃん・・・ユキは、何故働きに行ったんだ?」
- 「シャイン・キングダムに知り合いが居るらしくて
- その知り合いから仕事を手伝ってくれ・・・と頼まれたらしい」
- 「その知り合いはシャイン・キングダム・・・城下町のどの辺に住んでいる?」
- 「さぁて?そこまでは、ユキは何も言ってなかった。」
- 瀬人は、一刻も早くユキに逢いたかった。
- これ以上ここに長いは無用と言わんばかりに歩を進めると
- 「瀬人殿行かれるのか?」
- 「当然だ」
- 「だったら俺も行くからお前 俺と一緒に行かないか?」
- 「断る」
- 克也の誘いを即答で応えると足早に村を出て部下から忍服を預かるとそのままシャイン・キングダムへと
- 急いで戻って行った。
しまった・・・ユキの話しも入れて書く予定だったのに書けなかった・・・
本当 瀬人さんユキちゃん一筋
ユキちゃん為なら何処へでも参上しそう・・・(忍だし)