七夕 |
ドスン!! 何か弾力の在る物の上に墜ちたが墜ちた時のショックで 遊戯の意識は途切れてしまう ただ懐かしい匂いに包まれたまま・・・ チチィ・・・ 刻まれる音 後数時間で七夕が終わってしまう 会社の社長室で書類と格闘していた海馬は、 そんな事をフト思った 今日は遊戯が訪ねて来る筈だった。 そう連絡が来たのだ しかし連絡を寄越した 遊戯は結局現れず誰かの悪戯なのかと思ってしまう・・・ しかし普通パピルスにヒエログリフで誰が手紙を書く? もしするのなら余程の道楽者だろう 何時までも会社に居ても埒が開かないと思い傍に控えて 居た秘書に帰宅する事を伝え社長室を後にした。 車窓を流れる景色の中 近くで七夕祭でもあったのか笹に いろんな飾りを着けた親子連れやカップルの姿が目に着く 暫くすると自分が住む屋敷が見えて来た。 執事に来客が在ったのか尋ねると 「来客は御ざいません」との言葉・・・ やはり誰かの悪戯だったのだろう そうなると質が悪い誰の悪戯なのか突き止めてやる 海馬は自室に戻りネクタイを緩め疲れた躯を休める為に寝室 に入った。誰も居ない筈の寝室に微かだが人の気配がする しかしその気配の持ち主からの動きが無い 海馬が気付いていないと思っているのだろうか? 「う〜ん・・・」 ベッドの方から聞こえる声 天蓋から垂れ下がっている薄布をめくるとそこには恋い焦が れてた相手が 幻では無いのかと疑ってしまう 目の前に居る相手は現代の衣装を纏っておらずいつぞや見た 古代衣装のままだった。 恐る恐る顔に触れて診る 温かい・・・ 安心する温もり生きている証 急に躯中を駆け巡る飢えと渇き 瞼によって隠された紅い瞳が見たいそしてその瞳に自分の姿 を写したいそう思うと居ても立ってもおられず眠る遊戯を起こし にかかる・・・ 「遊戯!遊戯!」 華奢な躯を何度も揺さ振る 「うう・・・ん」 微かに痙攣する瞼 早く目を覚ませ!遊戯! 逸る鼓動 どうする事も出来ない 微かに目を開けるとぼやけて見えるが見慣れたシルエット・・・ 「セ・・・ト」 自分の名前の筈なのに音が違う呼ばれた名前は,あの男 遊戯の元カレだった男 バチッ・・・ン 小気味よい音 余りの腹ただしさに遊戯の両頬を挟む様に叩く 叩かれた意味が解らず紅い瞳を見開く遊戯に 「貴様 この俺の前でよくも他の男の名前を!!」 えっ・・・もしかして海馬?! 何度も逢いたいと想った相手 逢いたいと想う傍ら自分との間にある時間の壁・・・ そして生者と死者との壁・・・ それ故に諦めていた それなのにセトは、その全ての壁と取り除き 自分と海馬を逢わせてくれた。 遊戯は、涙を流しながら海馬に抱きつき 「海馬ぁ〜逢いたかったぜ〜!!」 急に抱きつかれ驚きは、したものの海馬は、その華奢な躯を 抱き締めた。 遊戯は、心行くまで泣き続けた後 海馬から1枚のパピルスを 見せられた。 「これは、貴様が俺に寄越したモノでは無いのか?」 「違うぜ・・・この筆跡はセトのモノだぜ」 そこで知らされる事実に海馬はセトの心中を察した。 自分の恋しい者が悲しみに暮れていたら・・・ きっと自分もセトと同じ事をしたのに違いない 海馬は、遊戯をベッドに押し倒し 今迄の空白を埋めるかの様に遊戯を味わった。 そしてそれは、遊戯も同じで海馬に求められそして求めた。 ベッド横のサイドボードに置かれた新たなパピルス そこに書かれていたのは、 「御幸せに」 |
壁を天の川のイメージで・・・
こんな感じで良かったのだろうか???
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