- ここに運ばれて4日が経つのか・・・
- このまま瀬人と一緒に生活が出来たらどんなにいいだろうか
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- ユキは今の状況に満足していた。
- もしこのまま城に戻れば自分は、忍頭として戦場に出なければならない
- そんな事になればまたアノ男と対峙しなければならない
- それなら一層このままここに居ようとさえ思えた。
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- 『抜け忍』と言われ様とも・・・
- 愛する人と一緒なら言われても構わない
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- しかし自分の我侭でシャイン・キングダムの忍達に迷惑がかけられない
- ユギ国王や杏子皇妃に心配かけられない
- そして自分に辱めを与えた男に一矢を報いたい
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- このままでは、きっと自分は瀬人と幸せになれない
- 人の不幸の上での幸せなんて自分には、考えられない
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- そう思ったとき
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- そう言えば何故 羅刹は事が終わった後オレを始末しなかった?
- 事を終えたオレは、意識が無かった・・・始末する時間なら充分にあった
- それに事の最中自害をしようとしたオレを何故思い留まらせた?
- 真相を知りたい・・・
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- 「どうしたユキ?」
- 何時も気配をさせない瀬人に苦笑しつつも
- 「いや・・・後数日でオレは仕事に戻ろうと思ってな」
- 「ユキ・・・」
- 寂しそうな顔をする瀬人に
- 「瀬人そんな顔をするなよ
- 全てが終わればオレはお前の元に行くから・・・」
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- そう全てが終わればオレは、忍頭を辞めて瀬人の元に行く
- 瀬人の生涯の伴侶として・・・
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- そんなユキの想いとは裏腹に瀬人の想いは、複雑だった。
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- ユキに俺のもう一つの顔・・・
- 羅刹が自分だと告げた方がいいのだろうか?
- そうすれば遊戯以外にユキまで失うのだろうか?
- 俺には貴様を討つ事は、出来ない・・・
- どうすれば・・・
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- 「瀬人?どうしたんだ・・・」
- 「いや何でもない・・・仕事に復帰出来るまでユキが良くなったんだな
- って思ってな」
- 「病気じゃないけど瀬人の看病のお陰だぜ」
- 瀬人は、ユキの温もりを感じたくなって
- ユキの華奢な躯を抱き寄せ
- そして抱き締めた。
- しかしこの2人一緒に住んでいながらキス以上の事は、未だに行なわれていなかった