A happy wish-Vol.3-
A happy wish-Vol.3-

モクバから教えてもらった海馬の唯一の空き時間・・・日曜午後・・・
ユウギは、久しぶりに海馬に逢えると思うと居ても経っても居られなかった。
そんなユウギに遊戯は、
「嬉しそうだね」
「そうか?」
「君にそんな嬉しそうに幸せそうな顔をさせる海馬君に嫉妬してしまいそうだよ」
「お・・・オレそんなに幸せそうな顔してるのか??」
頬を染めるユウギ
きっと心臓は、ドキドキを煩く高鳴っているだろうに
「もう1人の僕 もうそろそろ行く時間じゃない?」
時計を見ると午後1時過ぎ
海馬の時間が空くのは午後2時から3時迄の1時間・・・
それ以後は、何時空くのか解らない程スケジュールが詰まっているらしい
「あっ・・・それじゃ行って来るぜ」
遊戯のい勧めでユウギは、前日から遊戯の家に泊っていた。
近所のバス停迄遊戯に見送ってもらい海馬邸へ・・・
ユウギは、てっきり海馬は、シティーホテルにでも泊っているのかと思っていたが
モクバが言うには、屋敷の方が落ち着くらしい
バスに揺られる事30分そこから徒歩で10分程で海馬邸に着いた。
顔なじみの執事に挨拶するとそのまま駆け足で2階まで駆け上がったら海馬の
私室の扉が・・・
ユウギは、海馬の名を呼ぼうとしたがその部屋から出て来たのは、海馬では無く
長い髪で細身の長身・・・
ユウギは、その相手に見覚えがあった。

海馬ランドで行なわれたデュエル大会に出場していた。
確か名は、ジークフリード・フォン・シュレイダー
シュレイダー社の社長だった筈・・・
海馬との仕事の取り引きでここに来たのか?

ジークは、ユウギに気が付いたが声を掛けなかった。
むしろ自分の後から出て来た海馬の首に自分の腕を絡め口付けをしだしたの
だ!!
ユウギは、自分の目の前で行なわれている行為が信じられなかった。
しかも海馬は、何の抵抗も見せないで居る
頭の中が真っ白になりそうだった。
何時もなら嫌味の一つでも言う所だが何故か今日に限って何も言えない・・・
ユウギは、目の前の信じられない行為から逃げる様に走り去ろうとした。
「ユウギ!!」
人の気配に気が付いたのか海馬が振り返ると階段を駆け下りていくユウギの姿
が・・・

まさか今のをユウギに見られたのか!!

「ユウギが貴方に見切りを付けるのも時間の問題ですね
海馬 私はユウギを貴方の手から奪って見せますよ
そしてその為なら手段は、厭わない」
高笑いをして海馬の傍から去っていくジーク
しかし今の海馬には、ジークの高笑いなぞ気にも留めていなかった。
むしろ誤解をしたであろうユウギの方が気になる

ユウギは、海馬邸を飛び出しつつも妊娠中期とは言えお腹の子供の事を考え
るとそんなに走る事が出来ず屋敷の門をくぐったあたりから歩き出していた。
しかし 海馬は、急いでユウギの後を追いかけたが既にその姿を捉える事が出来
なかっ
た。
屋敷に戻りユウギの携帯を何回も鳴らすがその度に聞えてくるのは無機質な
呼び出し音だけ・・・

ユウギは、バスの中でマナーモードにしていた携帯からの振動で海馬から電話が
掛かっている事に気が付いていた。
しかし出ようとは、思わなかった。
もし出た事によって海馬から別れ話でもされたら・・・
自分は、どうすればいいのだ???

帰宅後 ユウギは、ベッド脇に腰を掛け傍にあった枕を抱き締めながら

海馬にとってオレは、どう言う存在だったのだろうか?
海馬Co.にとって都合のいい広告塔だったのだろうか?
躰さえ繋いでおけばそれなりに利用価値があったのだろう・・・
オレにはジークみたいに財力や権力があるわけでもない
むしろ海馬にとって足手まといになるだけの存在・・・
そんなオレを海馬が見限ったのかもしれない
そしてジークを選んだのかも・・・

海馬の夢を叶える事はオレには出来ない!!

そう思うと悲しくなって来た。
ユウギは、傍にあった電話を取りある場所に電話をした。

ユウギが海馬邸に訪れて4日程経ったある日
仕事の関係で出張していたモクバが久しぶりに海馬邸に戻り出張先での出来
事を兄に報告しに私室に訪れていた。
「・・・・そうそう兄さまこの前の日曜日ユウギが来たでしょ?」
何故モクバがユウギの事を??
「ユウギに兄さまの都合のいい日を聞かれたので教えたんだ
ユウギがどうしても兄さまに伝えたい事あるっていってたから・・・」
「伝えたい事?」
訝しむ表情の海馬にモクバは
「あれ?兄さまユウギに逢わなかったの?」
「ユウギは、来るには来たが何も言わずに帰った。
ユウギは、何を伝えにここに来たのだ?」

ユウギ・・・あれ程 兄さまに逢いたがっていたのに・・・
何も告げずにって・・・

黙り込むモクバに
「何か知っているのか?」
「本当は、ユウギから兄さまに言う筈だったんだけど
ユウギ・・・兄さまの子供を身篭っているんだって」
「何!!!!」
余りの衝撃的な言葉に海馬は、怒鳴っていた。

ユウギが俺の子を・・・??
まさかあの時ここに来たのは、その事を伝えに?

「兄さま何処に?」
「ユウギの所に言って来る」
「でも・・・解ったよ兄さまいってらっしゃい〜」
何時に無く真剣な表情の海馬にモクバは、機転を利かせて見送った。
その後 磯野を呼び兄のスケジュール調整をし自分が代わりに出来そうな仕事
は、自分のスケジュールに組み込んで行った。


予定していた話しの一部を変更したら先が見えて来た。
(書いてる私の方に・・・)

一応 ユウギは、妊娠中期に入っている事にしたんですが・・・
いいのか走らせて???って自問自答したんですが・・・答えが出ない・・・
バス停まで走らせるのは酷・・・と思い門までにしてみたんですが・・・
すばしっこいユウギに海馬さん追いつけませんでした。




戻る Vol.2 Vol.4